私の好きな鎌倉
検査結果も上々、特に用事もないので、当てもなく鎌倉を歩きに行く。
裏駅を出て、紀伊國屋の前を右に曲がり、佐助隧道の方へ歩いてみる。銭洗い弁天の通りなので、小町通ほどではないが、少し人も通る。トンネルを抜けもう一つトンネルをくぐると友達の家があったり、途中に私設の図書館があったりして子供の頃よく通った道でした。その途中に古い石垣が続き、大きな敷地、広さに圧倒される場所がありました。
よく見ると、そこに「鎌倉歴史文化交流館」が出来、鎌倉・災害と復興という企画展をやっていて、思わず吸い込まれるように入ってしまいました。
最初のびっくりは、関東大震災の鎌倉の地震のこと。午前11:58の震度7の地震だけかと思ったら、12:01、2分後の12:03と3回大きな地震が続いたそう。16年の熊本の地震みたい。
円覚寺の舎利殿も、寿福寺本堂も、多くの寺社がしゃがむように壊れた写真が残っている。
下馬四つ角まで津波が来た話は親から聞いていたけれど、一の鳥居、第一小学校、六地蔵のあたりが大きな被害を受けているのが写真を見てよくわかる。この企画展は、5・18まで。
次のびっくりは、大きな敷地の謎が解けたこと。この場所は、もともと三菱財閥の岩崎小弥太の鎌倉の家だったのが、転々として鎌倉市の所有になったとか。大きいはず、そうだったのか…。お庭がすばらしい。地層の見える景色をそのまま生かし、がけを削り湧き水をためて池を作り、自然の形状を生かしている。瑞泉寺の庭を思い出す。がけを上まで登ってみると、見晴らしがよく市内が一望できるのもすばらしい。上には以前から祠がまつられていたらしい。今は土台だけ残っている。その池に去年、大賀ハスの種をまいたら、一輪咲いたとか。学芸員さんのお話によると、地下茎ができているのでこれからが楽しみとのことでした。展示室3から見える枝垂桜もよいそうです。学芸員さんにはいろいろお話を伺いました。
最後のびっくりは、永福寺(ようふくじ)跡のVR体験、VR初体験でした。永福寺の太鼓橋を渡って建物周りを一巡する。頭を動かすと景色が変わり、ドローンで見ているような感じ。二階堂の地名は永福寺の二階堂という建物から来ているのかと納得。のんびりした時間を過ごしました。
鎌倉歴史文化交流館は、鎌倉市内の遺跡で発掘された物や資料を展示しています。個人や寺社ではなく館として保存展示できるところが良いのではと思います。ちなみにここの建物は、トランプとキムジョンウンが会談をしたシンガポールのホテルと同じ建築家がデザインしたとか。海外に行かなくても見られるので、意外にも建物に関心のある人が訪れているそうです。