アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

藍の生葉染め~その3~塩もみ法

2021-08-25 22:33:03 | 草木染め

  きょうは、この夏三度目の藍の生葉染めを体験しました。

   場所は足助。昨年から藍の栽培をはじめた女性4人のグループの、初の生葉染めにお邪魔しました。

   よく肥えた土らしく、葉っぱは大きくて青々しています。

   前からやってみたかった塩もみ法を、こころみました。生葉120gくらいに、塩7gくらいをいれてもみもみ。

   10分ほどして漬物のように水が出てきたら、布を入れます。

   布も一緒に揉みます。袋が小さいので、布がなかなか広がりません。

   あまり強くもみすぎると、熱が出るので、適度に、しかもちゃんと力を入れてもまないと色は出ません。結構難しい。

   葉の付いたままの状態で空気に触れさせます。そして水洗い。

   出ました。美しい水色です。でも、案の定、むらになってしまった。濃く染まった部分は、とてもきれいな青です。

   こちらは手もみで汁を出しているところ。私はミキサーを使ってしか染めたことがないのですが、彼女たちはごしごしともみつづけました。

   ぬめっとしたモロヘイヤスープのような汁ができました。

    漉して浸ける。

    緑色になります。15分ほど液につけておきます。

   ちょっと空気に触れさせたらすぐに水洗い。

   できました。きれいな水色です。

   ミキサーの場合も手もみの場合も、塩もみも、手順は一緒ですが、生葉染めはとにかく鮮度が命だそう。刈り取った直後、水の入ったバケツに入れ、そこから取り出しては葉をちぎりました。そのあとも手早さが大事だとか。そうしないと、酸化の力が失せてしまう。

   この夏2回行った生葉染めでわたしが染めた布よりも、今日の生葉染めのほうが俄然色がいい。水色が冴えています。わたしのは、もう少しグレーが入っている感じがします。ミキサーで高速の撹拌をすると熱が出るので、そこでダメージが出たのかもしれません。ほかにも何かどこかで酸化のプロセスがうまくいかなかったのか、それとも染めた絹の質が違っていたのか、わかりません。

   彼女たちは、生葉を水につけて消石灰を入れて毎日撹拌し、三日目くらいにブドウ糖を加えて発酵させるという生葉建てにも着手。生葉染めでは絹しか濃く染まらないのですが、この生葉建てだと、木綿や麻が染めるのだとか。興味津々。

   今年は私も、わずかながら藍を育てました。無肥料無農薬の草のなかでの栽培ですが、意外に元気に育ちました。そろそろ花が咲き始めたので、刈り取って、沈殿藍を試してみたいと思っていましたが、今日初めて知った生葉建てのほうが薬剤を使わなくてすむので、こちらにしようかしら。でも、生葉建ては、数日間暑い陽気が続かないとうまく行かないのだそう。来週のお天気、どうなるのだろう。

 

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タデアイの生葉で藍染めをしました。~その2~

2021-08-07 11:02:31 | 草木染め
  
  考えられる原因はふたつ。
  ① 生葉を絞った液の量に比して、布を入れすぎたこと。
  ② ちゃんと空気に触れさせて酸化させる前に、水洗いしてしまったこと。
 
  ②に関して言えば、インド藍や本藍の染めだと液から出してすぐに見る見るうちに青く変色するのですが、今回の生葉染めは、色の変化が遅くて、ついつい気がはやり、水場が近くにあったこともあって、変色を待たずに水に浸けてじゃぶじゃぶ洗ってしまいました。それがいけなかった。
    生葉をくださったのは、稲武から車で30分ほどのところに住む方。近隣の人たちと昨年から藍を育て始め、刈り入れては葉をむしって乾燥させています。いずれ、藍甕を置き、昔ながらの本格的に藍を建てるご予定です。その畑の一角から、段ボール一杯の藍を刈り取りさせてもらいました。
   タデアイは薬にもなるそうで、食用にもできるとか。畑で、柔らかそうな葉を一枚むしって食べてみました。若干の苦みはありますが、食べられないこともない程度の味。でも、薬だといわれたら、食べます。そういう味でした。
 
