田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

夕日の中の理沙子 17 麻屋与志夫

2008-11-30 19:04:06 | Weblog
曇り空からぼた雪と雨がおちてくる。
こういう降りかたになると春がくる。  

春がくるのはうれしい。
春すき、大スキィー。 

でも、TSエリオット……春は残酷な季節……なのだから、インウツ。ヒサンだ。
芽吹きの季節だが、わかれの季節でもあるのよね。

コウジの秘密。
part one
建具屋の家が倒産して、たとえ受験に成功しても、親からの仕送りはかぎりなくOにちかい。
それに進学は反対されている。
受験にかかる費用だって、新聞配達でバイトした金をためたんだもの。
あんなに、リッチだったのに、かわいそうだ。      
運命の変転。
急転直下の激変。     
それなのに、デートの費用はワリカンにしよう。
て、わたしがいうのに。
もう見栄はって、さっとレシートもってレジに急ぐんだから。
かわいそうなコウジ。
大学にいかせてあげたい。
進学できないで、就職することかんがえているんだわ。
ヤッパ、家業継ぐのはいやなんだ。
だからわたしともわれたいんだわ。
三年たてば、ひとはかわるさ。
三年たてば、わたしも大学生。
東京にでられるわ。
それに、なん年たってもわたしのちきもちかわらないのに。
遠距離恋愛って、ステキだとおもわない。
まいにち、わたしメイルするからさ。
さびしがらずに、元気でいこうよ、コウジ。
どうしてトウキョウで待ってるっていえないの。
トウキョウで待っているから、はやく三年が過ぎるといいな。
くらいのこと、ネエ、いってくださいな。
ウソでもいいからいって。
おねがい、コウジ。  
コウジが就職してもわたしのきもちはかわらないのに……。
なにがあっても、なにがおきても。
いつになってもわたしはコウジへのきもちは、かわらないからね。
もうこれでおわりだなんて……いや、絶対、金輪際いや……いやですからねー。
でも、コウジ、わたしがなにもしらないとおもっている。 

コウジの秘密。
part two
コウジ。 
男の恋人とはどうなってるの?
ほんとなの。つきあっている男友達がいるなんて。
信じられない。

やっぱり気になるんだな。




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ああ、快感。


夕日の中の理沙子 16  麻屋与志夫

2008-11-30 16:47:09 | Weblog
知っていてしらないふりしてたの……。  

そんなのって、すゥごく、つらいよのね。

わたしは、悪女なのネ。    

コウジをおこらせる気はなかったのに。

コウジのこと、よく理解してる。

でも、さいごのさいごになって、からんじゃった。

ボッコシ屋。  

ヤッパ、わたしって、デストロイヤーなんだわ。

悪女。                 
なんだ、わたし。

コウジのこと好きで好きでたまらないのに。
すぐ感情的になってしまう。
いつも冷静に。
皮肉なこといわないこと。

いってしまってから、しまったぁ、とおもう。
反省もする。
でも、そのときはもうおそい。

あいてをおこらせている。    
それなのに、すぐにはあやまれない。
イヤァナ性格だ。

2月24日   
朝から雪まじりの雨。
きのうは、スゥゴイ大夕焼けを見ながら帰ったのに。
ウッソみたい。

お天気まで理沙子を責めているみたい。

神沼にはまだ春はこない。 

すごく寒い。 

陰鬱。

ヒサン。    

ミジメ。                                

コウジをまたまた、おこらせてしまった。
どうして、♡♡♡♡♡♡ラブにみちた会話をできないのかしら……わたしたち……。

まだ、おこっているだろうな。

会うたびに、感情が交差してしまう。

感情の座標軸がてんでおたがいにちがう。
ところにあるみたいで、さびしい。

なんだか不吉な朝だ。        




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夕日の中の理沙子 15 麻屋与志夫

2008-11-30 06:54:18 | Weblog
いってしまうと。
なにかこの恋が軽薄なものになってしまう。
ようで、こわい。
でも、いいたいものよ、ね。

オンリーユー。

アナタダケヨ。

コウジ。

スキ。

スキ。

だぁいすきです。

……。

コウジ「みんなかわっていくんだ。理沙子もかわるさ」

理沙子「コウジとおなじ街に住んで……たのしかった。
でもこれからは、住む街がかわるからって、
……そんなこと別れる理由にならないヨ」

コウジ「かわれるって表現がわるければ〈出発〉〈巣立〉。
ぼくらがおとなになったとき、
未来の思いでのなかで、
あれでよかったんだ……
あのとき別れていて……
よかったんだって思うさ」

なんて古典的なの。

未来のことなんか、どうでもいい。

理沙子「きらいになったんでしょう。
そうよ。
キョウミなくなったから、わたしと別れたいんでしよう。
そうなら、そうと、はっきりいって。
……あきらめる」
コウジ「そんな。そんなことあるもんか」
あああ、やっぱ、コウジをおこらせてしまった。
いつも、いつもかれをおこらせてばかりいるのだ。

いじっぱりの理沙子。
ダメじゃないのよ。

ゴメンネ。
コウジぃ。           
わたしみんなしっているのよ。

コウジが進学できないこと。

家のあと継ぐように強制されてることを。

給料が払えない。
ながいこと勤めていた建具職人さんが、みんな辞めてしまった。
だから、家族だけで、零細企業と笑われようとも、建具屋をつづけていく。
長男のコヴシはとうぜん家業をつぐ。
それがごくあたりまえの町。        

因循姑息だあ!!
古くさくて、急場しのぎの判断しかできない町の雰囲気。
きらい。

コウジに男の思い人がいた?  
いる? 
過去形か現在完了形かわからないけど。
るいは、現在完了進行形?



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