今日はショックなニュースがいくつかありました。
まず、勘三郎さんの逝去です。まだ57歳の若さ。どうも重篤な病らしい、という話は聞きましたが、まさか・・・ これまでも、これからも、歌舞伎界を牽引していく中心の歌舞伎役者だったのに、さぞやご本人には無念な事だったでしょう。 ご冥福をお祈りします。
歌舞伎にはほぼ縁がない私でも、子供時代から注目され続けた勘三郎さんの名はおなじみです。 その勘三郎さんに注目する事になったのは、藤山寛美さんの13回忌追善興行でした。 ジュリーが大阪の松竹座で「夢噺 桂春団冶」を、勘三郎さんが新橋演舞場で「浮世噺 桂春団冶」を演じる。 ジュリーと同じ役をあの歌舞伎の名優の勘三郎さんも演じる。 嫌だわ~ 比べられるのって・・・(;一_一)
しかし、一度舞台を見たとたん、ジュリー演じる春団冶にすっかり私は堕ちました。 春さま~♡ ジュリーというよりも、ジュリーが演じる春団冶に夢中になったの。 あの頃は文字通り寝ても覚めても春さん♡ 短く切った髪の衿足あたりから、立ち上るような色気、甘くてしかも歯切れのよい大阪弁、なんて色っぽいんだ!私の一時停滞気味だったジュリーへの気持ちは、突然 火が付いたようにボーッ🔥と燃え上がりました。どれほど春団冶にはまったか、いっくらでもその辺は書けるのですが 今日は勘三郎さんです。
(wikiより)2002年- 「桂春団治」「夢噺 桂春団治」「浮世噺 桂春団治」 この版から松竹新喜劇の上演ではなくなる。藤山寛美十三回忌追善のため、大阪では沢田研二を、東京では中村勘三郎 (18代目)を起用して、藤山直美と二枚看板で興行を行うことになった。演出の宮永雄平が、平戸敬二補綴の第二バージョンをリメイクした。前半部に架空のエピソードを挿入し、大詰め幕切れで桂春団治とおとき(藤山直美)が並び立つようにした。 桂春団治=沢田研二、18代目中村勘三郎 おとき=藤山直美
2007年に沢田研二を再起用して再演した。その初日(4月3日)、宮永雄平は亡くなった。死因は胃癌、奇しくも、初代桂春団治と同じであった。
勘三郎さんは、藤山直美さんとは舞台で度々共演されていて、直美さんの主演映画「顔」にも少しだけ怪しい関西人の役で出演されていた。しかし関西人はおかしな関西弁は許せません。映画「顔」の勘三郎さんの関西弁は、はっきりいってヘタ、NGでした。(どうして、関西人の役なんて当てたのかしらね?適当過ぎる)
ジュリーの春団冶に完全に のぼせ上っていたわたくしは、あんな関西弁で「春団冶」を演じようって言うのかしら? オーッホホホ・・間違いなくジュリーの勝ちやね。場所はTOKIOの新橋だから、観客は誤魔化せると思っているのなら甘い。 と不遜にも思いました。松竹座のジュリー版を観た直美ファンの「勘三郎さん版を観るまでもなく、ジュリーに決まり」という評もあったしね。
関西在住だし、その頃はさほどネットもしていなかったので、勘三郎さんの舞台の評は知りません。しかしその翌年、「浮世噺 桂春団冶」が関東地区のみ、NHKの教育TVで放送されたと聞き、関東のジュリ友さんにお願いして見せていただいた。画像がボケているのは、元から画像が非常に悪かったせいです。 勘三郎さん47歳。
ジュリーの「夢噺」版と、勘九郎さんの「浮世噺」版では、ところどころ筋に違いがありました。
京都の旅館で、おときさんと会う春団冶。 ジュリー版では季節は冬だけど、こっちは夏の祇園祭の夜。ジュリー版ではこの後、炬燵をはさんで おときさんに春さんが迫るラブシーンがありますが、勘三郎さん版には迫るシーンはない。サラリと二人のこの先を暗示するだけで、ラブシーンはかわしてあります。
ジュリー版「夢噺」と、勘三郎さん版「浮世噺」の、両方のいいとこどりをしてできたのが、ジュリーがその後再演している「桂春団冶」です。出演の役者さんも、多少変わっています。違うところは、中村獅童 花紀京 笹野高史 波野久里子さんあたりか。
春団冶が白い人力車であの世へと旅立つ、ラストシーン。
映画では許せなかった勘三郎さんの関西弁は、舞台ではほぼ完璧と言えるほど 見事によくなっていました。さぞや、よく努力されたんでしょう。
よく考えたらジュリーよりも、舞台人とはいえ勘三郎さんの方が関西人じゃない分、役作りにはもっと大変だったと思います。勘三郎さんと言えば、愛矯と色気のある芸風と必ず言われます。でも、ジュリーの方がより華やかで色気がある春団冶でした。これはファンの身贔屓では断じてないと思う。ただ落語家らしいたたずまい、春団冶の悩みや葛藤の場面では、ジュリーよりも落語家らしい風情や哀しみが滲み出ていました。
見終わって素直に、勘三郎さん版も良い舞台だったと思いました。 勘三郎さんとジュリーでどっちが良かったかと聞かれたら、見る前は断然ジュリー!と答えるつもりだったけど、それは言い切れないな・・・と思いが変わりました。元々が良く練り上げられた、芸道と夫婦、親子の情、お互いに慈しみあう、人間の哀切が描かれた脚本です。勘三郎さんの春団冶には、勘三郎さんでなければ出せない味がありました。
おときさんと春団治が別れる場面「わしは今42や。長いことない命。短い命やったら好きな事をやったる。」
その台詞が今日は、とても身に迫りました。勘三郎さん、やりたい事がいっぱいあっただろうに。その後「桂春団冶」はジュリーが何度も再演することになりましたが、勘三郎さん版を見る事が出来て、違う春団治の姿が見られて良かったと思っています。
おときの父を演じた小島秀哉さんは今年亡くなられました。来年にはまた、寛美さんの追善公演があると聞いていますが、果たしてジュリーは出るのでしょうか。演目は春団冶と噂に聞きましたが、ほんとかな? ジュリーは忙しそうだし・・気にしています。 今日はショックなニュースがまだあったんだけど・・・ 書く時間がなくなりました。また今度。
- 2012年12月5日
何が心配って・・ いや私も心配です(笑)
どんな番組になるんでしょうか?期待半分、心配半分ですが
拓郎さんのジュリーへの熱い思いは、よくわかりました。☆彡