1.乳がんのホルモン剤の副作用:骨はガタガタ
乳がんになると、ホルモン剤が使えるか、ハーセプチンが使えるか、両方使えるか、両方とも使えないか検査をしますが、私の場合ホルモン剤を使える可能性があることがわかりました。使えるとしてもその効果が上がるかは別のようですが…。
08年7月、乳がんの告知を受けてから、まずアリミデックス1mg(夜1錠)を5か月続け、09年3月手術後の抗がん剤終了後、アロマシン25mg(朝1錠)に代わり、以来6年5か月飲み続けています。
私の場合副作用としては、体や顔がほてるのは、始のころ少しありましたが、それほどひどくはありませんでした。発疹が出るということはありませんが、朝起きたとき関節がこわばります。それと骨密度が下がり、骨が弱くなったのが一番困っています。関節のこわばりは、朝起きたときに、徐々に体を動かし、ヨガの簡易体操をのろのろして、菊池体操を6つ、真向法(まっこうほう)をしてストレッチしていると、いつの間にかこわばりがほぐれていきます。時間がないときは簡易体操と真向法だけ、余裕があるときは、ヨガのバランス、樹のポーズやワシのポーズなど3つほどやっています。この片足立ちのポーズは、大腿骨頸部と周辺の筋肉を強化するのに役立つそうです。
15年6月下旬のNの会(神奈川県立がんセンター患者会コスモスの乳がん部会、がん患者と家族ならどこの病院にかかっていてもよい)で、アロマシンの話が出て驚くことばかりでした
アロマシンの副作用で話題になったこと
・ 記憶が悪くなった。仕事上の大事な約束を忘れ、家族や仕事仲間に迷惑をかけることになった。→止めたら元に戻 った。認知症になったかとショックを受けたそう。
・ 目がかすむ。夜になると特にひどい。本が読めなくなる。
・ 発疹ができた。地図みたいな大きな発疹が体の柔らかい所、顔、頭に出た。
→別のホルモン剤に変更してもらったら治った。
こんなふうに生活に直接影響する副作用があるなんて、本当に聞いてびっくりでした。私も記憶が悪くなった感じはしていましたが、普段から天然ボケなので特に意識することがありませんでした。6年半ぐらいアロマシンを飲み続けているのに私大丈夫?と心配になりました。ボランティアで人のお世話どころではないかもしれません。今のところ、特にトラブルもないので、まあいいかと思っています。
2.骨がガタガタ
これに対して骨の方はもう大変。もともと周りに背骨を圧迫骨折する家族がいたせいか、40代のころから骨については意識して暮らし、忙しい暮らしの中でも食事、ウォーキングなどに気を付けていました。
ところが、ホルモン剤を飲むようになってから、骨が急速に弱くなりました。04年7月に若い人の平均骨密度と比較して89%だったのが、アリミデックスを9か月飲んだ後、若い人と比較した値が、いきなり75%に下がったのです。閉経後の骨の状態を勘案したとしても、下がりすぎ! ホルモン剤の影響と推測するのが通常だと思うのです。
実際に、ホルモン剤治療を初めて1年6か月後、09年12月末、右足首腓骨を骨折。髪をカットして帰りにスーパーへ行こうとして、暗いマンションの脇の公園を近道して通り抜けようとしたら、1段段差があり、足をひねったのです。
大したことがないと思っていたら、眠れないほど痛くなり、翌日整形外科に行ってレントゲンを撮ったら骨折していました。わきの下で支える松葉づえを使えず、1本だけの杖を借り、杖の使い方を習いました。乳がんの手術で脇のリンパ節を取る手術も受けているので傷跡があり、わきで支える松葉づえは使えなかったのです。それにしても、つえを使うのって意外とむずかしい。不自由な足を出すのと同時につえをつくのに、「右! 右!」と掛け声をかけながら歩きました。冷やす→温め+リハビリを続けて回復。腫れも半年ぐらいで反対側の足と変わらなくなりました。
この骨折以来ビタミンDの錠剤を摂るようになりました。
ようやく治った、そろそろ借りたつえを返そうかと思った頃、右足骨折からちょうど5か月後、今度は左足首を骨折。陶芸に通い始めてしばらくたち、帰りに100段ぐらいある階段を下りる途中、踊り場にある大きなくぼみにはまり、おしゃべりしながら歩いていてくぼみに気が付かなかったのです。そこで足をひねる。大したことはないと思ったが、前のことがあるので帰りに行きつけの整形外科に寄ると、やはり骨折していたのです。コケタわけでもなくただひねっただけなのに…。こんな簡単に骨折するの?という感じ。
この時は、ショックというよりも、うんざりという感じ。ここまでは、うんざりしながらも「骨は治る」と自分に魔法をかけてリハビリに通う。
さらにそれから2か月、ホルモン剤を飲み始めて2年超、右手首の腱を痛める。ベランダで、レモンの木の剪定をしていて、ちょっと太いかなと思う枝を剪定バサミで切ったら、手が負けて、力が入らなくなったのです。指を動かすことができるが、手首をおさえると飛び上がるくらい痛い。
また行きつけの整形外科に行ったら、手首の腱鞘炎という診断。ニンジンを切れないし、陶芸は再開したばかりだし、左足はまだ治ってなくてつえをついているし、菊池体操にも行けないし、もうほんとにこれからどうしようと途方に暮れる。レモンの木に花がたくさん咲くのに実がつかないので剪定したかっただけなのに…。
この時は、左手と右手指先が動いたので、右手で包丁を持ち、切るとき左手で上から力を入れることで何とか調理はクリアー。ニンジンは硬いので家族に出勤前に切ってもらい何とか乗り切ることができました。家族に感謝。
とりあえず3日冷やし、その後リハビリに通う。足の骨折以来お世話になっている理学療法士さんが、私の状態に合わせていろいろ考えてくださり、どれだけ勇気づけられたかしれません。リハビリで習ったことを、家でも朝夕繰り返すようにしてみたら、2年ぐらいで日常生活に差し支えない状態になりました。腱鞘炎は骨折より始末が悪いという印象。左足のリハビリより腱鞘炎のリハビリが優先でした。
そのころ何かの新書で読んだリハビリ1万回って本当なのだと思いました。
右わきのリンパ節も3つ取っているので、リンパ浮腫の心配もしており、眠るときは、右手を細長いクッションにのせていました。
このように、ホルモン剤を使ってから、両足首骨折、右手首腱鞘炎、右手首骨折と骨が弱る状態が続き悩ましいところです。Nの会に出てみて、再発、転移のケースが絶えないことを考えると、使える薬があるなら続けたほうが良いと考えています。ゲルソン食をやっていても食事で補えるところもありますので。