ジュリーの作詞と並ぶ、安井かずみさんの代表作は、やはりこの人の曲だろう。
ZUZUが亡くなった時の新聞記事には「危険なふたり」よりも、この人の曲の方が代表作だと、多く取り上げられていたと記憶している。こっちとしては、かなり面白くはなかったのだが。
「安井かずみのいた時代」の中で平尾昌晃さんがZUZUと「わたしの城下町」の制作秘話などを述べていた。その代表曲が生で聴ける機会が、たまたま訪れた。こんなことなら、平尾昌晃の章を もっと読んでおけば良かった。
姫路で会員限定の小柳ルミ子コンサートのご招待券をいただいて、主人と行ってきました。
姫路文化センターには、ジュリーは70年代後半辺りくらいまで来てくれていたかな?80年代以降は、多分来ていない。76年の謹慎休み明けのジュリーの姫路でのコンサートは忘れがたく、すでにブログには書いた。
6時からのコンサートは、車の渋滞で間に合わないかもと、かなり焦った。ギリギリの時間に文化センターについて、急いでいるのに、会館にはエレベーターもエスカレーターもない! 古いホールで、初めて来た主人が「無いの?!」と驚いていた。観客は殆どが中高年で、杖をついている人だって多いのに。昔はバリアフリーという言葉も、その意識も無かったのだ。
席は4階の中央で、ほぼ最後列に近いが、双眼鏡で充分顔は見える。写メした画像に映る、観客の頭の色は白髪まじりの灰色が多い。ルミ子さんのコンサート、やっぱり見るのはこの年代だろうな。
真っ赤な華やかなロングドレスで登場したルミ子さん、自慢の豊満なバストとこれも自慢の くびれた細いウエストを強調したドレスは、とてもセクシー。画像はルミ子さんのHPから
広い会場に、ほんのパラパラ わずかな数の人だけが、ペンライトを振っている。登場したルミ子さんへの ルミコ~~~!の弱々しい声援に、観客の笑いがおきた。ルミ子さん曰く、遠方から駆けつけてくれる 大ファンの人達だそうです。有難いな~ファンは・・・しかし、このコンサートは会員限定のはず、どうやってチケットを手に入れたの?と疑問が? ファンクラブの特権ですか?
『18歳でデビューして45年、還暦をとうに超えて、今年63歳です!』
『人間、鍛えれば伸びます、元気になっていただけるように頑張ります!』
その言葉には、歳はとったけど見た目は若いでしょう?まだまだ綺麗でしょう?私は頑張っています!という、ルミ子さんの自信に満ちたものと受け取れた。
実際、双眼鏡で覗いたぶんには、夜目遠目とはいえ ルミ子さんは昔と変わらず、ずーっと若く美しく、鍛えた素晴らしいプロポーションで とても今年で63歳には見えなかった。
『昔は絣柄のミニスカートで、直立不動で歌っていました』
と、安井かずみ作詞の「私の城下町」と、「恋の雪別れ」
『あの頃は、ほんとは私が踊ることが好きなんて 誰も知らなかったでしょう?』
そう、誰も知らなかった。ナベプロから日本のしとやかな良い娘の代表みたいな売り出し方をされて、それが大当たりして、その清純な和楓のイメージが焼き付いた。本人は「実は私はそうじゃない」と不本意だったんだね、きっと・・・
※ 「安井かずみのいた時代」の中では、安井かずみは「私の城下町」のような和風の物の作詞もできる、なんでも注文どうりに書ける作詞家とだと、その才能の幅広さをほめて書いてあった。
そして着替えに引っ込む、次は黒の衣装かな?と予想したらドンピシャリだった(笑) 黒いドレスのスカートはパックリ大きなスリットがいっぱい入っていて、黒いスカートから白い足がむき出し!超セクシ~脚線をこれでもか!と強調している。
踊り終えたルミ子さん、汗をかき息を切らしながら(踊るルミ子の姿に)『驚いたでしょう?』2曲ほど歌っては喋る、といったパターンで、荒い息を整えながら話す。
