添乗明けの出勤日。
ほかの添乗員が行ったツアーのアンケートがたいてい机に溜まっていて、
それを見ることから1日が始まります。
暑い夏こそ発酵食を食べて乗り切ろうと、
湖北に鮒寿司を食べに行ったツアーのアンケートで、こんなお声がありました。
「過去、ご参加いただいた当社主催のツアーで記憶に残る旅は?」の質問に、
知床クルーズの時、茶色に潮焼けした案内のオッチャンが親切だった。
がに股で自転車をこいで帰っていった後ろ姿をよく思い出す。
これ、とても嬉しかったのです。
嬉しくて、思わず、ここにメモってしまいました。
書いてくださったのは、Kさん、というお客さま。
そのときご一緒した添乗員は、私でした。
でも嬉しさの理由はそこではなく、
「記憶に残る場面」として、あげておられたのが、
がに股の自転車のオッチャン、だったこと。
このKさん、海外も含め、あちらこちらの風景、絶景、場面を訪ねてこられた方です。
それが、記憶に残る旅として、「がに股の自転車の後ろ姿」 (笑)!
思い出したことばがありました。
昨年末から年頭にかけて、3ヶ月かけて読み終えた
大西巨人の大作、『神聖喜劇』、全五巻。
その第三巻の解説で、小説家の保坂和志はこう書いています。
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…氏の書くものすべてに〝小説性″が息づいていることが理解されるはずだ。
しかし、この〝小説性″というのが極めて説明しづらい。
外見だけいくら物語があり、人物に事件が襲いかかっても、
〝小説性″のない小説はいくらでもある。
それに対して、氏の書くものは
叙情と縁遠い文章が引用されていても〝小説性″がある。
「あなたのような人がいたことを私は決して忘れない」
「このような光景を私は決して忘れない」
という強い意思が、つねに働いているのだ。
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がに股の自転車の後ろ姿。
Kさん、このシーンから、短篇一本、書いてみませんか。
読んでみたいです。
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