なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

宇治川オギロードの今~2024/7 高水敷編

2024-07-16 05:41:22 | 植物

以前からこのブログを見てくださっている皆様はご記憶でしょうか、あの宇治川オギロードを。
2022年秋頃からほぼ毎週のように歩いた宇治川隠元橋下流右岸。
背丈より高いオギが両側から覆いかぶさり、かき分けるように歩いたものです。
オギだけではなく、カーペットのように広がったイシミカワやネナシカズラも見ものでした。
その場所で工事が始まったのが昨年の春。
約1年かけてとても歩きやすい場所に生まれ変わりました。
とはいえ、まるで宝探しのように色々な植物を見ながら歩いたあの道はもうありません。
しばらくご無沙汰していましたが、お散歩のついでにちょっと足を伸ばすことにしました。

ということで前置きが長くなりました。
隠元橋の下流から高水敷に入る場所の光景。ここは以前と変わりありません。
あれ、放流してる?
遠目には分かりにくいですが、水量がかなり多いです。


多分何もないやろうな~と思いながら歩き始めたのですが、いきなり見つけました!


背の高いシソ科のこの植物は、メハジキ(シソ科メハジキ属)。
隠元橋の上流に生えているのは見たことがありましたが、この場所では初見です。
これだけでテンションアップ~


メハジキは知る人ぞ知る有名な草。
というのも、開花期の全草はヤクモソウ(益母草)という女性の味方の生薬になるからです。
母の益になる草という名前通り、産後の体力低下や月経不順などの改善のための処方に配合されるとか。
結構な繁殖力で年々増えているのがちょっと嬉しいですね!
ところで、おはじきならぬメハジキと言う名前の由来はちょっとびっくりです。
茎を短く切って瞼の間に挟み、目をぱちぱちさせて弾き飛ばしたところから名付けられたとか。
そんな危なそうな遊びを昔の子供はしていたのですね。

近くに特徴的な葉を発見。それどころか、一輪だけ花が残っていました!


キカラスウリ(ウリ科カラスウリ属)です。
他にも結構な繁殖場所があるのですが、そこでは7時前でももう花は萎んでいます。
この花、どうしちゃったのかしら?
そうそう、キカラスウリも日本薬局方に載っている生薬、栝楼根(カロコン)なんだそうですよ。

その他は、いつものラインアップです。
先の方にちょこっとだけ咲いたアレチハナガサ(クマツヅラ科クマツヅラ属)。


こちらはもうちょっと花が沢山。
南米原産で、宇治川ではすごく沢山繁殖しています。


アカメガシワ(トウダイグサ科アカメガシワ属)、今年初見の雄花です。
丸くパチパチ爆ぜるような雄しべが可愛い。
アカメガシワも日本薬局方に載っている生薬で、樹皮や葉を胃薬にするそうです。
パイオニア植物なので、わが家の庭を始めどこにでも生えてきます。


支流から宇治川に流れ込むところ。
普段は、支流の方にはほとんど水がないのに、放流中はこんな風に。
本流の流れが強くて、合流できないのですね。


とそのとき、ラーメン発見!


違いました。アメリカネナシカズラです。


寄生植物で、完全に他の植物に栄養を依存しています。
花はそこそこ可愛いのですが、茎だけを見るとちょっとその繁殖力に引きます。
ネナシカズラは国産ですが、アメリカネナシカズラはその名の通り北米原産の外来種。
種々の植物に寄生して生育を阻害するので、要注意外来生物に指定されているそうです。
在来のネナシカズラの種は、菟糸子(トシシ)と呼ばれる生薬で、強精・強壮に利用するそう。
アメリカの方にも同様の薬効があるのでしょうか。

さらに下流方向に歩いていくと・・・おや?右手が道なのですが・・・


水たまり?


あちゃー、長靴を履いていても歩けそうもない水深。
左手前の方、川からどんどん水が流れ込んでいます。
ここで引き返すことにしました。


そうそう、今日も同じ道を歩きましたが、放流していないときはこんな感じです。


それにしても、今日ご紹介した花5種類のうち、4種類が生薬でした。
宇治川は薬草園だったとは!
やっぱり、何もないことはない川辺のお散歩でした~

【撮影:2024/7/6  宇治川】

コメント (8)
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