昨日は宇治川で見たナヨクサフジとアカツメクサの様子をご覧いただきました。
ナヨクサフジには他の草を寄せ付けないアレロパシー作用があるので、他の植物が心配・・・
なのですが。
おや、黄色い花が沢山咲いていますね。
こちら、セイヨウヒキヨモギ。
ハマウツボ科セイヨウヒキヨモギ属、半寄生植物で触るとべとべとします。
何にでも寄生するそうですが、特にマメ科やイネ科がお好きとか。
もしそうなら、ナヨクサフジ様~とばかりに、近くに生えているのかもです。
さらに進むと、右手に見える白い花。
近づくととてもいい香り。アロマみたいです。
それもそのはず、このノイバラはバラの原種。甘いローズの香りがします。
木本ではナヨクサフジほどではありませんが、かなりの規模で繁殖。
バラ科バラ属、れっきとした在来種です。
この間まで咲いていたセイヨウカラシナはもう実になりかけていました。
あ、こちらは・・・
シソ科ですね。
こちらはミゾコウジュ(シソ科アキギリ属)でしょうか。
なんと京都では準絶滅危惧種なんだそうですが、地元では結構あちこちで咲いています。
4月下旬に青い葉を少しずつ伸ばしていたオギ。
10日ほどでもうこんなに伸びていました。
オギとヨシ。
ヨシは新旧交代ですね。
アカツメクサに交じって咲いていたヘラオオバコ。
オオバコ科オオバコ属で、ヨーロッパ原産。
最近どこにでも生えていて、要注意外来生物にも指定されているそうです。
でも結構可愛いです。
上から見たところ。
下の方から花が咲き上り、放射状に蕊が伸びます。
この間は蕾だったノアザミ(キク科アザミ属)が綺麗に咲いていました。
前に群生していたカラスムギ(イネ科カラスムギ属)
小穂が開いて、中から黒い実が見えていました。
写真は撮れませんでしたが、スズメが捕まってせっせと食べていましたよ~
ということで、今回の宇治川散歩で見た植物ですが、
<外来種>
・ナヨクサフジ
・アカツメクサ
・セイヨウヒキヨモギ
・セイヨウカラシナ
・ヘラオオバコ
・カラスムギ
<在来種>
・ノイバラ
・ミゾコウジュ
・オギ
・ヨシ
・ノアザミ
でした。外来種に征服されてしまったかと思っていましたが、まだまだ在来種も頑張ってましたよ!
【撮影:2023/5/6 宇治川】
今年のGWは遠出せずに近場のお散歩をしていたのは既に書いた通りです。
GW最後の土曜日、雨予報でしたが意外にも朝から薄日のさすいいお天気。
早起きしたので、まずは宇治川畔へ。
そこで見たのは・・・
あら、綺麗。
前回もご紹介したナヨクサフジがますます沢山に。
いつもの散歩道、行けども行けどもナヨクサフジの群落ばかり・・・
もう何度もご紹介していますが、ナヨクサフジはマメ科ソラマメ属。
ヨーロッパ原産で飼料や緑肥として栽培されているそうです。
日本で初めて報告されたのは1943年。
80年も前に入ってきたナヨクサフジがなぜここ近年あちこちで猛威を振るっているのか・・・
漢字では弱草藤。
名は体を表していないですね。
むしろ在来のクサフジを駆逐し、今ではクサフジが見られる場所がほとんどなくなってしまいました。
いつもの高水敷の散歩道の両側にびっしりと咲いています。
去年はここまでではなかったと思います。
ナヨクサフジの蕾は小さくてくるっと曲がっています。
フジは垂れ下がるので上から下に咲いていきますが、こちらは下から上に咲き上ります。
(1) (2)
(3) (4)
あ~前に行った時も驚いた土手一面に咲くナヨクサフジ。
ますます増えているような・・・
ようやく堤防上に登る階段まで来ました。
この辺りまで来ると、少し様相が変わってきます。
それは何かというと・・・
あれ、アカツメクサが沢山!
