田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

夕日の中の理沙子 5  麻屋与志夫

2008-11-25 16:42:04 | Weblog
使う言葉まで同じ。
どのテレビも新聞も報道していることは同じだ!!
でも、ほんと、試験から解放されて、みんなその点では、ほっとしている。
ヨロコバシイコトデス。
髪を長くのばしているだけでにらまれる。 
髪は肩までたらさないように。      
ソックスは無地。
靴はスニカー。  
外出時にも、制服着用のこと。
それくらいの校則は、ガマンしなければ。
ともかく、中間も、期末試験も、なんにもない、ゴクラクみたいな中学にいるんだから。
ゲゲの学校なんだ。
鬼太郎の学校なんだ。   
試験もなんにもない。    
たのしいな。
たのしいな。  
みんなで歌おうゲゲゲのゲーという、ユートピア。

教育の超理想を校長が実践している。
全国の中学生アコガレのガッコウナノヨ。
絶対に失敗はゆるされない、と校長はガゼンはりきっている。
日本の新世紀の中学教育の未来をオンブしている。
オンブお化けじゃないけど、気負いすぎて、理想が重荷になってつぶれなければいい。
だれがって、モチ学校が。
そんなわけアリだから……まあ、校則がきびしいのも、しょうがないカ。
「わたし、アキラメテル。もうすぐ卒業だもんね、コウジ」            
ああ、だめだぁ。こんなトークするはずじゃなかった。
わたしはKYじゃない。空気は読み過ぎ。
いまは大好きなコウジと会っている。
それなのに、この話題はなによ。

下級生は担任の先生もきまっていない。
日替わり担任制という新制度もできた。
文部省のエライさんは、担任の日替わりなんて、トンデモナイと批判しているらしい。
そう新聞にのっていた。  
まいにちまいにちぼくらの担任は……とA君がまた歌いだす。
鯛やきのメロディの替え歌をうたう。
かわってしまって、いやになっちゃった。
外出すら制服でないとゆるされないのに……。
先輩とデートしているのみつかったら。
どんな罰がまっているか。
かんがえただけでも、こわい。

セスジヲトカゲがはしる。

試験を完全撤廃したために、生徒の風紀がみだれたぁ!
なんてことになると困るのはダアレ。 
あとすこしで、高校入試。 

受験だ。




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ああ、快感。

夕日の中の理沙子 4  麻屋与志夫

2008-11-25 08:19:13 | Weblog
これでは、なんのために会っているのか、わからなくなる。            
恋しいカレとデートするのがたのしくて走ってきたのに。
胸ときめかせて、走ってきたのに。
まだ動悸がなりやまない。走ってきたばかりじやない。
コウジに会えたよろこびからなんだから。
うれしくて、トキメイテ、胸の鼓動がなりやまない。

斜陽はきえてしまっていた。
山の端がかすかに赤らんでいた。 
夕日がきれいだ。夕映えがまだ空にのこっている。 

薄闇がせまっていた。

生徒たちだって、ぴりぴりしている。
取材されてもなにもいわないように。  
とはいわれていない。     
くちどめ、されているわけでもない。
でも、みんなの顔をみていれば、ものいえばくちびる寒し、てなことはわかるというものよ。                 
サムイ。 
テスト廃止。
……本音のうらはサムイ。
それをさぐりあてるのがプレスのひとのおしごと、じゃないの。
それなのに、ナニヨ。
ぜんぶ、どこの新聞も。
テレビもおなじ意見。
マスコミの偏向取材ここに極まれる。
と、きどってみたいワ。
マスコミが裏読みできなくなったら、この世は闇よ。
どうしてテスト廃止なんて、とんでもない。
高校入試も、大学も就職もぜんぶ試験があるのに。
これで、学力は維持できるのだろうか?
くらいの、批判をする新聞記者っていないのかしら。

いい、わるい、なんてわたしたちには、わからない。
それは、なん年かたってみないと、結論はでない。
永遠にこの試験のない中学に学んだことの是非は、結論はでないことかもしれない。
でも……みんなでわたればコワクない的なマスコミの報道って怖い。
テスト廃止にのりきった校長の英断。
進学中心の授業からのぬけだしをはかる英断。
英断。




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