Junky Monologue

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音『楽』家チック・コリア

2018年01月07日 17時37分41秒 | 音楽
いつの間にかこんなに溜ってしまったチック・コリアのCD。


初めてチック・コリアを聞いたのは高校2年くらいの時か?
初体験にしては強烈過ぎる「サークル」でのチック・コリアであった。
今改めて聴いてみると徹頭徹尾フリー指向のアンソニー・ブラックストンと、
現代音楽(クラシカルな)的志向の強いチック・コリアとのパワーゲーム?が面白いのだが、
当時は訳が分からずただただショックだった。
あの当時はこんなある意味難解で先鋭的な音楽も割と普通にFMラジオで流れたりしていたのだが、
クラシック音楽ではない『JAZZ=大衆音楽?』の先端部分がこんな処にあるという事を知ったのがショックだったのだ。
クラシック音楽を聴き始めるきっかけになっていたような気もする。
それはさておき、それから間もなく出てきたのが、カモメのジャケットで有名な「リターン・トゥ・フォーエバー」。
それ以前のチック・コリアとは180°方向転換のようでもあるが、
後にクロスオーバーとかフュージョンとか言われるジャンルの原点でもあり、それはそれでまた衝撃的であったのだが・・・。
その後、個人的な興味がよりクラシックへとシフトして行った事もあり、チック・コリアはあまり聴かなくなってしまった。

それが3~4年くらい前、上原ひろみのピアノトリオを聴いてしまったのをきっかけに改めてチック・コリアを聴き始め、
徐々に彼の真髄をわかり始めたという次第である。

王道ピアノトリオのチックコリア、
現代音楽志向のチックコリア、
エレクトリックなジャズロックのチックコリア、
アコースティックなジャズロックのチックコリア、
その他数多くのセッションでのチック・コリア

その時々であまりに多彩なアプローチを見せるチック・コリアであるが、
いずれも中途半端感のない完成度の高さにあらためて驚いてしまう。
何をやっても彼自身の軸なり核をしっかり感じさせてくれるのが凄い。
音楽に対する姿勢がブレないという事なんでしょうかね。

だからなのかどうかは分からないけど、
彼といっしょにやっているミュージシャン達の演奏はみんなとても生き生きしている。
デイブ・ホランド、ミノスラフ・ヴィトゥース、ジョー・ファレル、スンタンリー・クラーク、
デイブ・ウェックル、ジョン・パティトゥチ、その他大勢老若男女のミュージシャン達、そうそう超ベテランのロイ・ヘインズさえも。
みなさん難しいことをいとも簡単にそれも楽し気にやってのけちゃう。
メンバーに恵まれていると言えばお終いだけど、それって簡単なことじゃないのよね、「楽しさ」があればこそなのだ。
ラテン系故の楽天性?、素直さ?、というより自己肯定性なんでしょうね。
どんなに難しいことをやっても鬱屈しない、屈託がないのだ。

でも、表現の世界で積極的に自己肯定性を主張するというのは簡単そうで難しい。
表現の世界での自己肯定は中途半端な人が主張すると単に「無知」をさらけ出すか、独り善がりでしかないからだ(こういうのが意外に多い)。
チックコリアの自己肯定にはほんとに嫌味がない。本質(音楽の)に触れたことのある人だけが出来ることだ。
恐るべしチック・コリア。
まだまだうんと長生きして欲しいミュージシャンである。


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