ここではナヨクサフジより優勢のようです。
アカツメクサはマメ科シャクジソウ属。
ナヨクサフジと同じマメ科ですね。
アカツメクサは明治時代に牧草として移入されたそうで、ナヨクサフジより歴史は長いです。
マイアルバムで花期を調べてみました。
アカツメクサは4月~10月、年によっては1月くらいにも咲いていることがありました。
一方新興勢力のナヨクサフジは4、5月が主流ですが、2月や7月にも少数咲いていた記録が。
どちらもかなり生命力が強そうです。
アカツメクサに来るナナホシテントウと
ナヨクサフジに来るハチ
ハチはGLさんに聞くと「タイワンタケクマバチ」と。
そういえば、平等院の藤にも沢山来ていたのでフジが好きなのかもです。
アカツメクサには濃いピンクから白までいろんなグラデーションが・・・
ナヨクサフジも負けていません。
ピンクのナヨクサフジ!
仲良く共存していますね。
まるで花束みたい!
ということで、ナヨクサフジとアカツメクサ、勝負ではなくてお友達でした~
最後に、私の行動範囲には見られない、在来のクサフジをご参考まで~
こちらは2017年9月に伊吹山で見たクサフジ。
ナヨクサフジに比べてシックですね。
平地ではどこに行ったら見られるのでしょう・・・
【撮影:2023/5/6 宇治川】
タイトル、日本語か?(笑)
それはともかく、GWさなか、朝のお散歩に山科川まで足を延ばしました。
特に変わった花はなかったのですが、のんびりと川沿いの風景を一緒にお楽しみいただければと思います。
京阪六地蔵駅スタート。
向こうに見えるJRの鉄橋を白い電車が通過していきました。
・・電車を撮ろうと思ったのではなく、川にカモらしい姿が見えたのでたまたま撮っただけです。
断じて鉄子ではありません(笑)
で、そのカモですが・・・
遠すぎました。しかも3羽とも寝ています。マガモですね。
カモは諦め、先に進みます。
シャリンバイが満開になっていました。
咲きはじめは純白の花弁に黄色い蕊、咲き進むとどうも中央が赤くなってくるようです。
バラ科にありがちな変化?
工事でなくなったかと思っていましたが、逞しく伸びて咲いていました。
ナワシロイチゴです。これでももう咲いています。
セイヨウミヤコグサの黄色い花が咲きはじめていました。
お久しぶりのシロバナマンテマ、今年は見逃がしたかと思っていましたが、まだ結構咲いていました。
ピンク色のシロバナマンテマも・・・お気に入りです。
以前は色々なカモたちがたむろしていた中洲も今はひっそり・・・
と思ったら、カラスくん。おでこが出てるのでハシブトガラスです。
桜並木も今は青々。
あ、スズメ!
細い茎につかまって、ギシギシの実を食べています。
そんなに美味しい?
