俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

金券ショップ

2015-11-22 10:33:08 | Weblog
 昨年の野々村元県会議員による号泣記者会見で注目された金券ショップを使えば簡単かつ合理的な節約生活が可能だ。生活の質や量を下げる節約では結局「安かろう悪かろう」にしかならない。どうせ使ってしまう金券類による節約が合理的だ。但しこの方法には2つの欠点がある。家計簿が付けにくくなることと、人によっては金使いが荒くなることだ。
 なお、金券ショップの商品は総て「時価」で販売される。回数券のバラ売りである近距離切符以外は店ごと時期ごとに激しく変動する。この記事で例示した価格は梅田地区における安値であり他の地域ではもう少し高いことが多い。
 私が最もよく購入するのは百貨店の共通商品券だ。千円券を985円近辺で買う。たった1.5%と笑う勿れ。商品券の長所はお釣りが出ることだ。もし15円の商品を買えば985円のお釣りが貰えるからその釣り銭で再び千円券が買える。これを繰り返せば15円の商品が幾らでもタダで手に入ることになる。聞くところによると手芸用品の売り場には10円の商品があるらしい。これを千円券で買えばお釣りは何と990円!買う度に5円ずつ儲かる。流石にここまではできず専ら143円の第3のビールを買って立ち飲みをする。実質128円の負担だから1割引き以上になる。定価販売の煙草や書籍も実質的に15円引きで買える。
 梅田に生活圏がある人には阪急友の会の5千円券をお勧めする。4,800円で買えば4%引きだ。阪急と阪神でしか使えないがこれで100円の商品を買えば千円券4枚と現金900円を入手できる。この千円券で再び100円の商品を買えば900円のお釣りが貰える。この手順を繰り返せば商品500円分と現金4,500円が手元に残る。つまり300円の負担で500円分の買い物ができることになる。
 電車の切符もよく買う。市内の移動であれば10円か20円程度浮くだけだが遠距離だと馬鹿にできない。近鉄の株主優待券は1,400円程度で入手できるが、大阪から伊勢までの1,800円区間や名古屋までの2,360円区間でも使える。
 葉書や切手も安く買えるが見逃せないのは印刷済みの年賀葉書だ。郵便局で買えば1枚当り92円だが、デザインは異なるとは言え60円ほどで買える。
 各種飲食券も安く、大阪に住んでいた頃は様々な飲食券を買っていたが、最近は餃子の王将で使える「ぐるなびギフトカード」ばかり買っている。お釣りが出ないのが難点だが500円券を470円、千円券なら940円以下で買う。図書カードは96%以下で買えるし信販会社のギフトカードなど探せば様々な掘り出し物が見つかる。かつては最も換金性の高い金券だったテレホンカードが今では50度数券が200円以下だ。これを使えば公衆電話のほうが固定電話よりも安くなる。
 かつての金券ショップは希少価値のある貨幣や紙幣や切手を扱っていたものだが今では殆んどが格安チケットだ。最近は外貨を扱う店が増え、銀行よりもレートが良いらしく両替をする外国人の姿も見受けられる。

食文化

2015-11-22 09:45:24 | Weblog
 人類はこれまで何を食べていただろうか。3期に分けて考える必要がある。①火を知らない時代②火を使いこなす時代③農耕時代。
 ①火を知らない時代・・・現代人な何を生のままで食べているだろうか。果実、魚、生野菜、母乳、これぐらいしか思い当たらない。これでは不充分だ。原始人類は現代人が生では食べない物も食べていただろう。イヌイット(エスキモー)のように生肉も食べていただろうし、多分昆虫も食べていただろう。イヌイットは内臓も生で食べるが、これは極北の寒冷地だから可能な食事であり、温暖な土地で生の内臓を食べれば細菌に感染する可能性が高い。肉食動物とは違って人類は細菌に弱いから生の内臓は食べられなかっただろう。人類にほぼ共通する内臓に対する嫌悪感はこの時代に培われたのではないだろうか。つまり内臓を食べたがった人は感染症に罹って淘汰されたと考えられる。
 ②火を使いこなす時代・・・人類は加熱して食べる唯一の動物だ。加熱によって一部の栄養素が損なわれるがそれでも加熱を選ばざるを得ないほど細菌に弱いということだ。加熱によって細菌を殺せば食生活は豊かになる。感染症が減り栄養摂取量が増えれば脳の進化が可能になる。現代人の脳の重量は2%に過ぎないがエネルギーの20%を消費するとてつもなく高燃費な臓器だ。大きくなった脳を守る頭蓋骨も重くて負担になる。エネルギーの補給が不充分であればこれらはお荷物にしかならないところだ。脳を持て余さなくなった人類は更に高い文明のレベルに達する。
 ③農耕時代・・・農耕を始めることによって人類の栄養状態は更に改善された。しかし農耕の中心となった米や麦の栄養価は決して高くない。炭水化物に偏っているからだ。これらは栄養価が優れているからではなく再生産される量が多く保存性が高いから広く全世界に伝播したのだろう。
 人類はずっと雑食動物だ。雑食動物でありながら細菌に弱い。肉食動物のように生の内臓を食べれば細菌による感染症に罹る。人類は免疫力が弱いから加熱殺菌を始めその結果更に免疫力が弱くなったと考えられる。
 多分、人類は元々は多くの猿と同じように果実を主食とする動物だったのだろう。加熱せずに食べられる果実こそ人類のソウルフードだ。動物に付着する細菌に弱かった人類が加熱という安全策を選び、このことが淘汰圧を弱めて一層細菌に弱くなった。細菌に弱いということは動物としての大きな弱点だが今後人類が細菌に対して強くなるとは考えられない。抗生物質が効かない多剤耐性菌の増加は人類にとって最大の危機だろう。