立田山で思いがけないほどたくさんの”むかご”採った。近隣の人たちは”むかご”のことをあまり知らないような気がする。
”むかご”は、山芋の葉の付け根にできる小さな球芽。”むかご”ご飯などむかご料理の、山芋の旨みが凝縮されたホクホクとした味は得も言われぬ乙な味がする。贅沢な秋の味覚の一つだ。
『”むかご”が沢山採れたよ。”むかご”ご飯、暇だったら、食べに来ないね。』と娘にメールを入れた。
折り返し娘からのメール。『ご招待、謹んでお受けいたしますわ。夜行くね。美味しい味噌汁と”むかご”ご飯をお願いします。』
娘夫婦はすぐ近くともいってよい、約4キロほど離れた市内中心部に住んでいるのだが、仕事も忙しいのだろう、なかなか会う機会がない。どうやら”むかご”のおかげで、楽しい夜が過ごせそうだ。
その夜、我が家を久しぶりに訪れた娘夫婦と夜遅くまで楽しく話が弾んだ。”我が家の奥さま”が心を込めて仕込んだせっかくの”むかご”ご飯は 側に置いたまま。ビールとワインが主役の楽しい宴とだった。
その日、持病の痛風で左足が痛いわたしのために娘が杖を送ってくれた。これからは杖を頼りの生活になるかと、一見、寂しいおもいがしたものの、”むかご”のおかげか、翌日は不思議に痛みがとれていた。