俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

Windows10

2015-11-20 10:16:12 | Weblog
 不遜にも自力でWindows10にバージョンアップした。私は機械には弱いが科学に疎い訳ではない。時々訳の分からない単語があったが、機械の指示に素直に従っていれば1時間半ほどで完了した。
 まだ使い慣れていないので時々焦るが、最初に驚いたのは「ホーム」が無いことだ。急遽「お気に入り」に自分のホームを登録した。
 印刷については却って不便になったと思う。使い方を理解していないせいかも知れないが、以前であれば印刷できたページが印刷できなくなったし、倍率は125%が無くなって一挙に150%に飛んでしまう。空白設定も不便になった。現在のページを印刷しようとしても違うページが印刷されることが時々あり、極力ページ指定を使うようにしている。
 起動にも時間が掛かるし起動後しばらくは反応が鈍い。以前は割と頻繁に電源を切っていたがWindows10にしてからは点けっ放しにすることが多くなった。
 WindowsXPや8.1では困った時には右クリックに頼っていた。右クリックをすれば何かが表示されて大抵の場合それによって解決していたが、10ではそんな手が使えなくなった。私にとってはXPや8.1のほうが使い勝手が良かった。
 学校でパソコンの基礎を教わった世代とは違って職場で見様見真似で使い始めた私達の世代は応用力が無い。知っている機能に頼るばかりだ。私が大学生の頃、研究所にコンピュータがあった。ピアノほどの大きさだったが今の電卓程度の機能しか無かった。そんな古代人は皆、我流でパソコンの使い方を覚えた。学校でWindowsについて教わった世代とはレベルが違う。
 最悪は「Windowsの準備をしています コンピュータの電源を切らないでください」という表示だ。いつまで待っていても待たされ続けるからだ。こんなことはXPなどでもあったがせいぜい数分で終わった。10分以上待たされればうんざりして電源を切ってしまう。
 今のところWindows10にバージョンアップしたメリットは何一つ無い。セキュリティ機能が向上したとでも思わなければ全く無意味と思えるバージョンアップだった。

次善

2015-11-20 09:42:28 | Weblog
 私は資本主義を合理的な経済システムとは思わないが共産主義よりはマシだと考える。私は多数決が大嫌いだがそれに代わる仕組みが見つからないから大人しく従っている。このようにベストとは思えない制度を支持せざるを得ないことは少なくない。だから安易に賛否を問うべきではないと考える。
 ツタヤ図書館であれ公営図書館であれ、それぞれの賛否を問えばどちらも否決されるだろう。図書館不要論があり彼らがどちらにも反対するからだ。私は図書館を不要とは考えないが、図書館の利用者は一部の市民に限られており、利用しない人には税金の無駄遣いと思えるだろう。
 山口県周南市でツタヤ図書館の賛否を問う住民投票が準備されている。もし愛知県小牧市と同じように単純に賛否を問えばきっと失敗する。反対票が56%を占めて否決になった小牧市の市長は「反対理由が金額か民間との連携かデザインか判断できない」と次の一手を打つことができずに困り果てている。賛否ではなく「ツタヤか公営か」という選択肢にするなどの工夫をしなければ同じ失敗をすることになるだろう。
 辺野古への米軍基地の移設に反対する人は少なくない。しかし普天間基地の恒久化の賛否を問えば更に多くの人が反対する。代替案が無いまま反対論だけが独り歩きをしている。具体策を持たないまま「最低でも県外」と主張した自称「愚かな総理」が招いた惨状だ。
 私は旧社会党が大嫌いだった。代替案を持たずに反対をしていたからだ。ところが自・社・さきがけ連立政権になると手の平を返して安保維持・自衛隊合憲と言い出した。それまでの主張が所詮、反対のための反対に過ぎなかったことが白日の元に晒された。この時点で社会党は滅んだ。
 私が自ら俗物と名乗るのは、理想は現実的でなければならないと考えるからだ。しかし殆んどの人は理想は非現実的でも構わないと考える。彼らの理想は対立を生む。キリスト教の理想とイスラム教の理想は合致しないし、ウイグル族と中国共産党の主張は食い違う。現実的な落としどころが必要だ。
 貧困の無い社会が理想であっても一足跳びでそれを実現しようとすれば単に相対的貧困の無い平等社会、つまり皆が等しく貧しい社会になってしまう。理想は理想として残してそれを目標としての改善が図られるべきだろう。
 次善策は中途半端として両極から攻撃され易い。しかし理屈として両極のほうが正しくてもどちらかの極が選ばれれば社会が二分されて対立を招く。様々な価値観の存在を許容できる次善策が私にとっての理想だ。