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銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

ぺんぺん草は知っている

2013年07月22日 | 見かけだおしNのつぶやき
季節をいくつか見過して・・・久しぶりに田舎に帰りました

どうしようもなく荒れ果てた家
夏の陽を浴び、生命力豊かな草々の青が、ただただ眩しい


最近、お客さまでご自宅を整理して、いわゆる介護付きのホームに
引越しされた方がありました

「とても辛かった」と

そんな方に私は

「子供にとっては、何かと残されるのも困るものですよ」
そう言った記憶があります

その方は、少しさみしそうに、
「そうかもしれないね」と

ゴメンナサイ、言葉が足りなかったように思います

残される側の気持ちも結構複雑なのです

こちらもかなりコタエルのですよ、本当に
整理に困る、というのも事実です
それが先の方に言った言葉につながるのですが、
そんなことは、実は大したことではないのです

本当は、とめどなく押し寄せる感情にウロタエルのです
とてつもない寂しさが胸中を蔓延します
どど~んと
膨大な、家族の荷物(思い出)に
ただ立ち往生するのです

「処分する」

簡単なことです
でも簡単ではないのです
そこに、記憶が残ってしまったから

実は、もう一年と半年、空家になった家を
見過ごしてきました
無視してきました

対峙したら何かアクションを起こさないといけないからです
近所のおばちゃんからの
「一度帰っといで」も随分と避けてきました

でも、帰ってしまいました

夏の田舎にどうしょうもなく誘われたからです

セミの声、風の声、川の声、山の声、太陽の声、蚊取り線香の声
あの頃を思い出すに充分すぎる要素があります
田舎の夏には・・・

そんなの郷愁めいた感情で久しぶりに戻った
私を待ち受けていたものは・・・

何をにも遮られることなく自由を謳歌する背の高い草たち
今まさに古家を覆い尽くそうとしていました

「あ~ここは、いよいよ無人なんだな」

かつてこの家に住民がいた時、
「もう!何もせんと、少しは家のことでもしたら!」
と怒ってばかりの私でした

何もせんと・・・
でもあの頃、草はここまで自己主張していなかったな


先のお客様が、久しぶりに荷物を取りに自宅に帰られたら、
「ぺんぺん草がはえていました」とお便りがありました

ペンペン草は知っている

「残される側も、家がなくなる悲しみをを知っています、
 でも記憶がずっと残っていきますよ」

それを、あの時、お客さまにも伝えたかったのです


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