Junky Monologue

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尾崎宗吉

2015年10月04日 16時34分11秒 | 音楽
つい最近までCDをネット購入することはほとんどなかったのだが、
よく通っていた新宿の某大手CDショップが2年ほど前に改装して輸入版の取り揃えが極端に減ってしまってからはネット購入の方が多くなってしまった。
そんなこんなで、先日なんとなく検索しながらいろいろ物色していたところ、たまたま引っかかったのがこのCD。



聞いた事のない作曲家の名前だったのでちょっと検索してみると・・・う~んこりゃまたどうも・・・つい勢いでポチッとしてしまった。

個人的には特にクラシック音楽の場合、単に時代背景や作曲者の境遇だけから作品の良し悪しを計るのはどうかと思うのだが、この人の場合はどうしてもそこから離れることが難し過ぎる・・・興味を持ってしまった人は「尾崎宗吉」で検索してみていただきたい。

で、肝心な聴いてみた印象は・・・単に私が無学なだけなのだろうが、1930年代の日本にグローバルな水準を凌駕した先鋭的な作曲家がいたことにまず驚いてしまった。
あの難しい時代の日本の音楽環境がどのようなものだったのかうまく想像できない分、こんな作曲家が存在したという事実そのものに衝撃を受けてしまう。

彼はバルトークやシェーベルク、ドビッシーやラベルなどの音楽に触れる機会はどの程度あったのだろう?
少なくとも楽譜からは学んでいたのだろうけど、肝心なのは普遍的な音楽表現の蓄積をきちんと内在させつつ自分自身のオリジナリティーを構築し切れているということだ。

あの時代を生き延びてさえいれば日本の音楽史を大きく書き換えていたに違いない。
忌まわしくも貧し過ぎる歴史展開の中ですり潰されてしまった類まれな才能・・・。
ご時勢的にいろいろ言いたいこともあるけど、今は残された数少ない彼の作品を享受できる幸運を感謝すべきなのだろう。

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