10月28日の「肉」という記事でWHOによる「加工肉を1日に50g食べると癌に罹るリスクが18%高まる」という発表を与太話として否定した。5日付けの「一般論」でも書いたとおり、相関と因果とを混同する偽科学が余りにも多い。
「肉」で使った論理はこうだ。①癌は細胞のコピーミスによる老人病(修正:より正確にはDNAのコピーミスによる細胞の異常化)②長生きすればコピーミスが増えて癌に罹る可能性が高まる③癌と肉食を因果付けることは論理的に無理。
この記事で私は癌が老人病であることの根拠を提示しなかったので少し古いが「2005年国立がんセンター年齢別がん死亡リスク」より引用する。日本人男性が癌で死亡する確率は26%だ。これを年齢別で見れば、50歳までは0.6%、60歳までは2%、70歳までは7%、80歳までは16%、(100歳+αでようやく26%)となっている。このことから癌は加齢性変異と推定できる。
私が罹患率よりも死亡率に注目するのは理由があってのことだ。日本では癌の定義がかなり曖昧なために欧米であれば腫瘍と判定されるものまで癌と呼ばれている。だから早期発見・早期治療が成功したしたとされている事例の大半が「がんもどき」に対する空騒ぎだ。患者が本当に癌だったかどうかは分からないが、その一方で癌によって死んだ人は間違いなく癌だったと言える。だからこちらのデータのほうが信頼性が高い。
「肉」の記事に妙なコメントが付いている。論点は2つ。①肉食しない国が癌にならないのは事実②子供の癌があるから寿命とは無関係。
この人がなぜこんなに感情的になるのかよく分からないが、指摘されたことを無視すべきではなかろう。
①については私は全く疑いを挟んでいない。但し事実であるということだけで因果と決め付けることは余りにも軽率だ。第3の原因があり得るからだ。寿命以外に医療制度や環境や貧富などが真因ともなり得る。
②については、例外を過大評価する無理な論法だ。例えば「卵でアレルギーが起こるから毒物に指定しろ」などが類例だ。例外は常に存在し得るからこそ慎重に判断する必要がある。因果性を特定するためにはまず統計的データに基づいて傾向を正確に把握せねばならない。卵を例にするなら「卵は通常毒物ではないがアレルギー体質の人もいる」が正しい判断だろう。国立がんセンターののデータを見る限り、癌と年齢の相関性は肉食の比ではなかろう。
子供の癌はほとんどが先天性異常で稀に放射線被曝がある。これらは細胞のコピーミスではなくDNAそのものの異常だ。DNAが狂っていれば胎児の時点から癌細胞を持つこともあり得る。しかし子供の癌は稀なものであり、卵アレルギーと同様に例外扱いすべきだろう。癌は老人病と言い切って良かろう。
「肉」で使った論理はこうだ。①癌は細胞のコピーミスによる老人病(修正:より正確にはDNAのコピーミスによる細胞の異常化)②長生きすればコピーミスが増えて癌に罹る可能性が高まる③癌と肉食を因果付けることは論理的に無理。
この記事で私は癌が老人病であることの根拠を提示しなかったので少し古いが「2005年国立がんセンター年齢別がん死亡リスク」より引用する。日本人男性が癌で死亡する確率は26%だ。これを年齢別で見れば、50歳までは0.6%、60歳までは2%、70歳までは7%、80歳までは16%、(100歳+αでようやく26%)となっている。このことから癌は加齢性変異と推定できる。
私が罹患率よりも死亡率に注目するのは理由があってのことだ。日本では癌の定義がかなり曖昧なために欧米であれば腫瘍と判定されるものまで癌と呼ばれている。だから早期発見・早期治療が成功したしたとされている事例の大半が「がんもどき」に対する空騒ぎだ。患者が本当に癌だったかどうかは分からないが、その一方で癌によって死んだ人は間違いなく癌だったと言える。だからこちらのデータのほうが信頼性が高い。
「肉」の記事に妙なコメントが付いている。論点は2つ。①肉食しない国が癌にならないのは事実②子供の癌があるから寿命とは無関係。
この人がなぜこんなに感情的になるのかよく分からないが、指摘されたことを無視すべきではなかろう。
①については私は全く疑いを挟んでいない。但し事実であるということだけで因果と決め付けることは余りにも軽率だ。第3の原因があり得るからだ。寿命以外に医療制度や環境や貧富などが真因ともなり得る。
②については、例外を過大評価する無理な論法だ。例えば「卵でアレルギーが起こるから毒物に指定しろ」などが類例だ。例外は常に存在し得るからこそ慎重に判断する必要がある。因果性を特定するためにはまず統計的データに基づいて傾向を正確に把握せねばならない。卵を例にするなら「卵は通常毒物ではないがアレルギー体質の人もいる」が正しい判断だろう。国立がんセンターののデータを見る限り、癌と年齢の相関性は肉食の比ではなかろう。
子供の癌はほとんどが先天性異常で稀に放射線被曝がある。これらは細胞のコピーミスではなくDNAそのものの異常だ。DNAが狂っていれば胎児の時点から癌細胞を持つこともあり得る。しかし子供の癌は稀なものであり、卵アレルギーと同様に例外扱いすべきだろう。癌は老人病と言い切って良かろう。