滋賀県蒲生郡竜王町にある天台宗雪野山龍王寺。
和銅3年(710年)に元明天皇の勅願で行基により雪野寺(ゆきのでら)として創建された古刹です。
雪野寺跡からは奈良時代の塑像断片も出土しており、古代からこの地に寺院が存在したことが証明されてます。
本尊は薬師瑠璃光如来。
宝亀八年(777年)に大和国の小野時兼が寄進したとされる釣鐘。
この梵鐘には小野時兼と美和姫(実は大蛇)にまつわる伝説があります。
また、本堂が火災にあった時に鐘堂から水が噴き出したり、心がけが良くない人が撞いても鳴らなかったり、鐘に雨乞いすると慈雨が降ったりと不思議な霊験が伝えられてます。
そのため、寛弘4年(1007年)にこの鐘の噂を知った一条天皇によって「龍寿鐘殿」(りゅうじゅしょうでん)の勅額を賜り、寺号を雪野寺から龍王寺に改めました。
写真には写っていませんが、釣鐘の上の龍頭部分は白い布で巻かれており、雨乞いの時以外は決してその布を外さないそうです。
大蛇であった美和姫が棲んでいた平木の沢につながるとされる白水の池。
美和姫が平木の沢へ沈んでいった後に池の水が白く濁ったと云われています。
奈良時代から平安初期にかけて隆盛を極め、千坊あったとされる雪野寺の跡地。
龍王寺の隣にある天神社。
龍王寺の裏手には国の史跡でもある前方後円墳の雪野山古墳があります。
発掘された木棺とその周辺からは銅鏡、石製品、勾玉、農工具、漁具、土器、武器・武具などが出土していて、それらは国の重要文化財に指定されてます。
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