ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅      薬物後遺症と心の傷・・・35

2012-03-08 | 3章 デリー中央精神病院・入院記録
 

 ラウラシカの食事の準備が遅れた。遅くなるのが当り前のようになり、ここ数日それが続いている。寒い病室でアユミと遅い夕食をとり、1本のタバコに火を点け2人で吸った。食後の一服は美味しい。病院では一応、禁止されている。シスターが何時、病室に入ってくるか分からない。1本のタバコを2人で吸えば終わりは早い。ドクターの往診は夕食後にあるが毎日というわけではないし時間も遅い。ドアをノックして病室に入って来るのはドクターだけだ。
今、ドアがノックされた。ぼくとアユミは目を見合わせ
「どうして、こんなに早いの?」
そんな顔をして、2人は慌ててタバコの煙を窓の外へ出していたがドクターに見られてしまった。ドクターはタバコを吸われない。臭いですぐ分かるだろうがタバコの件について注意はされなかった。
「調子はどうかな、トミー」
「順調に回復しています。ドクター、お願いがあります。薬を少しずつ減らして頂けませんか?」
「検討してみよう、返事は少し待って下さい」
「アユミ、後で事務室に来て下さい。君には少し話しがあります」
コメント
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