おぉ、さすが夏休み…。
むせかえるようなエネルギーに、一瞬、圧倒されました。
キャンプかどこかに行くのでしょうか、
集合場所の宝塚駅には、小学校4~5年生ぐらいのちびっこたちがうじゃうじゃ。
みんな、いい色にこんがり日焼けしていて、麦わら帽に虫取り網なんか持っています。
最近の子は、なまっちろい顔でゲームばかりしているけれど、
これぞ「正しい夏休みの子ども」だよなぁ、と好ましく見つめたのでした。
さて、そんななかこちらは、滋賀県甲賀市の水口(みなくち)町へ。
この地域の夏の風物詩、かんぴょう干しの見学です。
今でこそかんぴょうの生産は、茨城県が全国生産の8割を占めるそうですが、
水口は江戸時代からつづくかんぴょう発祥の地。
この辺りを代表する風景として、水口宿のかんぴょう干しは、
「東海道五十三次」にも描かれています。
左下の部分です。拡大すると、こんな感じ。
その水口で、農家の方のご協力のもと、実際にかんぴょうを作るところを見学させてもらいました。
さて、現代のかんぴょう作りです。
原料となるのは、ユウガオ(ウリ科)の大きな実。 ※ヒルガオ科のユウガオとは別種
まず、ユウガオに大きな芯を差し、専用の皮むき器に設置します。
そして、外側の固い皮を剥き…
つづいて、内側へ。
魔法のように、実がくるくると帯状になっていきます。
ひとつの実がまるごと、ぺろぺろの帯に換わるまで、わずか1分!
一週間ほど干して…
完成!
白状します。
かんぴょうって、巻き寿司に入っている、あれでしょ、
固くてガムみたいだし、味ばかり濃いし、
そんなにたいしておいしいものじゃないし、別に巻き寿司に入れなくても…と思っていました。
ところが、水口かんぴょうの入った巻きずしをいただいてびっくり。
ほんのり薄味に炊いたかんぴょうの、なんと柔らかくておいしいこと!
巻き寿司にかんぴょう、欠かせません。
今回、もうひとつ驚いたのが、
干す前と、干した後の、かんぴょうの味の違い。
「ほら、味見してごらん」と両方かじらせていただいたのですが、
さきほど剥いたばかりの生のものは、シャクシャクした歯ざわりだけで何の味もしないのに、
一週間干したものは、なんともいえない甘味があり、
皆さんも「これだけでおつまみになるわね!」と。
太陽の力って、すごい。
干すだけで、こんなに美味しく、滋味深くなるなんて。
人も、やっぱり太陽浴びないと。
朝の、こんがり日焼けした子どもたちを思い出したのでした。
おおきくなあれ。
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