   生葉はすぐに黄色くなります。この日も、朝刈って午後から作業に入ったのですが、数枚、早くも枯れ始めていました。
   前回は、すべての葉をミキサーにかけて(生葉50gに対して水500ml)漉してから、染めたい布を投入。そのおりの生葉の量も布の量も、かなりいい加減でした。
 
   今回は、生葉200gに対して布をだいたい、50~100g程度入れてしっかり浸水。10分経ってからぎゅっと絞り、日に干しました。
    緑色だった布がしっかり青に変わりました。
   青に変色したのを確認してから水洗い。濡れた状態では、この色です。
 
   前回、薄い水色にしか染まらなかった布のほか、同じ絹素材の白地の布も、比較のため入れてみました。生葉染めでは、重ねても濃くはならないかもしれない、という話を聞きましたが、さらの布より、少しは濃く染まったように思えます。
   一晩干したあとの、布。手前の二枚は、同じスカーフ。左側のほうは一回目で最も濃く染まったもの。右は薄い水色しかでなかったもの。濃淡がきちんと出ました。よかった!! 
    残ったすべての染液をバケツにまとめて、1回目に染めた布や白布をたくさん入れて一晩放置してみました。
  
    翌朝、よく絞って空気にさらしているところ。
 
    時間がたつにつれ、緑色が少しだけ青っぽく変わりはしましたが、前日の染めのようにはいきません。数時間干したのち、水洗いして陰干ししました。
 
    これらの布は、少し緑がかった水色の布になりそう。藍染めとはわかりにくいけれど、布を鼻に近づけると、独特の草の匂いがします。体にはいいかもしれません。
 
    二人の知人からいただいた生葉で、この夏は、思わぬ贅沢な実験をさせてもらうことができました。おもしろかった!
 
 

 

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タデアイの生葉で藍染めをしました。~その1~

2021-08-01 22:35:56 | 草木染め

  一度だけ染め講習にお越しくださった方から、「藍がたくさん収穫できたのでよかったら送ります」という、うれしい連絡をいただきました。もちろん、「ぜひともください!」とお願いしたら、一昨日、段ボール一杯のタデアイが届きました。

   生葉の藍染めは、久しぶり。以前は、どんぐり工房で育てたり、講習会の常連さんが育てたのを持ってきてくださったりして、毎夏一度は生葉染めの体験会をひらいていました。でもこのところ、ずっとご無沙汰。せっかくなので、乾燥葉にはせず、全部生のうちに使うことにしました。

   生葉染めは、まず茎からきれいな緑の葉だけを取ります。

   そして、ミキサーに葉と水を入れて回します。葉っぱ50gに対して10倍の水を入れてミキシング。

   それを濾します。

    抹茶そっくり。

    たくさんの葉を頂いたので、結構の量の液ができました。さらに水を少し加えてできあがり。

    生葉染めは、絹とウールしか染まりません。薬剤を使えば木綿や麻など植物素材も染まるのですが、今日はすべて絹を染めることにしました。

    普通の藍染め同様、最初に入れたものが最も濃い。でも、あとから入れた薄い水色もいい。白っぽくしか染まらなかった布は、多分絹とポリエステルの混紡なのだと思います。

    それぞれの青。緑が少し入ったような青もありますが、どれもとても美しい。絹のつやがさらに青を引き立てている気がします。

    採取して三日目の藍。黄色く枯れかかった葉が日ごとに増えたのですが、よく見ると、枯れた葉のすぐ上の部分に新しい小さな葉がついています。そしてそれぞれの葉柄の下には小さな根が出始めています。タデアイは、見た目はイヌタデそっくりです。違うのは大きさ。雑草に近いのか、生命力の強さに驚きました。

    インド藍の青とはまた違う、青。見飽きません。

             今回タデアイをおくってくださったのは、岡山で草木染めそのほか自然体験のワークショップを始めた女性。彼女のブログ「つぎいろ」には、いろいろの染めや自然体験が丁寧な解説付きで紹介されています。https://tsugiiro.com/

