ある日、事務所へ行くとスケジュールのボードの戦場ヶ原ハイキングのところに
私の名前が追加されていました。
毎年恒例の銀のステッキ山歩きツアーです。
先輩に「これは私も添乗に行くいうことですか?」と聞くと、
「そうよ、もちろん」と。
思わず「え“っ!?」と声をあげてしまいました。
なぜなら既にご存知の方も多いですが、
私は山登りハイキングは超がつく初心者。
しかも出発まであまり日もありません。
添乗どころか、かえって迷惑かけてしまいそうな予感すらします。
けれど、ありがたいことにツアーがたくさん重なっていて
どう考えても私が行くという選択肢しかないのも事実。
もはや、逃げられない…
あ、まず靴がない...
隣の席の先輩に、
「靴はやっぱりちゃんとしたもの買った方がいいですよね」と尋ねると、
翌日なんと私の机の上に履き古された登山靴がドーンとおかれていました。
これで足ならしして頑張っておいでと先輩が貸してくれたのです。
(最初で最後になるかもしれないですしね、え?)
家の近所を慣れない登山靴で歩いて歩いて、当日に備えました。
当日は集合場所へいくと、お客様まさか私が添乗とはよもや思われず、
先輩が朝の挨拶を終えると、「Kさん、見送りお疲れ様、じゃあね」と、
お別れモードになったので、
いえ、ご一緒します、とお伝えするやいなや、
「えー!Kさんも行くの!」とビックリマークが10個くらい飛び出すほどの返事が
帰ってきました。
それは、一緒に行ける喜びからくる驚きですよね?それとも...
そんな不安いっぱいの出発でしたが、
紅葉がピークを迎えた奥日光の景色は大袈裟に聞こえるかもしれませんが、
これまでいろいろ見てきた景色の中でも
1番と言っても過言ではないくらいに美しくて、
大きくそびえる男体山、真っ赤な紅葉や、黄金色にキラキラと輝く木、
まだ緑が残っている木のコントラストは絵を見ているかのようでした。
こんな美しい風景の中を歩くのかと思うと俄然やる気が出てきました。
が、やはり身体は正直です。
ハイキングも半ばに差しかかってくるとだんだん足取りが重くなってきます。
山に慣れているお客様はまだまだ疲れている様子はなく、
むしろ今年は易しいコースやなぁという声もちらほら聞こえてくるほど、
いつものツアーなら私がお客様の手を取って歩くのに、
今日は皆さんの後を必死で追いかけます。
「Kさんこんなんでへばってたらあかんよ〜」と
笑われてしまいました。
そして参加者の内数名の方がこれ以上歩くと足に悪いかもしれないのでと、
途中で離脱することになったので私も一緒にお付き添いすることに。
お客様は「ごめんね、最後まで歩きたかったでしょ」と
気づかってくださったのですが、
内心はどれだけホッとしたか…
あのまま歩いていたら、私、どうなっていたことでしょう。
ご一緒させていただき、ありがとうございます!
とこちらから御礼を言わせてください。
それに、ついて来たものの足手まといでしかなく落ち込みかけていた私が
やっと補佐役としてまともな仕事ができました。
路線バスを乗り継ぎ無事にお宿までお送りし、
残りのお客さまが戻ってきた時、少しでもスムーズにご案内できるよう、
チェックインも済ませ、準備万端で張り切って到着を待ちました。
その頃には私のハイキング超初心者っぷりは
すっかり皆さんの笑いのネタになっており、
「来年までにしっかり山ガールとして成長しーや」
「これを機に、自分の靴買って、1年しっか歩く練習しときや」と
来年の山歩きツアーに皆さんの仮予約と共に私の参加も決定してしまいました。
ぎょーっとしていたのですが、
考えてみれば皆さんも昨年の北八ヶ岳のツアーから1年、
戦場ヶ原のハイキングを目標に身体づくりをされてきたのです。
1週間やそこら家の近所を歩いただけの付け焼き刃ではへばってしまって当然。
皆さんと一緒に来年の山歩きツアーに向けて身体づくり頑張ろうと思いました。
まずは靴ですね。
何はともあれ、全員揃って無事に帰ってこれたことにホッとしたら、
早速やってきました、筋肉痛。
うう、まだしばらく旅の余韻が続きそうです。
皆様も3日間本当におつかれ様でした。
来年は、堂々と、集合場所で皆様をお迎えいたします⁈
幻想的な中禅寺湖畔
ダイナミックな湯滝
そして竜頭の滝
戦場ヶ原の向こうにそびえる男体山
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