晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

クマとアオハダ

2011年09月23日 | 生き物
さて、奥多摩のクマの話も最後です。

クマとカラマツの共演(狂演?)を堪能した私たちは、登ってきたルートを戻り始めました。しばらく下ったところで、
「おっ! クマのウンコ! でかい!」



長さ15センチぐらいの黒々としたりっぱなものでした。



中は同じ種類のタネがぎっしり。

「ああ、これはアレ、、、アレのたぐいですよ!」

大学院生のころ、クマのウンコから出てくる可能性のある種子のサンプルを60種類以上採取したコレクションを誇るわたしです。当然、、、、わかるはずなのですが、名前が出てきません。年でしょうか。

「このミカンの房みたいな形で、筋が入っているの! ええと、モクセイ科じゃなくて、モクレンじゃなくて…」

とにかく、ちょっとフン分析でもしようと持ち帰ることにしました。転がっていた木の皮でうんこをすくうと……

「こ、これ、かなり柔らかくて、新しい感じです!」
「だいたいさ、登りの時もここを通っているはずで、こんだけ大きいなら気づくよね…」
「た、確かに。えっ?ということは!?」

むむ。ちょっとやな感じですが、ま、とにかく下りました。登りもそうだったのですが、小尾根などで先が見えない場所では、ストックをカチカチ叩いたり、奇声(?)をあげたりして、クマを警戒しながら歩きます(本当)。

ちょっと下りると、赤い実が落ちていました。



「ああ、これこれ! アオハダですね! そうそう、このタネはモチノキ科だ!」



こんな木です。この木にクマが登った気配はありませんでした。

ウンコの中身はほぼこれで当たりなのですが、せっかく持って下りたので、ザルを使ってタネを漉してみました。クマのフン分析なんて、20年以上ぶりです。



アオハダのタネと種皮がぎっしり! 100%アオハダのウンコでした。



ウンコの中身のタネ。



アオハダの実から採ったタネ。同じですね。

このウンコから採ったタネを家に持ち帰ったのは言うまでもありません。クマに食べられてウンコなって出てきたアオハダを育てます! これは楽しみです!!