俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

外国人

2015-09-22 10:14:34 | Weblog
 埼玉県熊谷市でペルー人による悲惨な連続殺人事件があった。安価な労働力として安易に輸入された外国人だが、とてつもなく高く付いた。外国人労働者の受け入れはこんな危険と隣り合わせになっている。
 私は決して外国人を排斥したい訳ではない。日本が世界一治安が良い国であることを強調したい。日本より治安の良い国はバチカンだけではないだろうか。その一方で移民や難民の母国は大半が治安の悪い国だ。その差は歴然としている。
 アメリカの共和党の大統領候補のトランプ氏が妙に人気を集めている。これは氏がアメリカ人の本音を語っているからだろう。アメリカでは決して言論が自由な訳ではない。差別に類する言論には厳しい弾圧がある。トランプ氏はメキシコからの移民をボロクソに言う。客観的に正しいとは思えないがアメリカの白人が感じている不満を代弁している。だから人気があるのだろう。
 日本では人口を維持するために移民を増やすべきだと主張する人がいる。しかし彼らが求める移民は安価で扱き使える単純労働者であって、カルロス・ゴーン氏のような経営者ではない。こんな輸入労働者は使い捨てにされるから、たとえ本人に優れた資質が備わっていても、犯罪者になる可能性は高い。
 私は人口維持のための移民奨励には大反対だ。低賃金労働者を輸入によって賄うなど奴隷貿易のようなものだ。こんな人種差別的な政策など認められない。
 逆に、日本政府が拒み続けている難民の受け入れは必要だと考える。難民問題は国際社会が協力しなければ解決できない。日本も然るべき負担をすべきだろう。難民対策として特定の居住区を作るべきだと考える。これは外国人を隔離するためではない。特にムスリム(イスラム教徒)を同化しようとすることは避けたい。彼らの文化を尊重すべきだ。かつて台湾や朝鮮で行われた同化政策に悪意は無かったと思うが、野蛮な民族を感化しようと考えたことは確実だ。難民の文化を尊重して日本のあちこちにシリア村やバングラデシュ村が生まれても良かろう。横浜や神戸の中華街のようなものだ。
 難民や移民は難しい問題を伴うが、短期間の移民であれば大歓迎だろう。最近では中国やタイなどからの旅行者による爆買いがGDPを押し上げる要因にまでなっているが、世界の富裕層を誘致したほうが低賃金労働者の輸入よりずっと良かろう。余り考慮されていないアラブ諸国の王族の誘致なども含めて、観光事業の活性化にもっと積極的に取り組むべきだろう。そのことが世界各国からの難民の雇用にも繋がる。

未来

2015-09-22 09:38:30 | Weblog
 「未来の人々を含めた多数決」という奇妙なルールを私が考えるのは「未来を犠牲にした現代人による多数決」が実際に行われているからだ。問題を先送りにすれば未来を犠牲にして現在の幸福を享受できる。
 国の借金は次世代への負の遺産だ。現在の有権者に大盤振る舞いをしてその支払は次世代に任せる。ポピュリズム政治はそんなことを繰り返す。日本でもタイでもギリシャでも全く同じ構造だ。
 シルバー民主主義は老人による現役世代に対する搾取だ。老人は年金を1円でも増やせと主張する。老人の特権を奪おうとする者は誰であろうとも容赦しない。あの橋下市長でさえ過剰優遇の「敬老パス」を見直したばかりに葬り去られた。
 ウナギやマグロを食べ尽くすことも将来の世代からの収奪だ。絶滅した生物が蘇ることは絶対に無い。
 中国共産党のやり口は未来を犠牲にした独裁政治だ。権力を維持するためなら何でもする。経済をバブル化させ株や為替にまで介入するのは国民のためではない。自らの権力を守るためだ。将来にツケを回す愚劣で恥知らずな政策だ。
 大気汚染もツケ回しだ。現在の繁栄のためなら、将来、中国に人間が住めなくなっても構わないという未来を犠牲にする刹那主義だ。
 会社にも未来を犠牲にする人がいる。収入の前倒しや支出の繰り下げなどを使って見せ掛けの収益性を改善する。彼が去った跡にはペンペン草しか残らない。
 もし返済期限が100年後という貸金制度があれば誰もが借金をして踏倒すように、借金の返済義務が他人に移るのであれば借り放題・使い放題だ。これが次世代へのツケ回しだ。
 政治家は有権者しか見ない。票にならないことなどやろうとしない。だから「パンとサーカス」によって有権者の歓心を買おうとする。ツケを払わされるのは今、有権者ではない世代、あるいは未だ生まれてさえいない人々だ。
 「最大多数の最大幸福」は現在の安逸を目論む。そうではなく将来生まれるであろう1億人の日本人の幸福まで考慮すべきだろう。しかし社会の常識はそうではない。未だ生まれていない人々の人権など全く考慮されない。
 未来の人々は今の有権者ではない。だから現代人は未来の人々から搾取しようとする。多数決という仕組みは参加者による独裁制だ。生まれていない人々に参政権は無い。これは著しく不合理な制度だ。投票権どころか未だ生まれてさえいない人々にツケ回しをする権利が我々にあるとは到底考えられない。