先週近所のアートセンターで、「杜人(もりびと)」という映画を見る。
人と共生する「杜」を育て生態系の回復に努めてきた矢野智徳さんの活動を5つの例で示すドキュメンタリー。造園家なのだけど、ただ美しい庭を作ればよいという人ではなさそう。
例えば、三春町の玄侑宗久さんのお寺の改修に合わせ、庭園、墓地の通路、駐車場を再生。コンクリートで固めた墓地の通路とU字溝を改修。コンクリートを壊すが、U字溝は撤去するのではなく、一部に穴をあけそのまま使う。風の通り道を作る時に伐採した竹、木の枝を使い、小さなコンクリートブロックを入れ、水と空気の通り道を作る。コンクリートの道は歩きやすいけれど、水の流れを遮断することになり、植物には生きにくいので土と草の道に戻す。コンクリートで固めると植木鉢と同じことになるそうだ。
このお寺で改修前のコンクリートの道の時は、お墓の下の納骨場や骨壺の中に水が溜まっていたが、改修後は水が溜まらなくなったとおっしゃっていました。水と空気の通り道がうまくできたのでしょう。
以前、認知症サポーター講座で知人が、親戚のお墓の引越の時骨壺を開けたら、水が溜まっていた、骨は時間がたつと水になり土にかえると話していました。今思うと、水の通り道ができていなかったのだと思うのですが…。
実家のお寺もこんな風に緑の再生ができたらいいのにと思うのでした。