1年近く前に買ったのですが、いま奥書を見たら初版が昨年4月13日、わたしが手に入れた版は第5刷で、5月7日に出ています。ひと月足らずで5版もでるなんて、すごい人気。
でも実はまだ読了していません。どんどん読んでしまうのが持ったないなくて、たまの楽しみにながめています。
滝沢カレンは、しばらく前から注目していました。彼女の、とんでもないところからやってくる受けごたえがおかしくて、そのへんのお笑いタレントは形無し。それがまたおかしくてわらってしまう。

本書はこんな感じで進みます。
「170度に行きましたら、パサパサ鶏肉をおにぎりを一握りの気持ちで「いってこい」の後押しで油へ。
すぐさま何かしらの反応を見せたら、あ、楽しくやってるな、と見過ごしてあげてください」(鶏肉のから揚げ)
「家族全員が窮屈じゃ無く話せていたらしばらく眺めます。茶色いあったかそうな洋服を着ていたらひっくり返してあげましょう」(ハンバーグ)
「最後の恩返しをと、サバ味噌御殿にキリンの睫毛くらい刻んだ生姜を招待しましょう」(サバの味噌煮)
「新居を見つけた肉は 少し丸まり 優しくなったような表情をしているはずです」(ピーマンの肉詰め)
彼女にとって、どの料理もストーリーになる。なんで「楽しくやってる」の? なんで「あったかそうな洋服」なの? 「最後の恩返し」って、なんで? 次々に浮かぶ疑問は、一文が終わると、なんとなく雰囲気がわかり、料理の微妙な温度とか調味料の分量とか頃合いなどが、理解できたような気がしてきます。
トーク番組に出てくる彼女は、決して堂々とはしていなくて、はにかみながら突拍子もないことを言い出します。でもすごいのが、すらすら言葉が出てくること。理解できるかどうかは別として、どんどん言葉が出てくるところがうらやましい。きっと、言葉を覚え始めたとき、大人たちが彼女の言葉を遮る、ということがなかったのでしょう。4,5歳のことが嘘ともほんとともつかないことを次々にしゃべるのによく似ています。
でも、幼児と画然と違うのは、こうしてちゃんとおいしそうなお料理を作り、それをこうしてスートーリーに仕立て上げることができていること。
レシピは、豚の生姜焼き、中華丼、ラザニアそのほか、多分ほとんどの人が知っている料理が30品以上載っています。作りながら読むと、笑って仕事の手が止まりそうになるので、ご注意ください。