銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

寒の紅

2012年02月10日 | Hの生きる喜び、それは
寒の紅(かんのべに)
―寒中でつくった紅。色が鮮明で美しいとされる

毎年春秋と、俳画教室の貸切バス旅行を手配させていただいている
先生のお宅に、新企画の提案を持って行きました

いつも季節感であふれている先生のお宅
玄関のお花で、応接室の飾りで、壁の絵画で
行く度に新鮮な趣きで迎えてくれます

今日お伺いすると、テーブルにポツンと和紙で作られた椿

「これは、お水取りの…」
もうそんな時期かと、ハッと気付かされました

「そうですよ、もうお水取りの時期ですものね」

赤と白の和紙で一つずつ手作りされる東大寺二月堂お水取りの椿
日本の伝統色で染める「染司よしおか」の手仕事です
正式には「修二会(しゅにえ)」と呼ばれるこの行事中、
本尊の観音様にお供えするため、およそ500個の椿が作られます

よく見ると、少し黒ずんでいました

「それは、昨年のお水取りで使われた実際の椿なんです
行事中の煤がついてしまってそんな色になってしまったみたい」

3月1日から2週間にわたって行われる「修二会」
そのおよそ2週間前から「練行衆」と言われる僧は、
お堂にこもり、その日を迎えるまでの準備を進めるのです

同じく、京都の「染司よしおか」の工房では、この頃から
お供えする和紙椿が、一つずつ作りあげられていきます

「寒の紅」は、まさにこのことを言うでしょう
寒さの中で生まれる、深い赤

修二会の行事は、ほとんどが陰影の深い世界で行われますが、
濃い紅の花は、その中で鈍い輝きを放つそうです

お水取りの季節
お水取りが始まる頃、決まって奈良はうんと冷え込みます
でもそれは、春の兆し
お水取りが終われば、待望の春がやって来ます


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