第二十章 酒の谷唄子
5
淡い月明りに照らされた庭。
薄闇のなかで庭の空気がかたまった。
破られた門扉から。
庭樹の陰から。
鹿沼石の塀をのりこえて。
黒服の襲撃。
あっ!!
隼人は見た。
百子が人工の滝の上に姿を現した。
だが、見えないはずだ。
クレーンを足場にしてのスナイパーには。
百子はボウガンをかまえた。
いつのまにあんなものを備えて置いたのだ。
それにあの場所。
忍者としての勘。
いつか来る敵の襲撃を予感しての配備なのだろう。
クノイチ48にガードを頼んでおいて、よかった。
ぼくとキリコだけでは一気に攻めこまれていた。
矢が放たれた。
気配でそれとしれた。
スナイパーが消える。
射殺すことが出来ないまでも、ダメージをあたえたことは確かだ。
百子は庭の黒服にむかって矢を射こむ。
黒服がばたばたと倒れる。
闇で使用する武器としてはボウガンはサイコウだ。
音がしない。
マズルフラッシュがない。
音も、光りもない。
だから、何処から狙われているかわからないのだ。
闇からふいに必殺の矢がとんでくる。
こんなこわい武器はない。
玄関に近寄る黒服に隼人も銃弾を撃ちこむ。
この距離この位置からでは外すはずがない。
さすがの黒服もひるむ。
「わたし。百子をヘルプする」
美智子を翔太郎にあずける。
キリコが廊下のはずれの非常階段を駆け下りていく。
「どうして……美智子。どうしてわたし狙われるの。どうして……」
「唄子じゃないかもしれないよ。わたしかも」
キリコが両手に小太刀をもって黒服のむれに斬りこんだ。
小太刀がキラッとひから。
小太刀が光の尾をひいて闇を斬る。
そこには黒服がいる。
クノイチ忍者の剣技が薄闇のなかで冴える。
百子とキリコの技に隼人は絶賛の拍手をおくった。
だがしかし、門扉に強い衝撃。
ダンプがつつこんできた。
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薄闇のなかで庭の空気がかたまった。
破られた門扉から。
庭樹の陰から。
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黒服の襲撃。
あっ!!
隼人は見た。
百子が人工の滝の上に姿を現した。
だが、見えないはずだ。
クレーンを足場にしてのスナイパーには。
百子はボウガンをかまえた。
いつのまにあんなものを備えて置いたのだ。
それにあの場所。
忍者としての勘。
いつか来る敵の襲撃を予感しての配備なのだろう。
クノイチ48にガードを頼んでおいて、よかった。
ぼくとキリコだけでは一気に攻めこまれていた。
矢が放たれた。
気配でそれとしれた。
スナイパーが消える。
射殺すことが出来ないまでも、ダメージをあたえたことは確かだ。
百子は庭の黒服にむかって矢を射こむ。
黒服がばたばたと倒れる。
闇で使用する武器としてはボウガンはサイコウだ。
音がしない。
マズルフラッシュがない。
音も、光りもない。
だから、何処から狙われているかわからないのだ。
闇からふいに必殺の矢がとんでくる。
こんなこわい武器はない。
玄関に近寄る黒服に隼人も銃弾を撃ちこむ。
この距離この位置からでは外すはずがない。
さすがの黒服もひるむ。
「わたし。百子をヘルプする」
美智子を翔太郎にあずける。
キリコが廊下のはずれの非常階段を駆け下りていく。
「どうして……美智子。どうしてわたし狙われるの。どうして……」
「唄子じゃないかもしれないよ。わたしかも」
キリコが両手に小太刀をもって黒服のむれに斬りこんだ。
小太刀がキラッとひから。
小太刀が光の尾をひいて闇を斬る。
そこには黒服がいる。
クノイチ忍者の剣技が薄闇のなかで冴える。
百子とキリコの技に隼人は絶賛の拍手をおくった。
だがしかし、門扉に強い衝撃。
ダンプがつつこんできた。
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