小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



それほど考古学に興味がある方ではないが小田原市内の久野地内には古墳群があって、散策の途中に何度か立ち寄ったことがある。先日、郷土史の資料で曽我の丘陵地にも古墳があることを知ったので散策ついでに古墳を見学に出かけた。曽我谷津にある物見塚古墳は城前寺東側約300mほどの場所に所在している。入り組んだ路地の奥でかなりわかりづらい場所。小さな案内板が入口角にあるくらい。路地を進むと畑へ突き当たる。草に隠れるようにして伝曽我氏居館跡の石碑が立っている。目指す物見塚古墳は伝曽我氏居館跡に隣接しているので畑の中に設けられた遊歩道を進む。伝曽我氏居館跡の石碑前から遊歩道は東側に伸びている。周辺は畑とみかん畑と梅林が混在している長閑な風景で古墳を連想させるようなものは見当たらない。伝曽我氏居館跡の石碑前から遊歩道を30mほど進むと曽我一族郎党の供養御堂前に到着。古くからの謂れのある御堂かと思ったら、曽我兄弟仇討から800年の記念に平成6年に建立されたもの。曽我一族郎党の供養御堂裏手にまわってみると物見塚古墳があった。古墳らしさはほとんどなくて梅林と畑の隣接している場所に案内看板が立っているだけ。物見塚古墳は平成元年に発掘調査が行われて、古墳時代後期の円墳であることが明らかになっている。明治初期までは横穴は開きょになっていて、塚の上には大きな石が積み上げられていたとの記録が残っているが、明治20年代に近くの邸宅に石が運ばれ石垣として利用されてしまった。見所の乏しい物見塚古墳だったが、市内にはまだまだ訪れたことのない史跡があることを実感することが出来たので有意義な探索となった。

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