〔寓話〕厚生労働省が「早脈症」という新種の生活習慣病についての注意を促した。脈拍の早い人は糖尿病や高血圧症など他の生活習慣病を併発することが多く、薬を使って脈拍数を抑えることが推奨された。
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充分な運動をする人は心臓が強くなるから脈拍数が少なくなる。運動不足の人の心臓は力が弱く脈拍数を増やすことによって充分な血流を確保する。脈拍数が多いのは心臓の弱さの補完だ。この事実を無視して薬によって脈拍数を減らしても心臓が丈夫になる訳ではないのだから血流が減ることにしかならない。
「早脈症」の原因は肥満と運動不足だろう。そのために心機能が低下しているから脈拍数を増やさざるを得ない。結果である脈拍数を減らしても心臓が強くなることなどあり得ない。薬によって脈拍数を減らしても何のメリットも無く有害なだけだ。必要なことは心機能を強化することであり、そのために生活習慣を改めるべきだ。他の生活習慣を併発し易いのは生活習慣が原因であって脈拍の早さが原因ではない。
私が言いたいのは高血圧症の対症療法が根本的に誤っているということだ。日本人の高血圧症の大半が「本態性高血圧症」つまり「原因不明の高血圧症」だ。原因を放置したままで薬によって数値を下げることはこの寓話と同様に健康の悪化を招く。それどころか病気でない人を病人扱いして医原病患者にする最悪の偽医療だ。
血圧は年齢と共に上昇し勝ちだ。これは心臓が丈夫になるからではない。動脈が固くなることも一因だろう。心臓の鼓動には周期性があり、収縮する時に血液を送り出す。この時、血管に弾力性があれば圧力の増加がある程度緩和されるが、固い動脈であれば血流の増加がそのまま血圧の増加として計測される。これが原因の患者であれば筋肉を弛緩させる薬を使えば血管の弾力性を高めて血圧を下げることができる。しかしこんなことが健康のために有益とは思えない。ただ単に血圧を下げているだけであってそれ以外のメリットは何もない。
実態はもっと酷い。「本態性高血圧症」つまり「原因不明の高血圧症」と一括りにされているから治療薬もバラバラだ。筋肉を弛緩させる薬以外に、血流量を減らす薬や交感神経の働きを抑える薬など様々だ。これらを取り合えず使ってみて、血圧が下がった薬が継続して処方される。つまり病気の治療ではなく血圧を下げることが自己目的化している。多少の副作用があっても無視されて血圧を下げることが最高善とされている。これは最早医療ではない。血圧教の信者によるオカルトの世界だろう。
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充分な運動をする人は心臓が強くなるから脈拍数が少なくなる。運動不足の人の心臓は力が弱く脈拍数を増やすことによって充分な血流を確保する。脈拍数が多いのは心臓の弱さの補完だ。この事実を無視して薬によって脈拍数を減らしても心臓が丈夫になる訳ではないのだから血流が減ることにしかならない。
「早脈症」の原因は肥満と運動不足だろう。そのために心機能が低下しているから脈拍数を増やさざるを得ない。結果である脈拍数を減らしても心臓が強くなることなどあり得ない。薬によって脈拍数を減らしても何のメリットも無く有害なだけだ。必要なことは心機能を強化することであり、そのために生活習慣を改めるべきだ。他の生活習慣を併発し易いのは生活習慣が原因であって脈拍の早さが原因ではない。
私が言いたいのは高血圧症の対症療法が根本的に誤っているということだ。日本人の高血圧症の大半が「本態性高血圧症」つまり「原因不明の高血圧症」だ。原因を放置したままで薬によって数値を下げることはこの寓話と同様に健康の悪化を招く。それどころか病気でない人を病人扱いして医原病患者にする最悪の偽医療だ。
血圧は年齢と共に上昇し勝ちだ。これは心臓が丈夫になるからではない。動脈が固くなることも一因だろう。心臓の鼓動には周期性があり、収縮する時に血液を送り出す。この時、血管に弾力性があれば圧力の増加がある程度緩和されるが、固い動脈であれば血流の増加がそのまま血圧の増加として計測される。これが原因の患者であれば筋肉を弛緩させる薬を使えば血管の弾力性を高めて血圧を下げることができる。しかしこんなことが健康のために有益とは思えない。ただ単に血圧を下げているだけであってそれ以外のメリットは何もない。
実態はもっと酷い。「本態性高血圧症」つまり「原因不明の高血圧症」と一括りにされているから治療薬もバラバラだ。筋肉を弛緩させる薬以外に、血流量を減らす薬や交感神経の働きを抑える薬など様々だ。これらを取り合えず使ってみて、血圧が下がった薬が継続して処方される。つまり病気の治療ではなく血圧を下げることが自己目的化している。多少の副作用があっても無視されて血圧を下げることが最高善とされている。これは最早医療ではない。血圧教の信者によるオカルトの世界だろう。