<これまでの紹介作品はコチラ>
【今回は5作品をイッキ読み!】
今回は評論第二十四弾として最近読んだ5作品を勝手に評価したい。
内容は似鳥鶏作品2つ、中山七里作品2つ、柚月裕子作品1つについて読書感想文として紹介しよう。
「世界が終わる街 戦力外捜査官(2017年10月 河出文庫)似鳥鶏 77」
「戦力外捜査官シリーズ」の4作目。
これは、本シリーズの中で最もしっかり読めた作品。
3作目のような激しすぎるバイオレンスも少なく読みやすかった。
ただしミステリー要素は少なかったものの小説としてはテレビ化を意識したのかなぁというほど、読みごたえ感あるストーリーだったと思う。
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「破壊者の翼 戦力外捜査官(2017年11月 河出書房新社 似鳥鶏 55」
「戦力外捜査官シリーズ」の5作目。
本作品は、最もメインである主人公らがあまり登場せず、それでいてパニックストーリー仕立ての作品。
これでこのシリーズが完結するのかと思いきや、これまでの流れを汲まず、なおかつ2件ほど未決案件があることや登場人物があまりに多いことで、まだまだ続きそうな雰囲気が残っている作品。
しかし、かなりの煩雑作品となったのは事実でちょっと残念。
ただストーリーとしては読めるので完読したのだけど・・・。
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「ネメシスの使者(2020年2月 文春文庫)中山七里 73」
岬洋介の父が主たる存在でストーリーが回る”あるテーマ”がついて回る事件とその派生の事件が物語。
なお、犯人像や終盤の展開が、前半と中盤の前半で見えてしまう。
しかし、ここで単純な結末にはならない中山七里ワールドによって、それがぼんやりとさせてくれこちらの期待をいい意味で裏切ってくれた。
ちなみに、極めてかなりの人物が登場するものの、決して煩雑にならない取り回しも見事。
きちんと完読させてくれた作品となった。
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「ワルツを踊ろう(2019年10月 幻冬舎文庫)中山七里 72」
この作品、中終盤まで推理小説ぽくない布石が淡々と置かれていくのだけど、まずその段階までの展開に面食らう。
いい意味で裏切られるのかと思いきや、案外、その後の展開と真の犯人的な存在は早い段階でわかってしまう。
しかし、さすが中山七里作品、最後の最後のオチについては、あっと驚く伏線回収によって予測できないものになることになるのだ。
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【今回のMVP→該当なし。ただし、こちらの推理小説でない作品を今回のMVPとして紹介しておきたい。】
「ふたつの時間、ふたりの自分(2023年10月 文春文庫)柚月裕子(評価点なし)」
別ログへこの作品(エッセイ集)に係る詳細や関連コメントを綴らせていただいたので、こちらではその評価等について割愛させていただきます。
「柚月裕子ができるまで――。文庫オリジナル、エッセイ集。 2008年のデビューから2023年現在までの15年間の軌跡を辿る。」
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