銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

今年の大会提供花火は・・・ムソルグスキー「展覧会の絵」

2023年08月24日 | のほほん同志Aの日常

2,3日前のこと。
鶴岡・赤川の花火のツアーから帰ってきて、
その間に溜まった3日分の新聞をまとめ読みしていたら・・

あっ

声が出ました。

「秋田の花火師 ウクライナ思い」

そんな見出しとともに、夕刊(8月19日付朝日新聞)で紹介されていたのは、
柔和な笑顔がなつかしい今野義和さん。
秋田・大曲の花火師さんです。




自身の花火師人生の道しるべになった言葉として、
「空に壁はない」を挙げておられました。

空に壁はない。

記事によると、この言葉に今野さんが出会ったのは、まだ花火師1年目だったとき。
ベルリン市政750周年を祝う祭典に、日本の花火師20人が招かれ、父に代わって渡欧。
1987年、東西ドイツ統一前の西ベルリンでした。

「地上には壁があるが、空には壁はない。
 西の方も東の方も日本の花火を楽しんでください」

花火団の団長による打上げ前日の挨拶は、
翌朝の地元新聞トップで紹介され、大反響を呼んだそうです。

それから30年あまり。

花火玉をつくる際に必要な、たくさんの火薬。
火薬は人をあやめることも、感動させる道具にもなる。
花火師である自分になにができるのか。

今年、そんな自問自答から生まれた花火のイメージが、

ウクライナ国花、ヒマワリの花火を
ロシアの作曲家、ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」にあわせて打ち上げる・・

そう締めくくられた記事を読んで、

わぁ、、さすが。
自分とこの「創造花火」のプログラムをこれでいくのかぁ
ロシア的なるものすべて腫れ物みたいに敬遠される今、ちょっと冒険?
・・なんて思ったりしていました。

でもでも、全然、わかっていませんでした。

明日からツアーが出発する「大曲の花火」。
先ほどからせっせと準備するなかで、公式プログラムを改めて開き、身震いがしました。



ウクライナのひまわりと、ロシアのムソルグスキーによる組曲「展覧会の絵」。

自社のプラグラムではなく、
なんとなんと、大会の顔である「大会提供花火」のテーマだったんですね!!!

そういえば「展覧会の絵」って、たしかどこかにあったはず…と
ごそごそCDを引っ張り出し、久々に聴いてみました。

哀愁を帯びたトランペットのソロ、「プロムナード」に始まり、
ロシア農奴の苦しい生活を描いたとされる重々しい響きの「牛車」、
そして壮大なフィナーレ、「キエフの大門」へ。

物語性たっぷりの音色に耳を傾けながら、大曲の人たちへの敬意がこみあげてきました。

皆さん、すごい。
この曲を「大会提供花火」に提案した今野さんだけでなく、
それを受け入れ、ともにプログラムの制作にあたったであろう大曲の他社の花火師さん、
実行委員会の方々、その周囲で大会を支えているたくさんの方々、
皆さん、ほんとうにすごい。


空に壁はない。


東西ドイツを隔てていた壁は、
ベルリンの空に大輪の花火が打ち上げられた2年後、崩壊しました。

そして、今年。

壁のない世界を願い、大曲の夜空いっぱいに打ち上げられるひまわりのメッセージ、
しかと受けとめたいと思います。


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