俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

難民

2015-09-02 10:23:08 | Weblog
 人口は減るべきだと私は考えている。世界人口も日本の人口も多過ぎる。もう少し減ったほうが、食料を含めた資源問題は軽減する。しかしなぜか政府も国民も人口減少を問題視している。私は自分の意見に拘泥したくない。様々な意見があるべきだと思っている。だから人口増加策を提案しよう。
 難民を受け入れれば良い。これによって世界的な大問題に貢献しつつ国内問題も解決できる。中東や北アフリカ、あるいは南アジアの難民は国際的な大問題になっている。日本人はこの問題に対して余りにも無関心だ。エンブレムで個人攻撃をしている暇があればこんな問題にこそ目を向けるべきだろう。
 労働人口を維持するために出生率を高めようとすることは余りにも速効性を欠いている。労働力として期待できない期間は2度ある。学童期と老齢期だ。特に幼少期は本人が働けないだけではなく親の労働機会まで奪ってしまう。成人の難民を受け入れれば幼少期が無い分、出産よりも効果的だ。言葉や文化の違いがあるから即戦力とは言えないが、子供を育てることと比べれば経済的にも人的にも負担は遥かに小さい。育児のための多額の補助金の一部を難民に対する教育費に充てるだけで充分だろう。
 難民の受け入れは移民の受け入れよりも圧倒的に有利だ。移民受け入れのためにはそれなりの条件を提示せねばならないが、難民であれば無条件どころか日本側から条件を付けて選別することさえ可能だろう。
 移民や出稼ぎ労働者の中には良からぬ目的を持った人が混入する。豊かでお人好しの日本人を相手にした犯罪を企む人だ。難民にそんな人はいない。宗教的あるいは政治的に排斥された人が多い。少なくとも悪事を働くために難民になる人はいない。
 最も厄介な難民はムスリム(イスラム教徒)だろう。彼らの生活習慣は余りにも日本文化と懸け離れている。日本社会に溶け込ませることは困難だ。だからムスリム村を作る必要がある。かつてブラジルなどに日本人入植者のための村があったように、彼らに自治を任せれば良かろう。ムスリムは価値観が異なるだけであって決して野蛮人ではない。
 難民受け入れによって国際社会に貢献しつつ国内問題を解決できる。この素晴らしい一石二鳥の政策に反対する人は2種類だろう。私のように人口減少を肯定する人か外国人嫌いの人だ。
 人口増加を必要と考える人は、出生率の向上や移民の受け入れよりも、難民の受け入れのほうがずっと優れた政策であることを認めるべきだ。ワーキングプアの問題よりも難民のほうがずっと深刻で早期解決を要する問題だろう。

知覚外

2015-09-02 09:42:54 | Weblog
 人々がレントゲン写真を平気で何枚も撮っていることを不思議と思わないだろうか。有害な放射線を自らの意思で浴びるようなことがなぜ起こるのだろうか。これは痛くも痒くもないからだろう。注射であれば痛みがあるから幾らか抵抗するがレントゲン写真は痛まないから怖くない。何本も注射を打てば多くの患者が文句を言うだろう。しかし多分、注射針の傷よりも放射線のほうがずっと有害だろう。好き嫌いの基準になるのは有害性ではなく痛みだ。感情は理性ではなく知覚によって決められる。
 人は知覚できないものを怖がらない。女性が紫外線を嫌うのは、見えない紫外線ではなく目に見える日焼けが怖いからだろう。脳が蝕まれて行く姿は見えない。だからくだらないテレビ番組ばかりを見て脳機能が低下しても平気でいられる。子供が勉強をするのは試験によって成績を知らされるからだ。試験に出ない内容には無関心だ。今も売れ続けている「試験に出る英単語」が出版されたのは私が高校生の時だった。
 身辺には病原体がウヨウヨいる。しかし知覚されないから怖くない。人が怖がるのは目に見える患者であり、患者からうつされることだけを怖がる。ゲロも便も体外に出るや否や汚物と評価される。
 PM2.5は光を遮るから怖がられるが排気ガスに含まれる窒素酸化物はPM2.5以上に有害でありながら余り騒がれない。これはテレビの責任も重大だ。霞んだ北京は「絵になる」が窒素酸化物による汚染は映像化できないから余り報じられない。テレビが「絵になる・ならない」を基準にして情報の価値を決めてしまうから本当に醜い現実は報じられない。世界各地で相次いでいる民族対立や宗教対立、あるいは飢饉でさえ碌に報じられず、国内での相対的貧困率のような見るに耐えるレベルの問題しか知らされない。
 見えなくても存在するものは幾らでもある。目を逸らしても醜悪な現実が存在しなくなる訳ではない。マスコミは見るに耐える現実だけを選別して報じているから、情報に対して受け身であれば世間知らずになる。ニュースに死体は現れず手錠でさえモザイクが掛けられる。
 韓国による従軍慰安婦像が少女であるのは完全に悪意に基づいている。日本軍は無辜の少女まで性奴隷にしたという虚構を使って、見るに耐えない歴史を直視せよと世界に訴えている。しかし見るに耐えない歴史など、それが事実であれ虚構であれ人は見たがらないものだ。こんな悪趣味は決して受け入れられず、増してや虚構であることが明らかになった今、韓国内に作られた従軍慰安婦像以外は、地元の人々の意向により撤去されることになるだろう。