アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

映画「トニーズチョコロンリー」を見ました。

2021-01-12 15:40:45 | 映画とドラマと本と絵画
  トニーという名前のオランダ人ジャーナリストが、自ら作ったドキュメンタリー映画。上映時間は30分程度の短いものなのですが、中身が濃い。
 
  映画がつくられたのは2002年。当時10万人のアフリカの子供たちが、賃金を支払われず、逃げ出すことも許されず、カカオの栽培や収穫に携わっているということを知った彼。実際にアフリカに行って、農園から逃げた人たちに実態を聞く場面から始まります。
   
  小さな子供が、カカオ豆の入った身長より大きな袋を頭に載せられ、転ぶと殴られる。「一緒に働いていた子供がいなくなる。そういうことがたびたびありました」何らかの理由で殺され、またあらたに労働力として子供が補充されます。食事は一日一回。
 
  トニーは、アメリカで奇妙な裁判を起こします。被告は自分。奴隷的労働は国際法で禁じられている。それを知っているにもかかわらず、奴隷的労働によって入手したカカオ豆を使ったチョコレートを買って食べるのは犯罪だ、という理屈です。盗品とわかっているのに購入するのは罪なのとおなじ。だから自分は罪を犯している、被告人として法廷に立たせろ、というものです。彼の目論見は、大企業のチョコレート会社が、奴隷的労働の実態に頬被りしていることを世間に知らしめるため。
 
  そしてさらに彼の行動はつづき、とうとう奴隷労働をしていない人たちの農場で作られた、と明記してあるチョコレート、その名も「トニーズチョコ」を発売しました!
  このチョコレートは、オランダのフェアトレード会社から発売され、いまやオランダのチョコレートの中で一番の売れゆきとなっているそう。
 
  トニーは、もともとテレビ番組の制作者。番組での宣伝も功を奏しているのでしょう。それにしても一過性にならず、10年以上も人気を博すというのはすごい。味もいいのかもしれませんが、「奴隷的環境のもとで働かされた人たちの作ったチョコレートは食べたくない」と、人々が思ったからなのでしょう。
 
   映画では、制作当時「世界のカカオ生産量のうち、3%は奴隷的労働によってつくられている」と伝えていましたが、それはあまりに数字が低すぎる気がします。確実にわかっているのがそれだけで、ほんとうはどのような形態の農園で作られているのか不明、というのが実態なのだと思います。
 
   それに、もちろん、バナナ農園同様、無理な栽培を強いられ、子供だけでなく大人にも健康被害が出ているかもしれません。でも、そういったことはひとまずさておき、とりあえず「スレイブ・フリー」の合言葉のもと、大企業も企業努力を始めたそう。
 
   このチョコレートを共同購入したいと思って調べたら、ありました。ただし、アメリカから直接送付となるみたい。詳細がパッと見ただけではよくわからないので、あとでゆっくりさらに調べてみようとおもいます。

   くわしくはこちらをどうぞ。http://www.nagoya-fairtrade.net/?p=7472 

 

コメント
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