    ・・・と、先週ここまで書いてブログをアップしたのですが、翌日乾いた布を取り入れに行ったら、なんとすべてがすっかり色あせていました。

    がっかりです。フェイスブックにこう書きました。

   「きのう染めた布が、一日干したらこんなに薄い色になってしまいました。ほんとは布の重さを計って、葉の重量との比を勘案しながら染めるのがいいのですが、結構濃く染まったので欲張ってたくさんの布を液に入れてしまいました。そのせいかどうか、その場で染まった濃い色はきょうは消えて、ほとんどが水色に。こんな経験初めてです。水色もいい色ではあるのですが、昨日とは大違いです。皆さん、がっかりさせてごめんなさい。またいつか、藍の生葉が手に入ったら、今度はちゃんと計算して、欲張らずに少しずつ染め重ねることにします。求む、藍の葉!」

   すると、知人から「藍の葉がちょうど刈り入れ時です。どうぞ」とのコメントが! こののちの顛末は、追って報告します。

 

 

 

 

 

 

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どんぐり工房7月の定例染め講習会はインド藍染めでした。

2021-07-30 14:01:53 | 草木染め

    毎年、夏の染め講習会は、インド藍染めを行っています。今年は、7月と8月の二回にわたり、インド藍の染めを行うこととしました。

    1回目の7月末の講習会は、久しぶりに定員一杯の方にお集まりいただきました。

   ソーダ灰を溶かした水にインド藍の粉を溶かしいれ、そこに少しずつ還元剤のハイドロサルフェイトを投入。マメ科の植物から取った粉を使いますが、青を引き出すためには、化学的な方法を使います。

    思い思いの模様を施した布。他の草木染めに比べると、もっとも模様の作り甲斐のあるのが藍染めです。

    こちらは、どんぐり工房でもらった使用済みの五平もちの串で、さらし布に板締めしたもの。さらしの幅と五平餅の串の長さがぴったり合い、素敵な柄になりました。

    これは綿ローンのバンダナ。三角に折ってから、割りばしにくるくる巻き付けて、両端からギャザーを寄せて最後はひもで括ったもの。わたしも試してみましたが、ギャザーの寄せ方が雑だったため、このような鱗雲のような模様にはなりませんでした。

   上記バンダナの模様を作った方のエプロン。手製です。糸で絞りをしてお持ちになりました。

   こちらは古い正絹の着物の生地。藍液にさっと浸けただけで、きれいな水色になりました。

   やはり、夏は青色がいい。どれもきれいに染まりました。

   インド藍染めの講習会は、来月、8月28日も開きます。お申し込み、お問い合わせはどんぐり工房(0565-83-3838)までお願いいたします。

 

 

 

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どんぐり工房6月の草木染め講習会おわりました。

2021-06-27 17:26:11 | 草木染め

  昨日は、どんぐり工房定例の草木染め講習会でした。

  今年は、3月に開きはしたものの、その後緊急事態宣言発令に伴って開講を控えたため、3か月ぶり。

   早春の染めから一気に初夏の染めに。使った素材のうちひとつは、朝敷地内で採取した桑の葉です。まだやわらかい桑の葉は、今のうちなら緑葉染めもできるのですが、今回は普通に煮だしてみました。

   すると、これまで桑の葉染めではお目にかからなかった美しい黄色が出現。いままでは、時期がもう少し後だったせいで、黄色に渋みが加わっていたのかもしれません。鉄媒染すると、これまたきれいな草色になりました。

    もうひとつは、昨年採取した枇杷の葉で。こちらはアルカリ水で煮だして赤を引き出しました。写真は少しピンクが強すぎますが、実際は小豆色にちかい。

    上の写真のうち、左から4枚めまでのTシャツは、この日参加した男の子兄弟4人の作品。左の2枚は枇杷の葉、3枚目と4枚目は桑の葉染めです。

    全く同じ形の色褪せたパンツ2枚が、黄色→レンガ色?、グレー→カーキ色に生まれ変わりました。右端から3番目と4番目の黄色が鮮やかです。どちらも桑の葉のアルミ媒染。まるで化学染料で染めたみたいです。

    同じ綿100%のTシャツでも染まった色は微妙に違います。大勢で染めると、いろいろの素材が一堂に会するので、染まり方がそれぞれ。興味深いことです。

    久々の染め、やっぱりたのしい。

    来月と再来月は、インド藍染め講習を行います。くわしくはどんぐり工房のHpをごらんください。

    

 

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ニホンアカネを見つけました!

