ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅             逮捕・・・3

2012-03-27 | 1部1章 逮捕
 
 スタッフはテェイスト、ラーニングそれとキックの三点について評価されるが最も重要な要素は言うまでもなくキックだ。強いキック力とそれを持続させるパワーが必要だ。主な使い方は三種類ある。チェーシング、スニッフ最後にインジェクションだ。普通のジャンキーはインジェクションをやらない。理由は人それぞれによって異なるだろうがブラックを除いてホワイト、イエローのスキンは明らかな注射痕を残す。それに注射器、特に針の入手は難しくなっていた。強く持続的なトリップは注射器を使わなくてもドラッグの組み合せによって得られる。それを可能にしているのは比較的安価で多種類のドラッグが市場に供給されているからだ。持続するトリップの世界からリアリティーに回帰できるジャンキーはインジェクションを避けたいという潜在意識がある。超えたくない一線、回帰不能の領域へジャンプするという恐れのようなものを持っているのかもしれない。しかしドラッグの最後のトリップは死であろうという微かな予感はぼくも持っていた。友人カルロスの死はデリー中央刑務所に面会に来てくれたマリーから知らされた。
 普通チェーシングとスニッフを併用する事が多い。スタッフをチェックする時、アルミホイールの上に少量のそれを置き下から火で焙る。スタッフはその熱で丸まった液状に変化しアルミホイールを少し傾けると液状になったスタッフが下から火に追われるようにしてラーニングする。そのとき出る煙を細いパイプで吸い取る。不純物や混ぜ物が多いとぶす々と燻りラーニングせずテェィストも悪くキックも弱い。
コメント
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