アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

自然にできたオブジェ

2012-06-13 23:17:03 | 小さな旅
   稲武の隣町、岐阜県恵那市の旧上矢作地区にある道の駅、福寿の里に、こんなオブジェ?がありました。

   くねくねと曲がった木の枝です。ものすごい曲がり方をしています。

   樹齢150年ほどのスギの木だそうで、てっぺんの枝が下の絵のように複雑に絡み合っていたのをおもしろがって、木を切った人か、切った人からもらった人が小さな枝を落とし、ぴかぴかに磨いて置物にしたもののようです。

   駅の外には、こんなものも売っていました。

   スギの木の株の上のほうに土がたまり、苔だか草だかがびっしり生えています。2800円という値段がついていました。どちらも、自然にできた不思議な形態ですが、こういうものをおもしろいとおもって人に見せたくなる気持ち、共感します。でも、2800円は高いと思う。   
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稲武の川はきれい!

2012-06-13 00:02:14 | 稲武のモノ・コト・ヒト・バ
    こちらに移住してきてから、川の水のきれいな場所が多いのにいつも感心しています。川の中にある石もきれいだし、川べりのアシの群落も美しい。矢作川の源流に位置するこの稲武は、水にはとても恵まれていると思います。

    稲武には大きな川が二つ流れています。ひとつは北設楽郡設楽町方面から流れてくる名倉川、もうひとつは、岐阜県恵那市岩村方面から流れる黒田川です。

    先日、稲武の有志親子で作ったサークル「地球子屋(テラこや)」が、名倉川に棲む生きものを調べるというので、見に行ってきました。場所は、モミジで有名な大井平公園前の吊り橋の真下。お母さんや子供たちが川に入ってたもを操り、いろんな生き物を採取していました。

    この川の岸に下りたのは初めて。運動靴のまま、私も水にはいりました。川に入るときは、使い古しの運動靴が滑らないので、一番いいのだそうです。まだ少し水が冷たく感じられますが、気持ちいい。

    子供が覗いているのは、タコめがねとかいう道具だそうですが、水中がよく見えます。

     下の写真、真ん中よりちょっと左の細長い生きものが、プラナリア。名前だけ知っていましたが、見たのははじめてです。

     この魚は、カワヨシノボリ。水辺に生えるヨシをよじ登る習性があるため、この名前がついたのだそうです。

     ヘビでもトンボでもないのに、この生き物の名前はヘビトンボ。赤黒くていかにも獰猛そう。噛まれると痛い肉動物だそうです。外来種だそうです。

    ヤマトビケラ。石にくっつくようにして幼虫自らが巣を作るのだそうですが、使う材料が小石。なかにはきらきら光る雲母みたいな材料を使っている虫もいました。薄いけれど、けっこう弾力性のある膜の向こうに、トビケラの顔らしきものが見えます。かわいそうでしたが、ぴったり張り付いている膜をちょっとだけはがしてみました。顔がはっきり見えましたが、それ以上はがすのは忍びなくて、あとで逃がしてやりました。またがんばって巣を作ってくれるといいのですが。

   指導してくださったのは、豊田市矢作川研究所の内田朝子さん。2時間ほど、みんながいろいろな生き物を採取したのですが、「トンボのヤゴもどこかにいるはずだ」とおっしゃって、しばしおひとりで川べりの大きな石の下をさぐり、2匹のヤゴを見つけてきてくださいました。おかげで私は、ヤゴがいかに長いあごを持っているのか、初めて知ることができました。

   ずいぶんたくさんの水生動物が取れました。どんな生きものがその川に棲んでいるかによって、その川の水の状態が分かります。その生きものを指標生物というのだそうですが、環境省では、どんな指標生物がいるかによって、水の状態を下記の4つに分けています。
   ①きれいな水
   ②少し汚い水
   ③汚い水
   ④大変汚い水   

     この日、名倉川で採取した動物のうち、この指標生物に当たるものは、ヒラタカゲロウ、ナガレトビケラ、ヘビトンボ、ヤマトビケラなどです。いずれも、上の4つの区分で言うと、①のきれいな水に棲む動物です。

    これまで、このあたりはきれいな水だな、とおもってはいてもほんとのところは分かりませんでした。でも、はっきり「きれいな水」と断定してもらえて、うれしかった。安心しました。

    内田さんによると、川には、大きな石、中くらいの石、小石それぞれいろいろあることによって、その石の下の流れが早くなったり遅くなったりするため、棲む生き物が違ってくるのだそうです。いわれて初めて気がつきましたが、いろんな動物が棲んでいるのは、いろんな住処があるからなのです。そしてどんな石も、水の流れに従って、長い年月の間に少しずつ移動していきます。

    でも、ダムのあるところでは、放流して水がどっと流れるときには小石や土砂も一緒に流れますが、大きな石は流れないのだそうです。それで、ダムの真下はいつまでも同じ大きな石がその場所に居座ることになります。となると、その石に棲むことのできる動物だけがその場所に生息するわけです。

    多様な生物がいれば、ある種の動物に危機が訪れても似たような動物でカバーできます。そうすれば、生物ピラミッドでいうところの、その上位に生きる動物は餌を無くさずにすみます。でも、ある動物だけに偏ってしまって餌の代替ができなくなったら、上位の動物も危機に陥ります。そしてそのまた上に生きる動物も。

    ダムが果たして私たちの生活に本当に役に立っているのだろうかと、しばらく前から疑っているのですが、稲武の豊かな自然の中で生きている多様な動物を目の当たりにしながら内田さんのお話をお聞きしていると、その疑問がさらにぐんと頭をもたげます。

    この日、調査に参加した地球子屋のみなさんと内田さん。地球子屋のメンバーは現在22名。うち大人が8人、子供は14人です。彼らが稲武で行った水質調査は、今回で3回目です。

    このサークルは豊田市のわくわく事業に指定されていて、親子一緒に自然の中で楽しみながら勉強しています。これまで、稲武と隣村にまたがる面の木峠のブナの原生林を探検したり、石ころについて学んだり、焚き火や石窯で煮炊きをすることを楽しんだりしてきました。私宅の、放置してある空き地で秘密基地も作っています。秘密基地なので、写真は載せられませんが。

    どんなことでも、面白がって楽しんで取り組まないと身にならないものだと、この年になってつくづく思います。地球子屋のこどもたちがこれからもずっと、自然について楽しんで学んでくれることを願っています。










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