塚口サンサン劇場で、40年ぶりに大きなスクリーンで「魔界転生」を観てきました。大きなスクリーンで見る魔界転生は、やはり格別の大迫力✨ 木曜日まで上映しています、行ける方は是非 おすすめします! ※忘れちゃいません「キネマの神様」は、まだ当分上映中です。
画像は全て塚口サンサン劇場から、忍法髪切り丸!!
1981年の映画の公開前は、初の時代劇出演のジュリーに、大丈夫かしらん?とちょっと心配したけど、とても楽しみでもありました。
TVで何度も放送されたし、よく知っているつもりの「魔界転生」でしたが、知ってるつもりでも、あちこち やっぱり忘れているんだな~、と思いました。40年前の1981年に見た時と、今の私では映画を見る視点が変わりました。昔はジュリーしか見えていなかったんです。
冒頭の能舞台の風景に、ここのロケ地はどこ?多分、京都の大覚寺あたりか?と思ったら、ピンポンどした!大当たり~゚((^o^)丿ここは、ジュリーの源氏物語のロケ地にもなっとりますので、映像作品にはよく登場しています。
この護摩堂前の夜のセットで、能役者が雷に打たれて天草四郎が乗り移り、放った台詞「復讐するは我にあり」
1981年の公開当時は、姫路の東映で4回見ましたが、あの頃の20代の自分とは違い、今は当時よりも多少は歴史への知識が増えました。
始まってすぐ「島原の乱」のクレジットに、正しくはキリスト教徒が起こした「天草の乱やろ!」と突っ込みを入れながら、時代考証無視の何でもありだから、これでOKなのかしらんと、映画の見るものに有無をいわせない迫力の前に黙らされました(^^;
「魔界転生」という映画の、時系列と歴史をまったく無視した、とんでもない歴史観に大いに呆れさせられ、その反面、様々な歴史的事実や超有名人達を、上手い具合にちゃっかり映画に組み込み取り入れてしまった、シナリオの見事な手腕には、大いに拍手を送りたいと思います👏 呆れた嘘八百ぐあいなのに、無理矢理に全編を通し切った融合感と、テンポよい物語のスピード感はほんとにスゴイ(笑)
ジュリーの天草四郎の冷酷なまでの美しさに加えて、見事な迫力ある時代劇の台詞(身びいきではないと思う)に聞きほれました。ジュリーって何でも完璧に出来るんやわ!!おまけに声が、亡き東映の時代劇の大スター錦之助さんとソックリです。(^^♪
2021年の今見て、大変感服したのは、天草四郎と相対する名優たちの重厚な演技です。緒形拳さんの宮本武蔵、若山富三郎さんの柳生但馬の守、いずれも、まさに魔物が乗りうつったような熱演でした。柳生十兵衛の千葉真一さんは、当時まだ40過ぎたばかりの若さ。もっと歳を重ねて見えていましたわ、当時の私には。
若山さんと緒方さんの、それぞれの独白シーンの台詞の見事さは、一言ひとことが詩を詠んでいるようで、時代劇の台詞の美しさを見事に体現していて、聞き惚れました。今の時代劇のセリフは、現代的に寄ってしまって、どっちつかずで変だと気になっています。
名優らの殺陣の迫力ある素晴らしさは言うに及ばず、若山さんが裃(かみしも)からサラリと袖を抜く所作の、流れるような美しい動きといったら・・ これこそが様式美というものでしょう。
きっと撮影現場では、熟練の名優たちが真っ向勝負の演技でバチバチ火花を散らしていたのでしょう🔥 その中で存在感で負けていないジュリーは凄い!
忘れてはならないのは、ヒロインの佳那晃子さんの、謎めいた妖艶な美しさです。当時は無名の女優だったにも関わらず、周りの名優たちに臆することない熱演は、40年ぶりに見て素晴らしい!と思いました。(佳那さんは、madameHが、お仕事で関わられたことがあるそうです)
ヒロインに他の女優(秋吉久美子さんなど)の名前が数人も上がっていた中で、無名の佳那さんが二転三転しながらも、ヒロインに決まったのは必然です。
当時はアイドルバリバリの、若き真田広之さんの霧丸、文句なくカッコいい~!こんなにハンサムやったっけ!素敵~! 魔物になり切れない、可哀そうな最期でした。💦 今は真田さんは、日本よりも外国で?
真田さんは、後に大河ドラマで足利尊氏を演じましたが、水上勉さんが小僧の時にいた等持院が、その足利尊氏の菩提寺で、国賊の足利尊氏の寺に参拝客なんかいなかった、貧乏寺だった。と「土を喰らう12か月」の冒頭に書かれていたので、あらま なんて偶然!
その真田さんが主役の足利尊氏の大河には、ショーケンが新田義貞役で出ていたのに、病気ですぐに途中降板してしまい、当時はガッカリで('_') そのショーケンの代役は、根津甚八さんでした。
話がそれましたが、切られ役で有名な先年亡くなった福本清三さんや、プロデューサーの角川春樹さんがスクリーンに出ていたのも、しっかりチェックしました。見どころ一杯の「魔界転生」40年ぶりに、いやおそらく40年前よりも、もっとたっぷり楽しみました(^^♪
気になった最後のクレジット、「衣装アドバイザー 辻村ジュサブロー」。あれ?衣装デザインとは違うの?
まだ続く