ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

山本一太氏について

2011-03-04 12:05:15 | 徒然の記
 国会中継を見まいと思いつつ、どうしても見てしまう。スイッチを入れたら丁度山本一太氏の質問の場面だった。

 まさしく一昔前の国会風景を演じる彼に、目をそむけたくなった。テレビを意識し声を張り上げ、閣僚の答弁に不満らしく首をかしげ、その度に彼を応援する汚いヤジが野党席から飛んでくる。果たしてこれが国会の審議と呼べるものなのかと、私の方が首をかしげたくなる。氏の質問はと言えば,予算案の中身でなく,総理の答弁の断片を捉え、しつこく食い下がり、本題と無関係な些事で議論を終始させている。こんな意味のない攻撃調のやり取りでは閣僚も疲れるだろうし、みている国民だって辟易する。

 ついこの間まで同じことをやって民主党は政権を取り、今は攻撃される側にまわっているのだから山本氏だけを指摘するつもりはなく、これが今日までの日本の国会というものだったということが言いたい。自民党は通算二度目の野党を経験し、野党も二度目の政権を得た訳だから、ちょうどこの辺りが国会審議のあり方について考え直す時期なのだ。ようするに国会は、言葉尻を捉えて政府を吊るし上げる場でなく、いきり立って無闇に喧嘩をする場所でもなく、まさしく国と国民のための政策論を戦わせる場所であるいうこと。

 議員たちも、もうそろそろ国民の選良として、品位のある論戦をしてもらいたいものではないか。国民にだって品のない人間が沢山いるのだから,そうした国民が多くいる地方からは相変わらず品格のない議員が選出されるとしても、民主主義国家なのでそれはそれで致し方なしだ。少なくとも今の私は、山本氏が自分の選挙区でなかったことを幸いとする。さて、品位とは何かと言えばなかなか難しい。言葉遣いが丁寧であれば良いのかと言えば、そこは又異なる。

 鳩山さんは歴代総理の中では珍しく丁寧に誰にでも対応したが、喋る中身が日本を混乱させた。谷垣さんも礼儀正しい紳士だが、額に青筋を立て殊更強い意志を見せようとするばかりで、残念ながら党首としての中身が無い。さてそれにしても、国会中継をみていると、日本の国は素晴らしいとつくづく思い、日本に生まれて良かったと安堵させられる。共産圏の国では都合の良い場面だけが国民向けに報道されるだけだし、独裁者の国では国会すらない。

 こんな無様な国会審議を当たり前のようにNHKが全国放送しているが、いったいこのようなことを当然のこととしてやっている国が他にあるのだろうか。自民党であれ民主党であれ、議員がNHKに圧力をかけ、格好いいところだけ放映しろと圧力をかけたとも聞かない。何と云う素晴らしい議員たちであり、国であり、社会であることだろう。私は本気でそう思い、感謝している。感謝しているけれど、人間には欲があり、欲には限りが無いから、国会審議に注文をつける。

 もっともっと良い国にしてもらいたいと、議員たちに注文をつける。そして最後にはもちろん、自分自身にも注文をつける。「人の振り見て、我が振り直せ」・・・・・・。
 実を言うと私も、山本氏に劣らず、議論となると他人を責め、言葉尻を捉えて攻撃し、品位のかけらも無い人間なのだから。
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