京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

その気持ち、よ~くわかりますが・・

2009-02-27 17:44:02 | 仕事
朝から、雪・・・
もうすぐ春と思っているこの時期の雪と寒さは、こたえます

せめて春・・と桃の花を飾って。


先日、喪服のしみ抜きを・・とお客様がお越しくださいました。
見せていただくと、上前にスレ傷。
ちょっと汚れがついたので・・と、ついおしぼりで触ってしまわれたようです

スレ傷とは、一般の皆さんには聞きなれない言葉だと思います。
繊維の表面をこすってしまうと、表面がケバ立って
傷ができてしまいます。
ほかのところと比べてみると、光が乱反射して白っぽく見えます。
シミは汚れなので取れますが、キズなので直しにくく
白っぽいのを目立たなくすることになります。

絹はデリケートですし、生地の織り方によっても
スレのできやすい、また目立ちやすいものがあります。

汗をかいた時など、紐や帯、帯枕のあたっている部分に
スレを起こす場合もあります。
こういった場合は仕方がないとして
シミをつけた場合に、下手に触ってしまってスレ傷を
つくるのは、ぜひとも避けてください。

ポツっと食べこぼしの小さなシミをつけた時など
「このくらいなら、とれそう・・・
と、つい触りたくなる気持ち、よ~くわかります
この私ですら、そう思いますもの

でも、濡れたおしぼりなどでこするなどはもってのほか
こすったつもりはなくても、こすっていたりするものです。

シミをつけたら、触らずにそのままお持ち下さるのが一番です。
料金も、スレ傷直しをすることに比べたら
結局お安くできることになります。

食べこぼしなどであっと思ったら、すぐにティシュやハンカチなどで
押えたり、つまんだりして表面の汚れだけを取り除き
あとはプロにお任せください

また、シミ抜きも上手なところへ。
一度下手な処理をして残してしまうと
薬品で固定してしまい、とれるものも取れなくなることが
あるそうです。

こんな脅しのようなことを書くといけないのかも知れませんが
ちょっとだけ着物を着たらおしとやかに
食べこぼしなどしないようにお気をつけくださいませ。

考えてみれば、
着物でも、お洋服でも、汚すのは一緒ですよね。
真っ白なセーターやブラウス、
薄い色目のスーツ、パンツ、スカート
を着た時、きっと同じだと思います。

エレガントに・・振舞いましょう

でも、シミをつけたらこすらない・・
自分でちょっとやってみようかな・・・という気持ち、
ぐっとこらえて・・

覚えておいてくださいね




コメント
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