オーロラの旅から1週間。
余韻にひたる間もなく(いつものことです)、
毎月の旅便りの原稿ウィークに突入していましたが
ようやくそれに目途がつきました。
で、ホッとすると思い出すのは
楽しかったカナダ・イエローナイフでの時間です。
お一人参加の女性の方ばかり
箸が転げてもおかしい年頃とばかり、
零下20度の外気にまつ毛が凍ったといっては笑い、
メガネが曇って真っ白だと言っては笑い、
まあ、おなかが痛くなるほどよく笑いました。
なんといってもおかしく、そして可愛かったのが
現地でレンタルした防寒具5点セットです。
ご用意したのは次の5点。
1.青いオーバージャケット
2.風を遮断するオーバーパンツ
3.極地仕様ブーツ
4.顔全体をカバーできるフェイスマスク
5.両手をふんわり包むミトン
すべて身につけると肉襦袢のような分厚さ、重さ。
皆さん、ほとんど手足の自由を奪われています。
コロコロ
一押ししたら、そのままポテンと倒れそう。
ヨチヨチ
おぼつかない足元に防寒ブーツを履かせ、
やって
と両手を開いて見上げるので
(私は長身、皆さんはそろってその反対なのです)
「はいはい」とばかりファスナーをエイッと上げ、
はい、じゃあ行きますよ~
と先頭に立って歩く。
ちゃんとついてきてますか?と振り向くと
はーい!
ちびっこ南極観測隊みたいな青いコロコロが、懸命にヨチヨチ。
もう、かわいいの何のって。
…どうもその姿、ほかのグループからも注目されていたようです。
私たちと同じ日にイエローナイフ入りした
別の旅行会社の添乗員さん。
東京銀座の某デパートのネームタグがついていたので、
「銀座グループ」と私は勝手に命名していました。
とても感じの良い方で、いつも私たちを見てはにっこり。
イエローナイフは田舎ですから行くところも限られています。
ツアー中、行く先々で一緒になり、
最終日の飛行機まで偶然いっしょだったので少しお話をしました。
すると…
「お宅のグループには、ほんとうに癒されました」と。
はい?
何のことですか
とお聞きすると、銀座グループの添乗員さん、クスクス笑いながら
「だって、カルガモの親子にそっくりで。
うちではお宅のこと、カルガモグループと呼んでたんですよ」
なんと。
たしかに、まだ言葉も交わしていないのに
「こちらに向けられる笑顔がどんどん大きくなるな」
「なんであんなに満面の笑みで見つめはるんかな」
と、やや不思議には思っておりましたが…
まさか、カルガモグループと命名されていようとは!
その話、お客さんにしたところ、
この旅一番の大笑いになったことは言うまでもありません。
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