はい、ポーズ。
左手に見える大きな緑の木はご存じクスノキです。
ちょうど花の時期。
地味ですが、よく見ると六弁の花が沢山咲いています。
土手の下の方に見える紫色は・・・ここにもナヨクサフジ。
思ったよりお上品に咲いていました。
セイヨウミヤコグサとも仲良く共存しています。
水面が光る川を眺めながらのほんのちょっとしたお散歩でした~
ちなみに、川沿いに植えられているヒトツバタゴの花、一つたりとも咲いていませんでした。
カリンの木には緑の実が沢山。
季節は駆け足で移っていきますね~
とここで補足。
今日出てきた植物(草本)のうち、外来種は
・シロバナマンテマ
・セイヨウカラシナ
・セイヨウミヤコグサ
・ナヨクサフジ
の4種類で、在来種はギシギシのみ。
木本はどれも在来種ですが、ナワシロイチゴ以外は植栽されたもの。
実は「外来種天国」は山科川の枕詞なのです・・・というのは冗談ですが、
山科川が外来種にとって居心地がいい場所であるのは本当。
今日買い物ついでに見てみると、オオキンケイギクが咲き始めていました。
特定外来生物はちょっと困りますよね。
【撮影:2023/5/5 京都市伏見区】
大吉山から戻る人が多いのですが、朝日山まで足を延ばし、興聖寺に下りることにしました。
遠くから見たら金色のシイ林も、山道を歩いているとただ薄暗いだけです。
志津川方面と朝日山方面の分かれ道、まだヤブツバキの花が残っていました。
ちょっと渋い色合いになって・・・
この辺りもシイ樹林帯。下に落ちている花で、あ~咲いてるんやなって分かります。
(下から見ても見えません)
ほどなく朝日山に到着。
朝日山観音のお堂です。
観音様にお参りし、ひとつだけ残っていた10円のヒマワリの種を手にし、展望台へ。
この辺り、冬場は沢山のヤマガラがやってきて、われ先にとヒマワリやピーナツなど食べていました。
今の時期はどうでしょうか。
・・・誰もいませんでした。
仕方なく、展望台から景色を見ます。
手書きの「朝日山展望台」という看板がありますが、人ひとり立つ場所があるくらい。
でも先日訪れた平等院がばっちりと見えます。
前にヤマガラが沢山たむろしていた木々の方に目を向けると・・・
あの白い花はもしかして!
クロバイの花!?
間違いありません。
先日、宇治市植物公園で花の時期を見逃したあのクロバイです。
ハイノキ科ハイノキ属で、関東南部以西の温暖な山地に自生するそうです。
名前の由来は、木灰を媒染に用い葉の色が黒っぽいことから。
私が好きな蕊蕊しい花です。
葉が黒っぽいせいか、全体的に黒っぽく見えます。幹も黒っぽいです。
・・・逆光のせいもあるかも・・・
そろそろ16時になるので、このくらいで・・・
境内にバイバイして山を下りることにしました。
ここからは20分足らずで興聖寺まで下りることができます。
途中もこんな大きなシイが沢山。写真を撮ってたらキリがありません。
もう興聖寺、琴坂です。
両側のイロハモミジの新緑が綺麗。
途中で見つけたヒメコウゾの雌花。
興聖寺の山門です。
宇治川のほとりに出てきました。さわらびの道の分岐点からはまあまあ上流の方に下りてきています。
対岸の山もシイの花でもこもこ。
観流橋のイチョウです。この辺りまでくるとちょっとホッとします。
宇治ダム方向をみると、やっぱりもこもこ(←しつこい)
宇治川合流部の流れはいつ見ても迫力がありますね。奥の山ももこもこ。
このまままっすぐに宇治橋まで戻りました。
日暮れが18時過ぎなので、本当は天ケ瀬つり橋まで行くつもりだったのですが、
どうしても抹茶ソフトが食べたくなって戻ってきてしまいました。
(お店は全部17時に閉まってしまうのです。観光地時間ですね。)
で、抹茶ソフトを食べた通圓さんの看板には、やっぱりオオシマトビケラ(笑)
最後はオマケです。
京阪電車で帰ったのですが、知る人ぞ知る、京阪宇治駅はコシアカツバメの営巣地なのです。
去年、巣を全部撤去されてしまい、どうするのかと思っていたら・・・
ちゃんと新しい巣を作っていました。
他にも、沢山のコシアカツバメがぴゅんぴゅんと宇治川方向に出入りし、巣作りに励んでいます。
(それにしても、右の写真のツバメは、壁に止まっていてびっくりです。)
また沢山のツバメが巣立ったらいいな~
ということで、今回の大吉山から朝日山、ソフトクリームまで食べて1時間半のお散歩でした。
結構地元では有名で、走っている人がいるくらいの手ごろな山です。
また運動を兼ねて行ってみたいと思います。
【撮影:2023/5/4 宇治市】
2年前にも当ブログでご紹介した大吉山のシイの花。
遠目に山がぽこぽこと黄色く染まり、光を浴びると金色に見えます。
GW頃の宇治周辺の山、特に宇治中心部の山はどこもこんな感じで、まるで黄色いブロッコリーみたい。
今年もそんな山が一番手近に感じられる大吉山から朝日山に登ってみました。
宇治駅から宇治川右岸を北上、さわらびの道を少し行くと宇治上神社の鳥居が見えてきます。
なんだかんだと用事を済ませてから出かけたので時刻はもう15時を過ぎていました。
時間が遅いので今回は参拝はパス。
神社の上の方に、金色もこもこがちょうど見えていました。
目指す大吉山の登り口付近。
さすがはGWの観光地、この辺りを散策する人がまだ大勢いました。
上り始めてすぐに宇治名木百選のシイノキに出会います。
樹齢200年、樹高22m、幹周2.22m。
大きすぎて、樹幹まで写っていませんでした。
しばらく歩いても何も咲いていない・・と思ったら、何やら白い花を付けた低木。
(右の方にはモチツツジがありましたが、ほとんど花は終わり)
エゴノキでした!
