「護る会」に対し、今後どのような姿勢で臨むかについて結論を述べる前に、あと二つほど活動例を紹介いたします。
・ 令和2年 5月 安倍首相に、尖閣周辺海域における7項目の提言書を提出した。
1. 海洋自然調査団の派遣
2. 米軍との合同演習の実施
3. 船溜りの整備
4. 海上保安庁巡視船の大型化
5. 海難救助などを目的とした「魚釣島測候所設置法」制定
6. 中国による領海侵犯行為の海外に向けた映像公開
7. 習氏の国賓来日中止
・ 令和2年10月 総会に招かれた安倍氏が、「護る会が自民党の座標軸になってほしい」と激励。同会は安倍氏に最高顧問就任を要請し、氏は「検討する」と答えた。
その後安倍氏が、最高顧問に就任したか否か知りませんが、ここまでくると、同会が「隠れ安倍派」だという推測も、当たっているような気がしてなりません。政党には党の目標や綱領があり、アジェンダなどと変な表現をする党もありましたが、護る会は、「基本」と呼び、3つ掲げています。
3. 護る会の基本
1. ただ一系の天皇陛下のご存在を護るため、皇位継承を正しく安定させる
2. 中韓による国土の浸食を阻み、回復する
3. 主要国にあって、日本にだけ欠けているスパイ防止法を制定する
4. 護る会 執行部
代 表 青山繁晴 幹事長 山田宏
副代表 鬼木誠 副代表 長尾敬
事務局長 高木啓
常任幹事 山谷えり子 常任幹事 石川明政
「基本」については、言葉の表現を別にすれば、全面的に賛成です。むしろ国会内外で、大いに発信してもらいたいくらいです。
肝心の、同会に対する私の対応姿勢ですが、正直に言いまして、依然としてスッキリしていません。残念なことに、昨日見た氏の動画【ぼくらの国会】が、さらに私の気持を遠のかせました。宮内庁の西村長官に関する動画でしたが、同じく国を思う人間でも、私と氏の違いがこれほどあったとは驚きでした。氏は長官と長いつき合いがあるとのことで、まれに見る国士であり、素晴らしい人物であると、手放しの賞賛でした。
「その長官の発言に対し、誹謗中傷する人がいるがとんでもないことです。」「長官は、断じてそのような人ではありません。」
私は誹謗中傷しているのでなく、長官失格だから罷免すべきと言っています。氏は国士と言いますが、私には武士の魂を失った人物にしか見えません。
「長官の発言は、おそらく陛下との合意の上でのものだと思います。」「すると早速、陛下の発言が政治的発言だと、攻撃する人が出てきます。」
「陛下が何か発言されると、すぐにそう言って反対する人がいます。」「陛下は常に国民のことを思われ、日本全体を考えておられます。」「その陛下が、心配ごとを言われて何が悪いんですか。」「ならば陛下は、オリンピックにも、国民の暮らしにも、無関心でいろというのですか。」
「陛下の大御心 ( おおみごころ ) の中には、政治的なことは当然含まれています。そうした全てを、私たちのために祈られているのです。」
「陛下の大御心 ( おおみごころ ) 」という、大時代的な言葉を使う人物の話を、私はあまり信じないことにしています。今の時代では、「陛下のお気持ち」という言葉で十分であり、大袈裟な言葉はかえって国民の気持ちを離れさせると、そう考えています。こういう言葉を使う保守と称する人は、陛下が間違ったことをされても、無批判に受け入れます。
上皇陛下が譲位の「お言葉」を、NHKを通じて発表され時、憲法逸脱の行為であるにも関わらず、西村慎吾元議員と、チャンネル桜の水島社長は、「陛下の大御心」だからと肯定しました。こういうことを言い出しますと、愛子天皇も上皇陛下の大御心だからと、肯定しなければならなくなります。
国論が分かれている事柄について、陛下のお言葉に言及することは控えねばなりません。西村長官への弁護にしても、私には通じません。国士であるというのなら、国士らしい言動がなくては、国民は知りようがありません。陛下のお言葉を伝えないように願うことが、どうして「無関心」であれという極論になるのでしょう。青山氏が力説するほどに、心が冷めていきました。この程度の、愛国心なのかと・・・
残念な結論ですが、かって中国が改革開放政策へ舵を向けた時、鄧小平氏が言った言葉を思い出しました。
「白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である」