無知を晒すような話だが、日本の火山の分布図を見て驚いた。近畿・中国・四国には火山が殆んど無いことに初めて気付いた。山口県の阿武火山群と鳥取県の三瓶山だけが中国地方にあり、近畿と四国には火山が無い。日本に110ある筈の火山の分布は驚くほど偏っていた。こんなことに驚くのは、日本を火山列島だと思い込んでいたからだ。
日本の古代史を考える上でこれは重大な要因だ。大陸および半島に最も近い北九州ではなく近畿が中心になったのは火山を恐れたからではないだろうか。
死者・行方不明者43人の雲仙普賢岳の噴火以降、北海道の有珠山(2000年)、宮崎県の霧島山新燃岳(2011年)、そして今年の御嶽山などの噴火があり、死者が出る規模の噴火は大体5年に1度ぐらいの割合で発生している。現代科学を以てしても噴火予測は困難なのだから、古代人にとっては神の祟りと思えただろう。神武東遷神話の元になった史実は噴火と地震を恐れての移住だったのではないだろうか。噴火を恐れたからこそ三輪山などの噴火しない山が神域とされたのであり、祭ることによって噴火させまいとしたのかも知れない。
文明は東西に広がり易い。それは農業がそのまま通用するからだ。経度が変われば時差は生じるが日照時間は変わらない。しかし緯度が変われば日照時間も気温も変わるからそれまでの農業を改める必要に迫られる。だから文明は東西に広がり易く南北には広がりにくい。ユーラシア大陸が文明の中心になったのは東西に広いことが最大の原因だろう。
文化交流のための最適地の九州には火山と地震が多い。もしかしたらポンペイのように噴火で滅んだ集落もあったかも知れない。人は誰でも少しでも安全な場所に住みたがる。噴火と地震が少なく、台風の直撃を受けることも殆んど無い近畿が日本の中心になったのは地勢的理由が小さくなかろう。今でこそ東京を中心とした関東が日本の中心になっているが、富士山の噴火を想定すれば東日本は決して安全な土地ではない。火山は突然牙を剥く。将来、富士山を起点とする大災害が起こることはほぼ確実だろう。
日本の古代史を考える上でこれは重大な要因だ。大陸および半島に最も近い北九州ではなく近畿が中心になったのは火山を恐れたからではないだろうか。
死者・行方不明者43人の雲仙普賢岳の噴火以降、北海道の有珠山(2000年)、宮崎県の霧島山新燃岳(2011年)、そして今年の御嶽山などの噴火があり、死者が出る規模の噴火は大体5年に1度ぐらいの割合で発生している。現代科学を以てしても噴火予測は困難なのだから、古代人にとっては神の祟りと思えただろう。神武東遷神話の元になった史実は噴火と地震を恐れての移住だったのではないだろうか。噴火を恐れたからこそ三輪山などの噴火しない山が神域とされたのであり、祭ることによって噴火させまいとしたのかも知れない。
文明は東西に広がり易い。それは農業がそのまま通用するからだ。経度が変われば時差は生じるが日照時間は変わらない。しかし緯度が変われば日照時間も気温も変わるからそれまでの農業を改める必要に迫られる。だから文明は東西に広がり易く南北には広がりにくい。ユーラシア大陸が文明の中心になったのは東西に広いことが最大の原因だろう。
文化交流のための最適地の九州には火山と地震が多い。もしかしたらポンペイのように噴火で滅んだ集落もあったかも知れない。人は誰でも少しでも安全な場所に住みたがる。噴火と地震が少なく、台風の直撃を受けることも殆んど無い近畿が日本の中心になったのは地勢的理由が小さくなかろう。今でこそ東京を中心とした関東が日本の中心になっているが、富士山の噴火を想定すれば東日本は決して安全な土地ではない。火山は突然牙を剥く。将来、富士山を起点とする大災害が起こることはほぼ確実だろう。