金曜日、大阪の新歌舞伎座で舞台「 陽だまりの樹」を見てきました。コンサートはジュリーしか行きませんが、お芝居、ミュージカルは大好き。しかし芝居は料金が高い・・・なかなか行けませんが、もっぱら優待チケットを探して行っています。 ということで、大きな声では言えないが、この舞台の優待お得なチケットを手に入れた。
新歌舞伎座は昔は難波にありましたが、2010年に上本町の新しいビルの6階に変わりました。下の画像は昔の村野藤吾の建築の新歌舞伎座。初めて見たときは都会のど真ん中に唐破風のこの姿で、すごく違和感があったけど、毎回見続けたらそのうちに慣れた。出来た当時、この辺りは黒い瓦屋根の日本家屋が立並んでいたのだとしたら、周囲との違和感はなかったんだろうね。でももう今はない。
今の新歌舞伎座はビルの中に入って、かつての芝居小屋の情緒は今はない。大阪の上本町なんて日頃は行ったことがないですが、もしかしたらジュリー主演の音楽劇の「The 近松」を上演した近鉄劇場はこの辺だったのかもしれない。 劇場入口の大きな看板
主演は、主人公が二人。 上川隆也と吉川晃司。
チケットを窓口で引換えて、優待だから きっと最後列か、二階か三階に違いない・・・と思っていたら、なんと ひと桁の9列!しかも端じゃない、中央からは左寄りの席。花道からは遠いけど、特別にファンでもないのに、これ以上の席なんて望みませんわ。
双眼鏡持参でしたが、充分肉眼でも見える良席で、左右や前後にちょこちょこと空席有り。二階三階は前の席しか埋まってないようですが、1500席もある大きな劇場だから 平日の昼間では仕方ないかも・・・(ー_ー)
見物客は、上川・吉川ファンと思しき40代くらいの女性と、新歌舞伎座に多い年配の客。平日昼間に、若い人の姿はほぼありません。東京ではチケットは完売したそうだけど、東京の上演回数は大阪より少なく10日くらいでした。どんな出し物も、東京の方が大阪より人は集まります。 (ジュリーのドームもね)
新しい劇場内は松竹座よりはロビーは狭いかな。いや、さしてかわらない?
客席数は最大で1500席程。 この席数で一箇月公演で客席を埋められる人はそうそういないと思う。 「陽だまりの樹」は、約二週間の上演です。一階席は舞台に近いし、二階席がかなり前方に張り出し、見やすそうな座席位置です。二階最前列の席が特別席で、一番値段が高いけど、私は見るなら一階の方がいいわ。
緞帳を撮したら、撮影は止めてください。と言われました。この劇場は、あれいけない、これいけないと、随分ダメが多いです。ここまで、あれもこれもダメという劇場も今まで無かったなー。なんだか、禁止禁止でムっとする。(ーー゛) ※新しい劇場ほどNGが多いです。
新歌舞伎座ではお約束のはずの、プレゼントタイムも無かった。これは芝居によるんでしょうね。 花道に物を置くな、というのは当然ですが。
「 陽だまりの樹」
※粗筋 漫画家・手塚治虫が自らのルーツを描いた「陽だまりの樹」。時は幕末。開国から明治維新という大変革の時代の中、友情で結ばれた対照的な二人の若者がいた。伊武谷万二郎。腕は立つが世渡り下手の武士。倒れゆく幕府に忠誠を尽くす。手塚良庵。女にだらしないが腕利きの蘭方医(らんぽうい)。原作者・手塚治虫の曽祖父。それぞれの信念を貫き自らの人生を切り拓こうとした二人の若者が歴史上の人物たちとの交流を経て成長する姿を描く幕末青春譚(たん)。
*タイトル「陽だまりの樹」とは、万二郎の心の師である水戸藩の学者・藤田東湖が、因習にとらわれ朽ちかけている幕府をたとえて言った言葉です。
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手塚良庵(上川隆也) 手塚治虫の曽祖父に当たる蘭方医。大坂の適塾で学び、父・良仙と共に種痘所(後の東京大学医学部)の創設に奔走。女にだらしがない遊び人だが、いざという時は患者の命を救うために奔走する。良庵も時代の流れに押され、軍医として戦地に赴く。
主役の二人とも上背があるので、舞台映えします。やけに、舞台の音楽がデカイのが気になりましたが、舞台装置を交換する時の音を 音楽で消しているんじゃないか、との説があり、そうかもしれない。
3時間ちょっとの長いお芝居でしたが、観ていて飽きませんでした。原作は読んでいませんが、大長編だと思う。 それを3時間にまとめるには、かなりバッサリとエピソードは切られていると思いますが、それでも観客には伝わる、わかりやすい内容になっていました。
長編の歴史ものは時折、客にわかりやすくするために、内容が説明に終始する時があって ともすれば台詞が説明口調になって、客は白けるんですがそれがなかった。舞台の流れが寸断しないのが良かったです。 舞台が幕末で、客の方にある程度の知識があるせいかもしれません。
主役の二人、上川さんはさすがに舞台出身だけあり、遊び人の役を 時には軽すぎるんじゃないか と思うほど弾けながら、時には重く、変幻自在に演じ分けていました。 アドリブ?と思われる、相手役の俳優さんへの切り返しも素早く見事。 背は高いし、カッコイイし、舞台俳優として申し分ないと思う。
吉川晃司さんは、これが初舞台(ストレートプレイは)だそうです。活動的な動き回る良庵に対して、殆ど表情を崩さない、一本気で無骨な男の役によく似合っていた。台詞もよく通っていました。剣の使い手で、殺陣にスピード感があり迫力があった。
もし上川さんが万次郎の役でも似合っていたかも、と思ったけど、
吉川さんが軽い女好きの役は、ちょっとイメージが違うかな・・。
あとは、恨みに取りつかれた浪人に、岡本健一。 この人、昔はとてもハンサムと思っていたことがあったけど、もう若くはなく、うらぶれた感じが役によく出ていた。父親の良仙に石倉三郎 。時折台詞をかむのがちょっと気になったけど、これも軽いオヤジ。
しかし、べらんめーの江戸っ子のイメージがある勝海舟役の俳優の演技は、あまりにも軽すぎてバカみたいだった。軽薄な人物になりすぎて、やり過ぎではと思う。残念ながら、女優陣は誰もあんまり記憶に残らなかったわ。元宝塚、花影アリスさんが出てたけど綺麗でした。 おせきさにんが、私はいまひとつ・・な気が。
舞台の終末、万次郎は自らの信念に従い、幕府の最後の炎の中に自らの身を投じてゆく・・・最後、舞台上の桜の巨木が満開の花を咲かせ、美しい桜吹雪の中で幕がおりました。前方のわずか数人の人だけが、スタンディングオーベーションしていたけど、私も立って拍手しました。 周りは殆ど座っていたけどね、拍手は大きかったです。舞台の公式HPhttp://hidamari-no-ki.com/


- 2012年5月13日
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本音?爆裂で面白かったですね。もっとも、もう殆ど頭に残ってないけど・・(/ω\)
写真を二枚並べるのはNG? でも去年の写真はとってもカッコイイと思います!
若さには勝てなくても、人生の深みがありますわ(^^ゞ