昨日(5/5)の朝日新聞に、『下流社会』(光文社)の著者でもある三浦展
氏が「若者の雇用」をテーマにして寄稿していた。
ライフ・スタイルが多様化している今日、雇用も正社員か非正社員かの
二者択一ではなく、両者の間に様々な雇用形態を作るべきである、という。
例えば、「準正社員」というのを作って、異動や転勤などは拒むことがで
きるが、正社員とは、所得や福利厚生面等では、処遇に差を付けられ
る扱いとなるとか、
「時限正社員」として五年間だけ正社員として働く雇用契約を結ぶこと
等、提案されている。
個人のライフ・スタイルやニーズに合わせた働き方が可能となれば、
若者の就労意欲や、人生そのものへの意欲が高まるのではないか、
という趣旨のようである。
私はすでに、若者ではないが、
このような自由な働き方が増えていくことには、大賛成である。
個人の価値観や様々な事情(本人の病気、親の介護、育児等)を無視し
た、会社都合ばかりでの、人の使い方、雇い方は、改められるべきで
あり、また今日、社会全体でもその必要性は高いものと思われる。
日本の社会は、法人資本主義で、世の中がまかり通っているかの如く
言われているが、会社本位な世の中の在り方を見直し、
個人やその生活を中心に置いた、社会システムに移行すべき時期である。
それは、社会というものを、会社の手から、
生きている人間一人一人の手に取り戻す試みである。