晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

『ミミズの話』

2010年08月14日 | 
新聞広告に出ていた『ミミズの話』(飛鳥新社)を、
出張直前の新宿駅構内の小さな書店で購入し、日帰り長野出張のお供に。



えーと、エッセイでもなく(それほど文章がよくない)、
ポピュラーサイエンスもの、、、というにもややレベルに難ありの、
中途半端な一冊。。。

広告で見たときは、早川書房の向こうを張るのか、飛鳥新社!?と思ったのですが、
あんまり張れずな感じ。

著者は、どうもアメリカでは著名なガーデナー・ライターのよう。
ダーウィンのミミズの研究をひもときながら、もろもろミミズの話を進めます。

生態の話や分類の話、最新の研究や利用の話。。。。
全体的には、すごいでしょっ!ミミズって!!という本ですね。

おもしろかったのは、アメリカの事例で、外来種のミミズが、森林植生を改変してしまう話。

ヨーロッパ産のミミズが、土壌の腐植層を食べてしまい、
それによってそこで発芽し生育する植物がなくなってしまい、
残った下層植生もシカが食べてなくなるという展開。。。。

日本でもシカの増加による下層植生がなくなったり、
生える植物が極端に偏ったりすることが各地で見られますが、
じつは、そんな原因だってあるのかもしれない、、、、、。

ま、アメリカの場合も最後はシカのようですが。。。

「ミミズは生態系のエンジニア」というのがこの本のひとつのメッセージのようです。

著者のミミズへの愛と、利用と環境保護の矛盾がゆらゆらと立ちのぼる一冊です。