2021-04-30 19:47:01 | 草木染め

  一昨年まで、毎年春と秋の二回、雑草料理研究家の前田純さんにお越しいただいて、わたし宅の野原で草を採取し、どんぐり工房で調理して彼のお話を聞く会を催していました。

  でも昨年は、パンデミックのために中止。今年はどうしようか迷いましたが、調理を屋外のハウスポニーで行うこととして人数を限定し、開催することにしました。

  来月の開催を前に、きょうは、前田さんにきていただいて、下見をしてもらいました。その下見の最中、彼が見つけたのがこの草。茜です。

  写真中央のとがった葉っぱ。葉の付き方が特徴的で、輪生というのだそう。この根から赤い染料がとれるのです。これまで、一、二度、地元の人から苗を頂いて植えたことはありますが、みなすぐに草に負けて絶えてしまいました。

  前田さんには、4年ほど前からこの場所には来ていただいていて、どこにどんな植物があるか、ほぼご存じ。でも、この茜は、初見。ということは、一昨年秋からこの春までの1年半の間に、どこかからやってきたらしい。

  あたりを見回すと、この日本茜はあちこちに生えていて、いくつかの群落をなしています。茎に鉤づめみたいなものがあって、その爪で、周辺の雑草を抑えて生長するのだそうです。だから、周りの草はある程度必要みたい。すっかりは刈らずに、適度に残して日が当たるようにしておきました。シカが食べるそうなので、群落の周りに竹の先っぽの枝を置いておきました。こうすれば、シカは危険を察知して近寄らないでいてくれるかも。

   ずっと以前のことですが、京都で、茜ばかりを染めている染色家にお会いしたことがあります。彼女の話では、日本茜の根っこは、西洋茜やインド茜は、およそ10分の1の太さだそう。だから、染めるときの量は10倍必要ということになる、とか。そういうこともあってなのか、いま染料店で売っている茜は西洋茜かインド茜がほとんどのはず。日本茜で染めている染色家はかなり少ないだろうと思います。

   これが日本茜の根。ほんのり茜色です。

   こちらに来た頃、地元の方に教えてもらって、家からほど近い城ケ山のふもとまで採取に行ったことがあります。掘った根を洗い、数日乾かしてから煮だしたように記憶しています。取れた染料はわずかでしたが、ちゃんと赤い色が出ました。

   いまある群落を大事にしてそだててやれば、いつか自宅で採取した茜の染めができるかもしれません。そうおもうと、わくわくします。一見、ただの草地に過ぎない場所ですが、消えた植物もあれば生まれた植物もあり、いろいろ起きているのだなということを改めて感じました。こういうの、しみじみたのしい。

   

 

 

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暮らしの学校で染め講座を開きました。

2021-04-08 21:22:31 | 草木染め

   しばらくぶりの、暮らしの学校での染め講座。

   染め材料は、先月末どんぐり工房で使ったのと同じ、ビワの乾燥葉を選びました。

    カリカリに乾いた葉っぱを煮だします。鍋には、ソーダ灰も投入。アルカリ水にして煮だすと、赤い色が簡単に引き出されるのです。

    煮だして漉した後は空気に触れさせて酸化。高いところからひしゃくで液を落としてやると、次第に泡がピンクに変化します。「桜の花のソフトクリーム」とでも名付けたくなるおいしそうなやわらかい色。