もう咲いてるんですね。
ぶら下がり系の可愛い花。蕾も丸くて可愛いです。
こちらでもカナメモチは蕾。咲いたら白いもこもこになりそう。
そして今日の主役、ようやく見つけました。
遠くからみたらもこもこなのですが、結構樹高が高いので下からでは分かりにくいのです。
そう、こちらがシイの花!
沢山の雄蕊が付いているので、雄花です。
で先ほどから、シイとかシイノキと書いていますが、いったい何ジイなのでしょうか。
こちらについては2年前のブログでツブラジイではないかと一応考察していますが、確証はなし。
有名なスダジイ、ツブラジイともに照葉樹林の構成種で、混在することも多いようです。
日差しの当たっている花を見下ろすとこんな感じ。
なるほど、これでもこもこに見えるのですね~
新緑の道を進みます。
少し日が傾いているので、道が陰になって少し暗いです。
半分くらい上ると、モチツツジの花が沢山現れてきました。
ほんの少しだけですが標高が高いのでまだ花が残っていたようです。
あれ、誰かに見られてる??
目玉のような木の模様、背が高すぎて葉の写真すら撮れませんでした。
この木は何でしょうね~
で、正面にきらきら光る金色の木!
あまりに綺麗だったので撮ったのですが、写真では全然伝わりません。
こちらもシイです。
もっと伝わらないのがシイの花の匂いです。
前にも書きましたが、シイの花には、クリの花やタケノコの甘皮のような独特の青臭い匂いがあります。
なので、シイの花が咲いている季節に山に行くとまあ臭いのなんのって(笑)
展望台に向かう最後の坂の横には、そんなシイの樹林が広がっています。
超やる気のない写真で恐縮ですが、ご覧ください。
樹皮に裂け目があまりないので、ツブラジイではないかと思った次第。
ちなみに、京都府のレッドデータブックには、保護すべき地域生態系として「シイ群落」が指定されています。
そして、その中にはこの「興聖寺・宇治上神社のシイ群落」もちゃんと掲載されているのです。
西日本は照葉樹林帯であり、自然の状態ではシイが優占種のひとつとなるそうです。
林内の状態によって、シイだけになるか、他の樹種も入るか変わるそうで、この辺りではほかにも、
アラカシ、ヤブツバキ、カナメモチなどが入り込んで樹林を形成しているそうです。
まさに普段見かける木ばかり!
寺社が守っている山なので、このままの状態が保たれているのでしょう。
もう少しで山頂です。
おや、白い花が沢山地面に落ちています。
マメ科の花のようですね。
地面に花や実が落ちていたら、上を見上げる法則、で見上げてみると、あらら・・・
なんとこんなところにまでハリエンジュが侵入していました。
ちょっとびっくりです。
こちらが展望台。宇治市街が一望できます。
前にヤマガラやシジュウカラやクロジなどが出てきてくれた場所です。
今はエサが豊富な時期だからか、小鳥は誰もいません・・・
ここから朝日山の方に向かうことにしました。
ということで続きます。
【撮影:2023/5/4 宇治市】