ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

自由民主党への疑問 - 10 ( エネオスと出光興産の株主 )

2025-01-30 08:37:51 | 徒然の記

  〈 集約された5社の株主 〉

  昭和56年に出された石油審議会の提言を受け、業界は合併、吸収などの再編を繰り返し、令和2 ( 2020 ) 年時点では、17社あった民族系石油元売会社は5社になりました。

 令和3年度の売上高で並べた下記一覧表はすでに紹介しましたが、まず 1 位のエネオスと2 位の出光興産の株主を紹介します。

   1 位. エネオス ( ENEOS )  ・・  7兆6,580億円         

   2 位. 出光興産      ・・  4兆4,251億円                

   3 位. コスモ石油     ・・   2兆383億円        

   4 位. 太陽石油      ・・    4,576億円   

   5 位. キグナス石油    ・・    2,838億円                 

 

 〈 1. エネオス ( ENEOS ) 主要株主    〉(2021年9月30日現在)

      日本マスタートラスト銀行 13.28 %    ・・JPモルガン系 

          日本カストディー銀行      7.03 %   

            ステイト ストリート銀行     3.17 %   ・・JPモルガン系 

     SMBC日興証券          1.51 %   

     高知信用金庫           1.34 %   

              JPモルガン チェイス銀行    1.19 %   ・・JPモルガン系  

              INPEX             1.03 %   ・・旧・国際石油開発帝石

 民族系石油会社のトップだった「エネオス」は、国際金融資本家であるモルガン財閥が筆頭株主になっています。

 金融商品取引法によりますと、持株比率が1%以上があれば当該会社の「株主提案権」を得られ、3%以上あると会計帳簿の閲覧権」と「株主総会の招集請求権」が得られるのだそうです。

 発行済み株式のうち3%以上の比率があれば、「財布の中を全て見る権利」と「財布の中身の使い方を提案する権利」の両方を得られることになります。

 つまりエネオスがこれだけの株式をモルガン財閥に保有されていると言うことは、経営権を握られていることになるのだと思います。

 

 〈 2. 出光興産 主要株主    〉(2021年9月30日現在 )

      日本マスタートラスト信託銀行  12.13 %  ・・JPモルガン系  

             日章興産              9.10 % 

      アラムコ・オーバーシーズ・カンパニー・ビー・ヴィ  7.76%     ・・サウジアラビア

      公益財団法人出光美術館    6.85 %

      日本カストディー銀行      4.05 %

      財団法人出光文化福祉財団   4.10 %

           ステイト ストリート銀行          1.92 %    ・・JPモルガン系 

      SSBTCクライアントオムニバス 1.86 %    ・・中国系ファンド 

           三菱UFJ銀行                                    1.73 %    

           三井住友信託銀行                           1.73 %    

           三井住友銀行                                    1.73 %    

 業界2位の「出光興産」は、モルガン財閥だけでなく、世界最大の石油産出国・サウジアラビアの「アラムコ」、さらには中国系のファンドまで入っています。愛国の起業家・出光佐三氏が作った「出光興産」は、すっかり影が薄れました。

 出光創業家が、昭和シェルとの合併に反対した最大の理由は、「サウジアラムコにのみ込まれて、出光が消滅することを恐れているからだ。」、と指摘したエネルギー業界の首脳もいたそうです。

 なぜなら「サウジアラムコは、アラムコ・オーバーシーズ・カンパニー・ビー・ヴィ名義で、昭和シェル石油株式を14.96%保有していたからです。

 結局出光創業家は、外資導入を進める経営陣に敗れ、「アラムコ」の資本が入ってしまいました。佐三氏が毛筆で書いた「出光」のマークは、全国の給油所名が「アポロステーション」となるとともに、消えていくのでしょうか。

 かって石油業界では、外国資本の出資を受けていない会社を「民族系石油会社」と言っていましたが、予想していた以上に外国資本の進出が大きく、エネオスも出光石油も、もはや「日本の民族系石油会社」とは呼べなくなっています。

 業界1 位の「エネオス」と2 位の「出光興産」がこの有様ですから、3位以下の会社の株主は推して知るべし、調べる必要を感じなくなりました。関心のある方は、どうかご自分でお調べください。残念ながら「ねこ庭」の意見は、「民族系石油会社は日本から消えた」と言う表現になります。

 以上で、「アメリカ巨大資本」と「スーパーメジャー」に関し「ねこ庭」が予測した下記2点の内の、1番目の事実を検討・報告しました。

   1. 彼らは自分の影響力を、「日本の石油業界」で行使しようとする。

   2. 彼らは自分の影響力を、「日本の産業界」でも行使しようとする。

 次回は彼らが石油業界だけでなく、日本の産業界にも影響力を行使している事実を紹介します。驚くと言うより情けなくなります。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自由民主党への疑問 - 9 ( 外... | トップ | 自由民主党への疑問 - 11 ( ... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

徒然の記」カテゴリの最新記事