銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

『もののけ姫』のたたら場

2020年11月14日 | Hの生きる喜び、それは

最近とみに山陰づいている銀のステッキ、いえ、私?
この秋だけで、休暇も含めて、1回、2回、3、4、5・・・
やたら、鳥取と島根を往復しています

今まで、ほぼ知らなかった地域
山陰、山の陰(かげ)、、、そこにはきっと何かがある

島根県の雲南市、山へ入り走り続けると、突然あらわれる大屋根の建物

全国で唯一現存する江戸時代の製鉄工場『菅谷高殿』です

映画「もののけ姫」たたら場のモデルにもなりました

たたら製鉄は、江戸時代に始まった日本古来の鉄づくりの技法
ここ菅谷高殿では、何と、大正10年まで170年間、鉄がつくられていました

高殿の中は、ほの暗くて、秘密めいた雰囲気
神社の神殿の中のようにも感じます

中央に大きな炉
ここに砂鉄を流しいれ、火を入れると、「番子(ばんこ)」と呼ばれる
下役の人が交代で3日3晩、不眠不休で風を送り入れて続けていたそう
ここから「代わり番子」という言葉ができたそうな

出来た鉄の塊は、巨大で炉から出すことはできず
炉を壊して、表へ引きずり出し、小さな池にそのまま落とすと

ゴー―――っという地響きのような音が鳴り響き
まさに「水が燃える」のだそう

今でこそ、静寂が漂う山間の小さな集落

でもかつてはここで、一大産業が築かれていた

高殿以外にも、神様を祀る神木や砂鉄置き場、鉄の洗い場などが残され
今にも先人たちの息吹が聞こえてきそうな場所

もう、この高殿の中で炎があがることはありません

でも、高殿の表にカツラの巨木があり、春、
燃えるように赤く染め上げられるのが、たたら操業と同じ、わずか3日間だけ

まさに、たたら場の炎がのりうつったようだと

そんな話をうかがいました

山の陰には、まだまだ神秘的な場所や歴史が残されていそうです

(今はすっかり葉が落ちたカツラの木)

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