パワフルなルミ子から、エレガントへと、今度はしっとりした曲へ。
「京のにわか雨」「来夢来人」をボサノバ調にアレンジして歌う。おしゃべりは汗をふきつつ、息を切らせながら、ダンスでかなりお疲れの様子だった。
『昔からいつか歌いたいと思っていました。世界的に有名な歌。人生の酸いも甘いも噛み締めた、今だから歌える曲です』
歌う曲はきっと「愛の賛歌」やな?と予想したらやっぱりそうだったわ~。ルミ子さんが、語りかけている時に携帯電話のベルが・・(=_=) 誰や?切っとけ! ルミ子さん、きっと気を悪くしたと思うが「私が出ましょうか?」と笑わせていた。
美輪明宏の「愛の賛歌」とも越路吹雪とも、ジュリーとも違う、ルミ子の「愛の賛歌」は語りかけるように、泣くように、譜面はかなり無視の、女の情念がこもった情熱的な「愛の賛歌」だった。さすがの力のこもった歌唱力と迫力は、そこらの若いだけの小娘にはとても歌えないだろう。30代の女でも無理、年齢と人生経験が重なってこその「愛の賛歌」は非常にドラマティックだった。
ふと思ったのは、この曲は譜面のままに普通に、全く技工を凝らさずに歌えば、もしかして 違う曲みたいに聞こえるかもしれない? ここまで歌う人の思い入れが深く、歌唱をデフォルメされる曲は他にないな、と思ったりして・・・「マイウェイ」もそうですね~(笑)
ルミ子さんこの辺で、また引っ込む。次は白の衣装?と予想したら、またまた当たったよ~。今日は予想がどれも ドンピシャリ!今度は髪は高く結い上げられている。短い時間に着替えと、髪型まで変えるのは大変だなぁ・・
真っ白のドレスはベアトップ。豊かな二つのバスト、その谷間を強調したドレスはさらにセクシー!・・・ですが、私の感想をショージキに率直に言わせてもらうと、白いドレスは潔く肩がむき出しになっていて、その意外に広い 角ばった肩から、豊満な胸に比してアンバランスと思える、長い細い2本の腕が出ている。そのむき出しの腕の、あまりの細さ・・・腕も首筋も、筋ばって見える。
むき出しの長い細い腕に、ルミ子さんの 隠しようのない年齢を感じてしまった。年齢とともに 似合わなくなるデザインの服はあり、細い腕と首筋に、悲しいかな 今の年齢が曝け出されてしまうのだ。
それはともかく、ルミ子さんが誇らしげに曲名を告げる、大ヒット曲「星の砂」そして、NHKの「歌い続けたい歌」で7位に選ばれたという自慢話の大ヒット曲「瀬戸の花嫁」これで、コンサートは大団円を迎えた。
90分間のステージは、長い休憩も入らず、一人で喋りながら踊り歌う パワフルなものでした。TVで見たところ、あんまり声が出ていないように聴こえたけど、生のステージのルミ子さんは、さすがの現役歌手の貫禄でした。
安井かずみの残した代表曲「わたしの城下町」は、ルミ子さんがこうして ステージで頑張っている限り、これからも歌い続けられるのです。
提供した作詞家も、歌い続ける歌手にとっても とても幸せなことだと思いました。特にファンではなかったけど知っている曲ばかりで、楽しめた大人のコンサートでした。
終わったあと主人に「ルミ子さん、大ヒット曲がいっぱい!知らない曲は2~3曲しか無かった。さすがだね!」と話したところ、主人は「いや、知っている曲は3曲だけだった」との返事。「知っている曲は、わたしの城下町と、瀬戸の花嫁と、星の砂?」と聞いたら、やっぱりそうだとの返事で、あんまり歌番組は見ない人だったらしい。でもこの3曲だけでも凄い!
ルミ子さんのブログ
3月、姫路城の前で歌った。とても寒かったそうです。
http://ameblo.jp/rumiko-koyanagi/day-20150328.html
姫路城の大修理を終えた新開城と、コンサートと、計二回も来られて幸せと言っていました。