冷え込む朝夕はわんこたちも動きが鈍くなり暖房のエアコンの下から動こうとしません。
あなたたちは幸せだわね〜
岩手県のとある被災地の現実。
ひとり暮らしの85才のおばあちゃんが、10才になるラブラドールと暮らしておりました。
今は被災して仮設住宅にいるのですが、
おばあちゃんは目が弱くなり体も思うようでなく、まる子(仮名)のお世話をすることができなくなりました。
遠くに離れている子供たちもそれぞれの事情でまるこを預かる事ができません。
そこで、ボランティアの人がまるこを里親に出すことを提案しました。
おばあちゃんは家族同然のまる子と離れる事は考えられない出来事でした。
それでも、結局どうすることもできずに里親を探す事にしました。
自分も施設に入らないと生活ができない程の体調になっていたからです。
おばあちゃんは条件をいろいろとつけました。
「家の中で飼ってくれる人」
「散歩は一日3回してくれる人」
「食べ物も今まで通りにしてくれる人」などなど
とうてい条件に会う里親さんを見つけるのは不可能に近いものです。
それでもおばあちゃんは条件を変える気にはなりません。
まわりの人も途方にくれて
ある人はまる子を保健所に連れていくことを提案するまでに・・・
「いっそ、この子と一緒に死んだほうがましだ」とまで言い出したそうです。
おばあちゃんにとって、まる子は一番大事な家族でしかありません。
こんな状況でそんな無理な条件を出しても、とまわりから反感を買うことになってしまったのです。
震災によってペット(というより大切な家族)と離れなければならなくなってしまった現実。
そのとき無理難題を並べながら里親を探そうとする気持ちは決して間違っていないと思うのです。
「決して別れたくない」のですから。
私はこの話を聞いて涙が止まらなくなりました。
もし、私もうちのわんこたちと離れなければならなくなった時、
きっと、このおばあちゃんと同じような要求をして
それでもダメなら一緒に死んだほうがましだと、やはり考えるでしょう。
まる子の場合、
幸いこの話を私にしてくださった知り合いのボランティアの方がすべての条件を呑んで預かる事になりましたから
おばあちゃんにとっては不幸な中でも幸せな結果を得ることができました。
こうして、離れ離れにならなければならないペットが今回の震災でどれほどいるのかと思うと悲しくて胸が張り裂けそうになるのです。