病室から出て行くドクターの後姿を見てぼく達は肩の力を抜いた。何故こんなに早いのだろうか往診ではない、アユミに大切な話しがあって来られたのかもしれない。
「私に話しって何かしら?」
「アユミの退院についてじゃないかな?」
暫らくするとアユミは戻って来た。
「タバコ、貰っていい?」
タバコを一服する間合いが欲しかったのだろう。
「3日後、退院したら日本へ帰ることになったの」
彼女はタバコをぼくに渡した。渡されたタバコの煙を見ながら、ゆっくりと吸った。
「う~ん、そうなの」
言葉の先は消した。慰めの言葉なんてアユミには必要ない。旅の終章をアユミは決断した。ひとりの旅人であったとぼくの心の記憶に残す、それ以外ぼくに出来ることは何もない。
「おやすみ」
アユミが去った足音とタバコの煙だけが残った。
「私に話しって何かしら?」
「アユミの退院についてじゃないかな?」
暫らくするとアユミは戻って来た。
「タバコ、貰っていい?」
タバコを一服する間合いが欲しかったのだろう。
「3日後、退院したら日本へ帰ることになったの」
彼女はタバコをぼくに渡した。渡されたタバコの煙を見ながら、ゆっくりと吸った。
「う~ん、そうなの」
言葉の先は消した。慰めの言葉なんてアユミには必要ない。旅の終章をアユミは決断した。ひとりの旅人であったとぼくの心の記憶に残す、それ以外ぼくに出来ることは何もない。
「おやすみ」
アユミが去った足音とタバコの煙だけが残った。