   模様付けをして水に泳がせた後、この液に一斉に入れます。

   媒染はアルミ溶液で。元の色が一番美しく保たれる媒染液です。

    できあがりました。今回は木綿と麻など植物素材ばかり染めました。それでも、織り方や布の厚さによって、みんな色が違います。

    きょうも美しい色が生まれて、満足。

    暮らしの学校の次回の染め講座は、7月19日。インド藍で夏らしい青を染めます。

    なお、暮らしの学校の不定期の染め講座では、これまで下処理を済ませた布しか染められませんでしたが、今後は、下処理もこの講座で行えるよう、調整することにしました。お手持ちの気に入りのシャツやスカーフなどをお持ちいただいて染めることが可能になるので、楽しみにお待ちください。

 

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3月のどんぐり工房定例草木染め講習会、終わりました。

2021-03-28 11:30:54 | 草木染め

  きのうは、4か月ぶりの、どんぐり工房での草木染め講座でした。朝は少し冷えていましたが、日中はほど良い陽気となり、春の日差しを浴びながらの久々の染めを満喫しました。

   さて、昨日使った染め材料は、まず、枇杷の葉。昨年末かもしかしたらその前の年の暮れに友人からもらった枇杷の葉です。もらった袋のまま納屋にしまっておいたので、茶色に枯れることもほぼなく、カリカリに乾いています。

   もうひとつは、ゴバイシ。せんだって小屋の片づけをしたら出てきたもの。何年も前に敷地内のヌルデの木に生息していた虫こぶを蒸して、干しました。もうすっかりなくなったと思っていたら、まだだいぶ残っていました。いいグレーの出る貴重な染め材です。

   枇杷の葉は、ちょっと前まで生葉でしか染められないと思い込んでいました。でも、ある時試しに乾燥葉を煮だしたら、生葉とはまたちがういい色が出て驚きました。以来、いつでも使える材料として重宝しています。

   ただし、煮るときは、ソーダ灰を入れてアルカリ水にしてから。そして漉した後は、何度もひしゃくで液をすくいあげてはまたバケツの中に落とし、空気に触れさせます。そうすると次第にきれいな赤みを帯びた液に変身。1番液と2番液を一緒にして布を入れます。

   ゴバイシのほうは、昔から濃染処理にも使う素材です。材料たっぷりだったせいか、かなり濃いめの色になりました。1時間ほど染め液につけてから、鉄媒染液に。

   しだいにグレーになります。素材によっては黒に近い色にも。

   まだらの模様のシャツ。簡単そうでむずかしいまだら模様、うまく入ってほっとしました。

   真ん中の絹の靴下の白とグレーの間の部分の色に注目。ぼんやりですが、紫色になっています。ゴバイシは、うまくいくと、紫がかったグレーになる素材なのです。きょうは、ほんのわずか紫色っぽく見える程度のグレーにしかなりませんでしたが、参加者の皆さんには満足いただけました。

   自作のスカートに模様をつけてご持参なさった常連さん。いつも手の込んだ模様付けをしてこられるので、洗った後が楽しみです。

   冬は、比較的時間があるので、家でも染めに専心しようと思うのですが、作業場が半屋外にあるため、なかなかその気になれません。だから私にとっても久しぶりの染めでした。やっぱり楽しい。

   私が染めた、マスク。作ったのは、料理家の種の実caieさん。暮らしの学校のショップで見つけた呼吸のしやすいマスクです。真っ白いのを買って、染める機会を待っていました。可愛らしい春の色に染まって満足です。

  今回は参加人数が少なかったので、大きな布の染めが何枚もできました。染められる量は、参加人数やその折の染め液の量、進行具合などによるので、その旨、ご承知ください。

  来月は、第三土曜日の4月17日に開講します。染め材料には、萌え始めた若草を使うつもりですが、採取が出来な場合は、別の素材とするかもしれません。お申し込みは、どんぐり工房におねがいいたします。

 

 

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昨秋、ガキ大将養成講座で栗染め講習をしました。

2021-01-06 17:59:33 | 草木染め

  昨年の秋、10月の終わりに、豊田市旭地区のさくら村で、草木染め講習会を開きました。主催は、安藤征夫さん。6年前、ご自分の山を切り拓いて子供たちの基地・さくら村を作り、ガキ大将養成講座(参考:ガキ大将養成講座の拠点さくら村を見学しました。 - アンティマキのいいかげん田舎暮らし (goo.ne.jp))を開講。この養成講座の一つのメニューとして、草木染め講習を開いてくださいました。

