ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

シアターテレビ - 3 ( 平泉氏の現実認識 )

2015-09-16 21:15:28 | 徒然の記

 平泉氏の話は、やはり面白い。政治、経済、文化、外交、民族、語学、選挙制度等々、独特の観点から私の知らない事柄を教えてくれる。

 その中でやはり一番気になったのが、中国問題だ。

  ・考えてもごらんなさい。中国の面積は日本の20倍、人口は10倍です。

  ・経済規模は、やがて日本の7、8倍になると言われています。

  ・昔は、国の大きさがそのまま国力とはなりませんでしたが、今はインターネットの時代ですから、瞬時に情報が伝わります。

  ・交通手段も、国土の広さを感じさせないほど発達しました。

  ・だからこれからの世界は、大国の時代なんですね。広い国土と、沢山の人口を持った大国が覇権を持つのです。

  ・そういう意味では、アメリカだって国力は日本の三倍しかありません。

  ・人口が日本の10倍で、経済力が7、8倍になるというのですから、中国は、今後とてつもない大国になりますね。

  ・ロシアも国土は広大ですが、人口が一億ですから、逆に中国を恐れています。シベリアの方では、中国人が何千万人も移住しているでしょう。

 私は今までも、今も、人口の多寡が国力に比例するとは、考えたことがなく、多すぎる人口は国の発展を阻害すると思っている。そんな私にお構いなく氏が語る。

  ・世界一貧しい国の一つだった中国が、たった30年で強大な国家になった。

  ・1000年ぶりに、大国が突然日本の前に、姿を現したのです。唐以来の出来ごとです。

  ・中国のエリートは、もう日本を重要視していないと思います。

  ・国民はテレビと映画で、日本の軍人が悪だというものばかり、見せられていますから、今でも、これからも、日本人を恐れています。

  ・エリートは寛大でも、民衆は日本を許さないという構図ができています。

 中国を礼賛しているようにも聞こえるので嫌な気もしたが、氏は語り続ける。

  ・最近の日本には、骨が無くなりましたね。国際社会で、独立国として生きていけないような状態になっています。

  ・中国は、世界の覇権国になるという気概が満ちています。大変な国になりましたね。

  ・もし中国が危険な国であるとしたら、どう対処すれば良いのか。世界中の国が研究しています。

  ・本当は日本こそが、国を挙げて中国の研究や分析をしなければいけません。

  ・危機意識も、国防意識も無かったから、防衛省はあってなきがごとしの状態でしょう。

  ・外務省だって、在るような、無いようなもので、隣国の情報収集に、国の存亡がかかっているという意識が、全然ありません。

  ・軍や警察の情報力強化とか、外務省の情報とか、そんなレベルのものではありません。経済、軍備、政治などの一般情報でなく、もっと高度な情報です。

  ・中国と争うためでなく、衝突を回避するための情報、とでも言えばいいのでしょうか。政治家や軍隊の人脈や、個人的な様々の情報、外務省や軍が動いて取れるもので無く、取ってはならない情報といいますか・・

 氏は明確に述べなかったが、米国のCIAや、ロシアのKGBあるいは英国の諜報機関のような、非合法な活動をする機関を指していると推察した。私は、氏の言葉に感銘を覚えた。

  ・国は常に、最悪の事態を想定しなければなりません。大事なことは、誰も助けてくれない場合に、どうするかなのです。

 安保条約でアメリカが助けてくれるという思考も、氏から見れば、甘すぎる認識であるらしい。氏の提案は単純だが、とても難しいものだった。

  ・ありとあらゆる手を使って、敵対関係を作らなくするための情報。政界や経済界だけでなく、中国社会のあらゆる階層に、友人を沢山作ること。一般市民の中にもです。

  ・どうも日本の情報対応は、相手国内部への浸透が、他国に比べると格段に弱い。国の生存がかかっているという、危機意識がないのですね。


  ・日本人の勤勉さと、たゆみない献身で、戦後の経済成長がなされました。

  ・しかし、軍事費を使わなくて済んだから出来たんだという、そんな見方も大切なのです。今世紀の日本がやるべきことは、二つですね。国際情勢の情報を本気で取る努力をすること。真剣に国の防衛を考えること。

 氏の言葉を反芻しつつ、参議院での質疑を思いだした。民主党の小川議員が、総理に質問していた。

 「大切な隣国である韓国が、北朝鮮に攻め込まれたら、自衛隊を派遣するのか。」

 総理はもちろん否定していたが、今もなお慰安婦問題で日本を苦しめ、世界遺産の登録では露骨な嫌がらせをし、そんな韓国がなんで大切な隣国であろうか。

 反日の議員が得意そうに質問できる議会の状況を、氏が存命なら何と考えただろう。

 氏の意見のすべてに、賛成していないが、それでも、この唾棄すべき反日の議員に比べれば天と地の開きがある。

 彼らは国防意識が欠如しているのではなく、敵国を利する国亡意識しかない愚か者たちだ。

 シールズの奥田氏が、国会で意見陳述をしているのも聞いたが、法案の中身への反論でなく、民意のデモを無視した国会審議だという感情論に終始していた。内容の無い、子供じみた彼の主張を、取り上げる野党もマスコミも、心ある国民には嫌悪しか感じさせない。

 亡くなられた氏を偲び、対談を聴き、ブログに記録しておく方が、余程日本のためになる。57回シリーズの、やっと36回目を見終えたところだが、根気よくブログに残したい。

コメント
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