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【今回は5作品をイッキ読み!】
今回は評論第十八弾として最近読んだ5作品を勝手に評価したい。
内容は中山七里作品1つ、似鳥鶏作品4つの合計5作品について読書感想文として紹介しよう。
「一〇一教室(2016年10月 河出書房新社 ) 似鳥鶏 90」
似鳥鶏氏の作品にしては、だいぶ社会派に偏った珍しいもの。
あまりに偏っているためなのか、だいぶ肝が冷えるような感情さえ生じた。
なお、この作品がなぜ単行化されなかった作品だったかを考えながら読んだこともあり、個人的には大変楽しめた。
ミステリー作品としても実話も交えた展開になっているので最後まで飽きずに読めるところも強く評価したい。
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「名探偵誕生(2021年12月 実業之日本社文庫) 似鳥鶏 79」
短編連作集で一冊完結モノ。
名探偵役のお姉ちゃんが謎を解いていく本線の物語がベースだ。
似鳥鶏氏が描く独特の男女の距離感をサブテーマに進むストーリーも面白い。
まあたしかにメインストーリーは面白かったが、この距離で本当の謎が解けていなかったのかがどうかモヤモヤ。
終盤は推測できる道筋ではないものを期待していたのだが・・・
全体的には楽しめたが、結末方面だけがちょっと・・・ね。
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「叙述トリック短編集(2021年4月 講談社タイガ ) 似鳥鶏 92」
挑戦的な書き出しから始まる”予告付き”の叙述トリック短編連作集。
そうは言ってもただの連作モノでしょ?と思いきや、まさかの多重トリックでラストが大円団になることにビックリ。
まさに感服、お見事な展開なのだけど、探偵役のキャラがウザすぎて萎えるところ多数。
展開的にそれもわかるのだけど、そこだけはもう少しなにか工夫があってよかったかも(でもおススメ作品よ)。
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「そこにいるのに 13の恐怖の物語(2021年6月 河出文庫) 似鳥鶏 60」
同テーマがモチーフの短編集。
似鳥氏のショートショート作品で連作となっていないものは極めて珍しい。
一番最初の物語以外はちょっとどうかというところで、最終話はまさかの○○で驚いた。
まあある意味それもミステリーではあるのだけどね。
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【今回のMVPは?】
「もういちどベートーヴェン(2020年4月 宝島社文庫) 中山七里 98」
「岬洋介シリーズ」の5巻目。
結末は数ある推理小説のなかでないこともないようなものだったが、それまでのプロセスが中山七里ワールド全開。
でも、ストーリー全体として「完全にやられてしまった!」という素直な感想になる。
演奏のシーンも少なく大変読みやすくて良かったけれど、終盤ちょっとだけゴチャついたところの分だけ微減点。
ゆえに、この作品はほぼ満点のストーリーだったのではなかろうか?
これは、過去の岬シリーズでも最優秀だし、中山七里作品としても最高傑作だったように思う。
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