   さくら村で最も長めのいい場所にある、「どこでもドア」。

   中央が安藤さん。森には遊具がいっぱいですが、これは皆、子供たちがつくったもの。この日は40名近くの親子が集まりました。

   染めるのは、バンダナ、エコバッグ、スカーフのうち各自一枚。まず模様付けします。模様付けには、いつものビー玉や割り箸のほか、木の工作のために作りためた木切れも活用。

   大量の栗のイガを、スタッフが集めておいてくれました。

   お天気は上々でしたが、晩秋の風が冷たかった。

   染液のできあがり。

   イガのほか、栗の皮も少量、はいっています。

   一斉に布を入れて、染め開始。染色棒は、安藤さんがこの日のために、さくら村にあるメダケで作ってくれました。

   最初しばらくは液の中でよく振って、そのあとは、浮かないように気をつけて放置。

   つけておく間にお昼ごはん。午後からは媒染開始です。   

   こちら鉄媒染。ベージュだった布がしだいにグレーになります。

   グレーの希望者多し。

   グレーになった布を、消石灰の上澄み液に入れます。

   深い茶色に変身。いつもの歓声が聞けました。

    染まった布を水洗いします。

   得意げに見せてくれた男の子。栗の鉄媒染です。このグレー、何度見ても渋くていい。

  模様を外している親子。作るときも外す時も、子供たちは熱心でした。

   出来上がった布から、次々に干していきます。

   染めおわったあとの最後のこのシーンがいつも好きなのですが、この日はことのほか、いい景色となりました。森に、すっかりなじんだ染め布。美しい。

   昨秋から年末にかけて、あれこれ忙しい日々が続いたため、ブログへの投稿がすっかり遅れました。2か月後の今、こうして写真を見ていると、子供たちの真剣な顔や嬉しそうな顔が思い出されます。森の中での講習会は、ひときわ心地よく楽しく進めることができました。こういう機会を与えてもらえて、ありがたいことです。

   ところで、この日はわたしのカメラが壊れていたこともあって、アシスタントをお願いした友人の池田ちかさんに撮影を頼みました。彼女は子供と自然とアートをテーマにしたコノハ美術という企画会社を運営しています。

   さて、どんぐり工房での定例染め講習会は、3月までお休みです。再開1回目は3月27日。染め材料は枇杷の葉を使う予定です。お申し込み、お問い合わせはどんぐり工房までおねがいします。

 

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マコモの葉で染めました。

2020-12-09 14:10:38 | 草木染め

  10月のおわりころ、マコモの葉を手に入れた友人たちからの依頼で、マコモの葉染めをしました。

   マコモ(真菰)は、近ごろ脚光を浴び始めた栄養価豊富の植物ですが、万葉の時代からあり、いまも神事に使われているそうです。こもかぶりもおこもさんもこの「菰」。もとは、マコモでむしろを編んでいたのが、稲わらで編むのが一般的になったのだとか。食用にするのは、根元の部分なのですが、葉もお茶にしたり入浴剤にしたりすると、ずいぶん体にいいといわれています。

   いただいたのは、生の葉と乾燥葉。

  それぞれ煮出しました。

  どちらかというと、乾燥葉のほうが濃い煮だし汁になりました。

   右が生葉、左が乾燥葉です。どちらも銅媒染したもの。

   こちらも同様です。

   右はオーガニックのアームウォーマー。左は鉄媒染したものです。

   こうして並べると、どちらも美しさが際立つようです。

  写真はすべて、当日マコモを持ってきてくださった参加者のお一人が撮って送ってくださいました。布は全部彼女が持参したガーゼ布など、ご自分で縫製したもの。こうした布製品を販売なさっているそうで、草木染めした布でもこれから製品を作っていきたいとのことです。

  生の葉を炒って、お茶を淹れてもらいました。お茶の色も黄色。ほんのり香ばしい味があり、おいしいものでした。

  乾燥葉を頂いたので、煮だして足湯のお湯に入れようと思っています。きっとさらに体が温まることでしょう。

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